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鼠、恋路の闇を照らす [日本の作家 赤川次郎]


鼠、恋路の闇を照らす

鼠、恋路の闇を照らす

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2018/11/30
  • メディア: 単行本


<裏表紙あらすじ>
弱きを助け強きから「盗む」
その者、大泥棒、鼠小僧次郎吉。
壱、山登り中の〈鼠〉御一行。そこには三千両を抱え江戸から逃げる盗賊たちがいた。「鼠、ご来光を拝む」
弐、差出人を偽った恋文が江戸を騒がせる。評判の色男の不審な動きとの関係は!?「鼠、恋文を代筆する」
参、小さな兄妹を残し逢引する母親。彼女は浪人風の男から命を狙われていて。「鼠、隣の家の子守唄」
肆、放火犯による火事現場にて、屋根にいた〈鼠〉は火消しを手伝うことに。「鼠、空っ風に吹かれる」
伍、大店の娘を助けた徳山は御礼に歓待を受ける。彼の妻子には魔の手が忍び寄り。「鼠、恋路の闇を照らす」
陸、突然広之進を斬り付けた女。心中相手に裏切られた姉の仇討ちと言うのだが。「鼠、心中双子山の噂話」

シリーズ第11弾で、単行本です。
第10巻「鼠、嘘つきは役人の始まり」 (角川文庫)は読んでいますが感想を書けずじまいですので、第9巻「鼠、地獄を巡る」 (角川文庫)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)以来です。

盗賊ではあるものの〈鼠〉がいい人なのはいつも通り、と言いたいところですが、どんどんいい人度がアップしてきていまして、なんだかいつ稼いでいるのだろう? と思えるくらい。
帯に「懸命に生きる町人の幸せを守るため」と書いているのですが、あくまで泥棒が本業であって、人助けはおまけ、もちろん見て見ぬふりはできないにせよ、主客が転倒しないようにしておかないと困るんじゃないかなぁと心配になるくらい。

ミステリとしては(今どき、赤川次郎にミステリを期待している人は絶滅危惧種でしょうが)、もうちょっと盗みに比重を置いてもらいたいところですが、江戸の町人の世界というのは、赤川次郎にとって居心地のよい舞台のようなので、この調子でどんどん新作が書かれていくのでしょう。
それが証拠に(?) 赤川次郎の数あるシリーズの中でも破格の速さで巻数が積み上がっていますから。

<蛇足>
今回の6つの話、タイトルが徐々に長くなっていっています。偶然だとは思いますが。
どんどんこの傾向が続いて、行きつく先はラノベみたいにとても長ーいタイトルになったら、おもしろいのに......

<2020.2.18追記>
古い記述が残っていました。削除しました。
失礼しました。

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