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秘密 season 0 7 [コミック 清水玲子]


秘密 season 0 7 (花とゆめCOMICSスペシャル)

秘密 season 0 7 (花とゆめCOMICSスペシャル)

  • 作者: 清水玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2018/07/05
  • メディア: コミック

<カバー裏あらすじ>
2061年、世の中は75年ぶりに接近するハレー彗星の話題で持ちきりだった。そんな中、「偉人」たちの「脳」ばかりが奪われる奇妙な事件が発生。一体誰が何の目的で行ったのか。この事件は「第九」MRI捜査に関わりは全くないのだろうか──。薪と青木が捜査を進める中、明らかになった真相とは…。


ずいぶん久しぶりになりましたが、清水玲子の秘密シリーズを。
今回のお話は「冬蝉」というタイトル。
蝉のエピソードとハレー彗星のイメージが全編を覆っています。

「もし私が1週間で死ぬ蝉だったなら 他の生き物が80年も100年も生きる事など知りたくもない」
「神がもしたわむれに蝉に真実をしらせたなら 何故 そんな残酷なことをなさるのか
 何故 神は人間に身に余る英知をさずけたのだろう
 なぜ我々はいけもしない何億光年も彼方の宇宙にこんなに憧れるのか
『蝉』なのに」(47ページ~)

焦がれるあまりに踏み出す研究者たち vs 薪、という構図で、研究者たちの方に薪の恩師を配したところがミソですね。
「第九」の意義にも関わる非常にデリケートな問題を扱っており、脳を見ることに対する立場が一見すると逆転しているように思えるところがポイントなのでしょう。
またこの点については、このシリーズの出発点である「新装版 秘密 THE TOP SECRET 1」 (花とゆめCOMICS)(感想ページはこちら)に収録されている米大統領の話「秘密 -トップ・シークレット-1999」のテーマでもあったということも注目すべきポイントだと思います。

これと同時に、天体観測に触発されて、薪がありし日の鈴木とのすれ違いを回想するシーンが挟み込まれます。
こちらで、アズマヤマドリの習性をめぐって青木が演じる役割が、登場人物たちの立ち位置を考えると味わい深い。
シリーズ的には重要なエピソードだと思うのですが、個人的にはあまり感心しませんでした。というのも、薪の心情があまりにもダイレクトに描かれすぎていると感じたからです。
心の中のものとはいえ、セリフとして表出してしまうのは、物語のトーンとして違和感があります。
エピソードそのものはとてもいいと思ったのですが。

ところで、スタイリッシュな造本になっていて素敵なのですが、配色にはもっと気をつかってほしいです。
この「秘密 season 0 7」 (花とゆめCOMICSスペシャル)は深い緑が基調色になっていますが、裏のあらすじや袖の紹介文などのように、そこに黒い文字を乗せるととても読みにくい。
ユニバーサルデザインうんぬんとかいう大きな話の遥か手前で、製品として読みにくさという点は考えてもらいたいな、と思います。


<蛇足1>
「ただ私達に譲れない信念と宇宙への思いがあるように彼にも…検察側にもあるのだと思います」(100ページ)
薪のことを指して言っているセリフです。
薪は警察であり検察ではないので、ここは話者の勘違いということになります。
殊にこの物語の場合、薪と検察はまったく同体とはいえず、意見を異にし対立しているのですから、なおさらおかしく感じてしまいます。
一般的には混同されているのかもしれないな、と思いつつ、ちょっと残念に思いました。

<蛇足2>
112ページに
「せっかく京都にいるんだ尚護院の八ツ橋食べたいな…」
という薪のセリフがあり、名菓として三角形のお菓子の絵が描いてありますが、それ生八ツ橋で八ツ橋じゃないですよ(笑)。
八ツ橋は、その名のとおり、八ツ橋をかたどったものですから、細長い瓦型というのでしょうか、そういう形の硬いお菓子(分類するとおせんべいでしょうか)です。
柔らかくて中に餡などが入っているのは生八ツ橋で、別のお菓子です......
まあ、こんなこと言っても世間的には生八ツ橋こそが八ツ橋かもしれませんが。
でも、ちゃんと後段144ページでは生八ツ橋と書かれていますから、薪がいい加減に記憶していたということですね。こらっ、薪!




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秘密 season 0 5&6 [コミック 清水玲子]


秘密 season 0 5 (花とゆめCOMICSスペシャル)秘密 season 0 6 (花とゆめCOMICSスペシャル)

秘密 season 0 5 (花とゆめCOMICSスペシャル)
秘密 season 0 6 (花とゆめCOMICSスペシャル)

  • 作者: 清水玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2018/07/05
  • メディア: コミック

<カバー裏あらすじ>
2057年。ホラー映画祭で人気を博した「見えないともだち」の公開が迫る中、映画を見た人が次々と謎の幻覚を見て全国各地で死亡する事件が発生する。プリオン感染による犯行の可能性を疑う薪は服役中のタジクに捜査協力を依頼するが…。(5巻)
死を呼ぶ映画とSNSで噂される「見えないともだち」。薪はその映画の中に、死亡したと思われていたカルト教団の教祖・児玉良臣の姿を発見する。一方、事件の鍵はエアミストにあると推測した青木。それを受けて囮捜査を行い、「ストーンヘンジ」元幹部の須田洋子を逮捕したのだが… (6巻)


5巻と6巻あわせて1つの話になっています。
題して「増殖」。

帯に
『1話完結型ミステリー・「増殖」編収録の最新5巻6巻』
とあるのですが、こういうパターンを1話完結型というのでしょうか?
1話完結というのは、短編集みたいなかたちで各話がそれぞれ読みきりになっているものを指すのではないでしょうか?

さて、読み終わってみると、なんだか既視感にあふれた物語でした。
呪われた映画、プリオン、エアミスト、カルト教団、囚われ(?) の子供たち。
だからか、帯に書かれている「衝撃すぎるラスト」というのも見当がついてしまいました。
途中の展開も、いくつか仕掛けられているツイストも、想定の範囲内に収まってしまっています。
一方で、だからこそ、というべきか、紡ぎだされる物語は、非常に堅固なものに感じられます。
ピタっ、ピタっと、ピースが収まるべきところに収まっていく感覚、快感といった感じでしょうか。
新規性はない代わりに、なんともおぞましい話なのに、ある意味居心地の良さを感じてしまいました。こういう話にこういうテイストというのはなかなか貴重なのかもしれません。

しかし、薪を上司にしたら怖いですね。
「別に銀河系の中からいるかいないのかわからない生命体を探せとか無茶を言ってるわけじゃない
 せいぜい太平洋に沈んだ海賊船のダイヤを探す程度のものだ」って...
「瀬戸内海とか東京湾とかじゃなくて…?」と言ってる部下も大したものだと思いますが...


<2019.8.12追記>
古いページ(秘密 season 0 2&3)の記載が重なって残っていました。
削除しました。失礼しました。



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秘密 season 0 4 [コミック 清水玲子]

秘密 season 0 4 (花とゆめCOMICSスペシャル)

秘密 season 0 4 (花とゆめCOMICSスペシャル)

  • 作者: 清水玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2016/08/05
  • メディア: コミック

<裏表紙あらすじ>
2066年、九州第八管区室長の青木は、東京に来てMRI捜査のシンポジウムにてある発表をしていた。それは、「可視光線」以外をとらえる特異な目を持った永江明元死刑囚のMRI映像についてだった。その発表になぜか激高する、桜木刑務部長。桜木は薪の同期で、常に薪をライバル視していて…。


「秘密 season 0」シリーズの第4冊。収録されているのは「可視光線」というお話。
時間設定がいったりきたりしますので、ちょっと最初戸惑いましたが(何度か読み返しました)、非常によく仕組まれた話だと思いました。
乱暴に要約すると、哀しみと祈りの物語、ということになるのかな、と。
犯罪を扱い、犯罪の結果引き起こされる悲しみを描いていても、人を思うことの強さが伝わってくるのがポイントですね。

桜木刑務部長が薪の同期で、薪のことをライバル視しているということで、薪の警察大学校時代のエピソードが描かれるのがシリーズ読者的には注目でしょうか。


前作「秘密 season 0 2」 (花とゆめCOMICSスペシャル)「秘密 season 0 3」 (花とゆめCOMICSスペシャル)(ブログの感想ページへのリンクはこちら)が、単に新しい事件を描いただけの、スピンオフというよりは続編っぽいものでしたが、この「秘密 season 0 4」 (花とゆめCOMICSスペシャル)は薪たちの過去がかかわってくるのでスピンオフ本来のかたちに戻ったのでしょうか?
「秘密 season 0 5」 (花とゆめCOMICSスペシャル)がどんな話か、楽しみです。




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秘密 season 0 2&3 [コミック 清水玲子]


秘密 season 0 2 (花とゆめCOMICSスペシャル)秘密 season 0 3 (花とゆめCOMICSスペシャル)秘密 season 0 3 (花とゆめCOMICSスペシャル)
  • 作者: 清水玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2015/09/04
  • メディア: コミック


<裏表紙あらすじ>
「第九」で数々の事件を解決してきた薪と部下の青木。パリから帰国した薪を待ち受けていたのは、有名レストランの廃棄物から検出された遺体の一部。薪はこの事件の背景に、そのレストランのシェフ、タジク・シャマールが絡んでると睨むが…。(2巻)
天才的頭脳の薪に、一歩も引けを取らないタジク。同郷ゆえにカザフスタン大統領の食事会のシェフに選ばれたタジクと、その警護にあたる薪と青木。食事会会場で起きる波乱の出来事とは? タジクの真の目的は…!? 「原罪」衝撃の完結巻! (3巻)


「秘密 season 0 1」 (花とゆめCOMICSスペシャル)に続くシリーズですが、2巻3巻あわせて1つの話になっています。
題して「原罪」。

1949年の核兵器実験と思われるシーンで幕を開けます。
転じて2036年のカザフスタン。そして東京へ。
読み始めてびっくりしたのですが、秘密のスピンオフ、と思っていたら、普通に続編です(笑)。こうなるとスピンオフとは呼び難いような...
薪が戻ってきておりまして、東京での新たな事件に挑みます。
綺麗な絵にグロい中身、というのがこのシリーズの売りなわけですが(そうだったでしょうか!?)、この「原罪」はその意味で絶好調ですね。
あらすじにも書かれていますが、レストランの廃棄物から遺体の一部が出てくる、となると、ミステリファンならおなじみのあのテーマなのかな、と思うところでして、それを匂わせるようなエピソードがふんだんに出てきます。この段階で受け付けない人もいらっしゃるでしょうね...

このレストランのシェフ、タジク・シャマールが超重要人物なわけですが、彼のプロフィールがすごいです。
「タジク・シャマール(34) カザフ族の貧しい遊牧民出身だが欧州各地で修業しフレンチ・イタリアンはもとより 日本料理も日本の駐イギリス大使が指名する程のウデだとか 彼の特異な所はこのように羊・牛・豚・魚…はてはふぐまでメインの食材は可能な限り自らいって と畜・解体から行う事 この流儀を変えないためメニューは限られレストランは週4日の営業のみ タジクが料理したアトは尻尾しか残らないといわれる程食材をムダなく使い それら総てをフレンチのコースとして出しミシュランをはじめ評価を得ている事で一種カリスマ的な存在として見られています。」
いや、もう、おなじみのあのテーマにうってつけの人材ではありませんか!!

福岡に行ってしまった青木も登場します。青木と薪の関係が、これまた...

それはさておき(シリーズ的にはそっちのほうがメインなんだとおっしゃる方もいらっしゃるでしょうが)、事件はタジクのレストランで何が起こっているのか(あるいは起こっていないのか)から、カザフスタン大統領来日のパーティでの警護へと進んでいくのですが、なかなかに見せ場の多い作品になっています。
特に気に入ったのが、匂わせていたあのテーマがミステリでいう一種のミス・ディレクションとしても機能している点です。素晴らしい。
一方で気になったのは、クロイツフェルトヤコブ病(狂牛病)の取り扱い。まず科学的に立証されていないことを前提にしているような気がします(実証されていたらすみません)が、フィクションなので、そういうものだとして物語を組み立てることは認められるとも思いますので、そこはOKだとして、出発点となるべき最初の感染した部位を犯人はどうやって入手したのでしょうか? そこがわかりません。今イギリスにいるので狂牛病には敏感? いえ、大流行していたさなかにも当時ロンドンにいたもので...そのせいで未だに日本では献血できません...

タジクと薪の対決というのはとても見ごたえがあるのですが、しかし、それにしてもこの事件、行きがかり上ということなのかもしれませんが、第九が捜査に乗り出すような事件ではないんですよね。脳もほとんど調べませんし。
また、薪の捜査方法も、薪らしくないというか、突撃型であまり頭を使っていない感じ。もう一ついうと、薪がこの事件にのめり込む理由もそれほど説得力がない...このあたりの点は残念です。

第4巻ではどんなストーリーを見せてくれるのでしょうか?

<蛇足>
警視総監が第3巻で薪のことを
「彼はたしかに小さい割には強いかもしれないけど でもそれも『小さい割には』ってだけでやっぱ弱いよ! 絶対 握力40切ってるよ!? アレ 腕が強いんじゃなくて気が強いだけだからね?」
と言っているのには笑ってしまいました。




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秘密 season 0 1 [コミック 清水玲子]

秘密 season 0 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)

秘密 season 0 1 (花とゆめCOMICSスペシャル)

  • 作者: 清水玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2013/08/28
  • メディア: コミック



先日、「憂国のモリアーティ 1」 (ジャンプコミックス)の感想で(リンクはこちら)、「コミックも2シリーズだけ持ってきていまして」と書きましたが、そのとき触れたもう一つのシリーズがこの「秘密 Season 0」 です。
6巻まで持ってきましたが、先月(2018年7月)7巻が出たようです(買わなきゃ...)。

秘密のスピンオフで、この巻は、薪と鈴木克洋との出会いが描かれます。
二人は大学生です。

出会いが最悪で、そのあと仲良くなる(?) というのは王道中の王道、定番中の定番の展開ですが、きちんとその流れに棹差しています。素晴らしい。
合コンを「親睦会とは名ばかりの下らない性交目的の異性品定め物色の場」とは、言い得て妙ですね(こらっ)。

薪の両親が死んだ火災事件の謎を解こうというのが薪の(当時の)ライフワークだったわけですが、そこに出てくるのが、選び抜かれたエリート候補しか入れない謎の結社「プレミアム」。
いやあ、いいですねぇ、こういう怪しげなの。
薪の法定後見人(要するに育ての親、みたいなもんですね)である澤村敏が、薪の両親が死んだ火事の際顔と全身に火傷を負い、怪しげな外見(大変失礼な言い方になっていてすみません。でも、絵が怪しげなんです...)になっているというのも、思わせぶりでいいです。
(ちなみに、火災の真相は、おそらく読者の想定の範囲内です)

鈴木と薪の関係性は、この「秘密 season 0 1」を読んでもぴんと来ないままだったりするのですが、
『俺はおまえの「澤村さん」にはなれない
 お前の「両親」にも「家族」にもなれない
 「恋人」にも「伴侶」にもなれない
 --なれないけど
 でも「親」からはいつか独立して必ずいつかは死別する時が来る
 「恋人」や「夫婦」だってどっちかが浮気したらお終いだ
 でも「友人」なら
 「友人」ならずっと一緒にいられる』
というのは、なんにせよすごいですねぇ...

シリーズ2巻はどんなストーリーを見せてくれるのでしょうか?

<蛇足>
「履歴・家系 宗教の有無等から 鑑みると」というセリフが出てきます。
会話なので構わないという考えもありましょうが、プレミアムの会員がこんなでたらめな日本語を話すとは思えません。
これも間違った使いかたがかなり広まっているので、無駄な抵抗だとは思うんですが、指摘しておきます。


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秘密 トップ・シークレット (12) [コミック 清水玲子]


秘密 12―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 12―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2012/10/29
  • メディア: コミック




あけましておめでとうございます。
昨年は、仕事の環境が激変し、ちっとも読めず、感想もかけず、という状態でしたが、今年はもっと本が読めるといいなぁ。

さておき、今年最初の感想は、コミックです。
2012年10月に出たコミックで(奥付は2012年11月になっていますが)、シリーズ最終巻です。
最終巻であるこの第12巻には「秘密 トップ・シークレット 2010 END GAME」の続きと「秘密 トップ・シークレット エピローグ・一期一会」が収録されています。

事件のおおよそはすでに11巻までで描かれているので、全体としては後日談に近くなっていますね。
あれだけの事件となったので、牧の処遇が問題となります。
昇格させるわけでにもいかず、だけど、あからさまに左遷するわけにもいかず... 上層部も悩んだことでしょう。
非常に収まりのよいポストが用意されています。
薪、青木、岡部、山本その他の第九の面々と三好雪子先生がちゃんと出てきますが、やはり青木ですね。
命令ではなく、「願い」だ、という牧の言葉、牧らしくないですが、そこが一層ポイントということなのでしょう。

エピローグで描かれる牧の活躍は、いやあ、まあ、すごいの一言。

それにしてもねぇ、最後のページの絵、なんなんでしょうか。
雪子先生のウエディング・ドレス姿はいいんですが、青木~。

なにはともあれ、シリーズ完結、めでたいです。


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秘密 トップ・シークレット (11) [コミック 清水玲子]


秘密 11―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 11―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2012/10/29
  • メディア: コミック



2012年10月に出たコミックです(奥付は2012年11月になっていますが)。
「秘密 12―トップ・シークレット」 (ジェッツコミックス)が同時発売でした。一気に完結したわけですね。
この第11巻は「秘密 トップ・シークレット 2010 END GAME」の続きが収録されています。
新装版が今年出ています。

衝撃的なオープニングです。
いわく、
「本日7月6日午前1時すぎ警備員一名に対する傷害及び『第九』のレベル5 『データ九〇二〇五四』 レベル4 『データ九〇二〇五九』の無許可持出し強奪の容疑で
同日午前6時 「第九」研究室 室長 薪剛警視正に対し本部内手配の決定が下った!」
しかも、
「拳銃を所持している被疑者に対し 拳銃の使用を認める決定が先程出た」
と。

薪、青木、岡部、山本その他の第九の面々と怪しい滝沢。そして三好雪子先生。
シリーズの主だった面々がそれぞれきちんと登場し、きちんと見せ場(?) があります。すごい。
怒涛のクライマックスへ向けて、ずんずん。
シリーズ全体を覆っていた“秘密”がいったいなんだったのかが明かされますが、そして薪にずっとまとわりついていた過去に秘められた秘密も明かされますが、最初からこういう構想でこの物語は書かれていたんでしょうか? すごーく大きな絵にしあがっています。
それにしても、青木、やっぱりかわいそうですよねぇ。

この11巻のラストは、薪と青木が対峙して終わりますが、さて最終巻ではどんな結末が待っているのでしょう??

余談ではありますが、薪が潜んでいる(?)、 いや、向かっている場所がポイントとなる部分があるのですが、読み返して気づきましたが、作者は非常にフェアに書いていらっしゃいますね。
読者は気づいていてしかるべし、というところです。ステキ。



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秘密 トップ・シークレット (10) [コミック 清水玲子]


秘密 10―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 10―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2011/12/28
  • メディア: コミック


<帯>
文化庁メディア芸術祭マンガ部門優秀賞受賞!!
「第九」を揺るがす、内部関係者による捜査情報漏洩事件。さらに、その最中に起きた青木の姉夫婦の悲劇。哀しみを事件解明への情熱に変え、捜査に挑む青木。一方、不審な動きを見せる復職した滝沢。そして、捜査上に浮かび上がる謎のウイグル文字…。事件に隠された、重大な「秘密」を握る薪は…!?


2011年12月に出たコミックです(奥付は2012年1月になっていますが)。
新装版が今年の6月に出ています。
この第10巻には「秘密 トップ・シークレット 2010 END GAME」のみが収録されています。

衝撃の第9巻(ブログの感想ページはこちら)に続くストーリーなわけですが、青木が事件の捜査に加わるのが驚き。
せっかく元気に(?)仕事に復帰したのに、追い打ちをかけるような事態がこの第10巻のラストの方で出てきます。

そして、前巻「秘密 トップ・シークレット (9)」で登場したあやしい新入り、滝沢幹生が、くっきりと敵役として認定(?)。
また確定はさせられていませんが、「秘密」というタイトルの由縁は、第九の秘密であり、薪の頭の中にある、ということがかなり強く匂わされます。
ここまで怪しくて、というか、はっきり黒の人物、泳がせないでしょう。しかも捜査陣の中に...

シリーズのラストへ向けて、いろいろとネタ撒きが必要だからでしょう、回想シーンが多くなって、話が進行しにくくなりました。
巻末、最後のページ、薪に対する拳銃の使用許可が出ることが記されて終わります。
うーん、あと2巻、どうなるんでしょうか。

しかしねぇ、雪子さんが喝破するように、そして読者は最初の最初からお見通しだったように(ですよね)、青木と薪の関係って、いろんな意味で残念ですね。




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秘密 トップ・シークレット (9) [コミック 清水玲子]


秘密 9―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 9―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2011/02/28
  • メディア: コミック


<帯>
最高傑作シリーズ、衝撃の第9弾!!
犯罪被害者の脳を取り出し、生前の映像記憶を再現する技術を駆使し、難解な事件の真相に迫る科学警察研究所・法医第九研究室。貝沼事件以前の「第九」内部関係者が捜査情報漏洩!? そんな疑惑が浮かぶ中、薪の新車に爆弾が!! 何者が、何の為に!? しかし、それは事件の始まりに過ぎなかった……!!


2011年2月に出たコミックです。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定のシリーズです。
第9巻には「秘密 トップ・シークレット 2010 The Last Supper(最後の晩餐) プロローグ」「秘密 トップ・シークレット 2010 The Last Supper(最期の晩餐)」、「秘密 トップ・シークレット 2010 END GAME」が収録されています。

このブログでは、小説は読んだ順に感想を書いています。
映画やコミックに関しては、読んだ順には関係なく、ほぼ観たり読んだりしたらわりとすぐに感想を書いています。
ですが、この「秘密 9 トップ・シークレット」 (ジェッツコミックス)はかなり前に読んだんですが、感想を書いていませんでした。
だってねぇ、青木が可哀想で、可哀想で。
せっかく雪子先生を親に紹介なんて段取りまでこぎつけたのに。
まあ、それを言ったら、青木のお母さんの方が可哀想なんですが...
でもねぇ、清水玲子さん、ここまで青木につらくあたることないじゃないですか!!!!
ラストの青木とお母さんのやり取りなんか、もう、読むだけでつらくて、つらくて。
なかなか感想を書こうなんて気にならなかったんですよ。

ストーリー展開的には、第九にも、あやしい新入り登場。
元第九のメンバーで、精神を病んで未だ入院拘束されているはずの、滝沢幹生。
ここまであやしいと、文句をつける気がなくなります。

ここから、きっと、「秘密」というタイトルの由縁を納得させるような、第九の秘密が明かされていくのでしょう。
怖い。

しかしなぁ、「秘密 8―トップ・シークレット」 (ジェッツコミックス)に出てきた山本賢司はどうなったんだ。出番ないぞ。
この後の巻でちゃんと活躍するんでしょうね!?



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秘密 トップ・シークレット (8) [コミック 清水玲子]


秘密 8―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

秘密 8―トップ・シークレット (ジェッツコミックス)

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2010/07/29
  • メディア: コミック


<帯>
最高傑作シリーズ、第8弾!!
犯罪被害者の脳を取り出し、生前の映像記憶を再現する技術を駆使し、難解な事件の真相に迫る科学警察研究所・法医第九研究室。今回は地震発生後に、ある小学校で死者3名が見つかった事件。その原因は「震災」か「事故」か、或いは「事件」なのか!? 捜査が進むにつれ、思いがけない事実が明らかに…!!


2010年8月に出たコミックです。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定のシリーズです。
第8巻には「秘密 トップ・シークレット 2009 特別編 一期一会 A once-in-a-lifetime chance」と「秘密 トップ・シークレット 2010」が収録されています。

「秘密 トップ・シークレット 2009 特別編 一期一会 A once-in-a-lifetime chance」は、青木と三好先生の婚約祝いの宴会が舞台です。
三好先生と薪警視と、そして三好先生の死んだ恋人と、さらに青木と、この4名の関係、ややこしくてしょうがないですね。
宴会に来ないはずだった薪が私服で現れ、第九の将来像が語られる。番外編としては注目度高い作品です。
それにしても、青木、お前も十分おかしいよ(笑)。

「秘密 トップ・シークレット 2010」では新キャラ登場です。
副検事を5年やって、国家公務員Ⅰ種試験を受けなおして「第九」を目指した、36歳だけど36歳には到底見えない山本賢司。
第九の捜査対象として、脳に障害があって、きちんと目には見えているのに人の顔や形を認知・判断できない少年から見た世界が扱われるのですが、この山本も似た(と言ってしまってはいけないのかもしれませんが)障害を抱えていた、というのがポイントです。
あと、震災でトラウマ(と安直な表現をしてすみません)を負った少年の像も出てきます。
山本の第九の中での立ち位置がなんとなくわかるので、シリーズとしては〇なんだと思いますが、うーん、この作品単体としては、珍しく感心しませんでした。
真相というか、事件の構図がいまいち。
なによりやはり重要な人物がそういう風には「見えない」のは問題ではないだろうかと思います。作中の薪警視のセリフとは文脈が異なりますが、少なくとも読者にはそう「見える」ようになっていないと、つまらない。その人物を取り巻く登場人物たちが行動を起こしても無理ないな、そりゃそういう行動を取るよな、と読者には思えなければ。そしてそれだけの筆力を清水玲子はお持ちだと思います。その意味で、物足りない作品でした。


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