What the Duck Final Call [タイ・ドラマ]
「What the Duck」の続きですね。「What the Duck Final Call」。
いつもの MyDramaList によると、2019年の3月から5月にかけて、8エピソードで LINE TV で放送されていたようです。
「What the Duck」の1年後に作られたのですね。
この作品は、基本的には「What the Duck」の面々のその後(というか、すぐ続きの作品世界のようです)を描いていますが、新しい主要登場人物が二人。
ひとり目は最下段の右端の Ton 。なにやらお金持ちそう。演じているのは Chuanchai Mahawongs。
お相手はその隣、真ん中に位置している Mai。こちらはバーボーイ(本人は否定していますが)。演じているのは Kitiwhut Sawutdimilin。
バーから逃げようとして捕まり罰を受けようとしていた Mai を Ton が買い受け、見返りを求めずフリーにしてあげたあと、ふとした偶然で出会って......という展開。
二人とも孤児院出身で、というあたりで物語の行く末がわかってしまいそうですね(笑)。
どうしてこの二人が、「What the Duck Final Call」に急に出て来たのか今一つピンときていないのですが、Ton の裕福な父親というのが、Rambo の父親と同じ俳優さんだったので、Ton と Rambo は(血の繋がってない)兄弟という設定なのでしょうね、きっと。
でもこの二人のストーリーは、ほかの人たちとまったく独立して語られます。不思議。
この二人の物語も含めて、それぞれの登場人物たちのその後が描かれるのですが、まあ、てんでバラバラな感が否めません。
Pop と Oat の話も、Rambo が絡んで少々ややこしい展開になります。
Pop の行動もちょっと理解を超えている部分が出てきます──これは脚本のミスでは? と思いつつ、こうしないと物語が流れていかないかもしれないとも考えます。
驚きは、唐突に Oat が出家する(!)という話になること。
タイにおける出家のインパクトがわからないので、物語を正確につかめたのか心許ないのですが、どうも日本でイメージする出家とは違う気がしています。
それでも、これは悲恋なのでしょうね。
それにしても Mew 演じる Pree は最後までかわいそうな役でしたね......
このあと Mew は「TharnType」(感想ページはこちら) に出演するのですね。そちらでは幸せだから、いっか。
最後にテーマ曲を。
軽やかです。英語の字幕がついています。
What the Duck [タイ・ドラマ]
久しぶりにタイドラマの感想です。
今回の「What the Duck」、個人的に衝撃作でした。
タイのBLドラマもかなり数多く見てきたので、かなり免疫もついてきたつもりだったのですが、この作品は超えていましたね。そのあたりは順次。
いつもの MyDramaList によると、2018年の1月から3月にかけて、20エピソードで LINE TV で放送されていたようです。
この作品のメインは、ポスターのカップル。
左側が、キャビン・アテンダントになりたかったけれどなれず、やむなく?航空機用のケータリング会社に就職した Pop、演じているのは Puwanai Sangwan という俳優さんで、愛称は O(Oreo となっていることもあるようです)。童顔で、整った顔立ちをされています。
美容に気を使っているという設定で、日傘をさしていますし、美白美白(笑)。このドラマのスポンサーにきっと化粧品会社がついていたのでしょう。Oreo さんもとても色白ですね。
Pop はかわいいもの好きという設定でもあるようで、会社の机の上に、お風呂に浮かべて遊ぶようなアヒルのトイを置いていたりします。これがタイトルに結びついているのでしょう。
(ひょっとしたらほかにもタイ語としてアヒル関連のなにかが物語にはあるのかもしれないのですが)
おもしろいのは、Pop に彼女 Mo がいる設定であること。Aim Satida Pinsinchai という女優が演じています。いろいろな表情を見せてくれる女優さんで、登場シーンによってくるくる印象が変わります。すごい。
Mo は就職活動に成功し、キャビン・アテンダントになっています。二人一緒にキャビン・アテンダントになるつもりだったのにね。
ちなみに、Mo に思いを寄せるパイロット Nick というのも登場します。
Pop のお相手は会社の先輩である Oat 。右側の男性ですね。演じているのは Charoenchai Khantichaikhajohn という俳優さん。愛称は Strong。
Pop のことをからかいつつ、面倒を見てくれたりもする存在。まあ、どちらかというとトラブルメイカー的存在ではありますが。いわゆるダメ男のように思えます。
この二人の関係は極めて定石的で(当初)とがったところなし。その意味では安心してみることができます。
なので、まあ、ゆるゆると観ていたのですが、Ep.5で驚愕することに。
それがこの二人。
右側は「TharnType」(感想ページはこちら)のTharn(ターン)を演じていた Mew。
Mo のお兄さん Pree という設定です。服装を見てもわかりますが、キャビン・アテンダント。
キャビン・アテンダントを目指す Pop が頼りにしている兄貴的存在(実際彼女の兄ですし)なわけですが、もともと Pop を狙っていた、という設定のようでややこしい(勘の鈍いというか、そうとは知らぬ Pop がなんとも無邪気に絡んでいくのがポイント)。
で、左側がそのお相手、と書いていいのかわからないのですが、Rambo。演じているのは Pakpoom Juanchainat、愛称は Art。キャビンアテンダント同士ですね。この二人、付き合っているという設定。
Pop と Oat のゆるゆるしたドラマを楽しんでいたら、Ep.5 の途中で、いきなりこの二人の濃厚なラブシーンが始まります。
これは、想像を超えていた......BLドラマでよく言われる「肌色」も極まった感があります。
このシーンで、Pree が Rambo にプロポーズするのですが、まあ、すごいですよ──指輪の扱い方にご注目。
正直、このシーンで結構引いてしまったところがあるのですが......
その後この二人は、Rambo の父親のたくらみもあり、別れてしまい(Rambo は Pree に未練たらたらですが)、その後の Rambo はキャビン・アテンダント仲間の Pent に目をつけられて、それからの恋愛遍歴(性遍歴というべきか?) が、これまた、なかなか、なかなか、なかなか。
Pop たちのカップルと、こちらのカップルたちのあまりにも激しい落差がポイントなのかもしれませんが、ちょっとどうなんだろう。こういうシーンを楽しみにしてみる方もいらっしゃるのでしょうが......
Mo と Nick のやりとりもかなり牧歌的(笑)なので余計に。
このあと、Pop と Oat、Mo と Nick、Pree や Rambo 、そして Pen をはじめとする周りの人物との関係がどんどん絡まり合っていきます。
どうも脚本が行き当たりばったりのような気もしないではありません。
この「What the Duck」、Pop たちのカップルのみがまあまあハッピーエンディングを迎え、それ以外は大半がそれぞれ悲しい思いを抱えます。
Pop は、キャビン・アテンダントになろうという転職活動にも成功しますし。
すっきりしない形でシリーズは終わり、続編の「What the Duck Final Call」へ続きます。
20エピソードもあって、終わってないのか! とびっくりしました。
En of Love:This is Love Story [タイ・ドラマ]
「En of Love」シリーズのトリをつとめますのは、「En of Love:This is Love Story」。
いつもの MyDramaList によると、
2020年6月に放映されていたようです。
この「En of Love:This is Love Story」だけ3エピソードと1エピソード短くなっています。コロナのせいかな?
上のポスターで工学部の青い服を着ているのが、Neua(ヌア)。工学部の3年生。「En of Love:TOSSARA」のバーや「En of Love:Love Mechanics」のウィーの友人という設定ですね。
演じてるのは Ratchapat Worrasarn、愛称 Prom という役者さん。
背負われているのが、Praram(プララーム)。高校生という設定です。「En of Love:TOSSARA」のガンの弟で、双子の一人(もう一人の名前がPrarak(プララック))。
演じているのは Atthanin Thaninpanuvivat、愛称 Benz。
ガンとバーが付き合って1年というタイミングで、仲間が集まって(おそらくガンの家で)飲んだ際に知ったガンの弟プララームに一目惚れ?したヌアが、なんとかプララームをものにしようとするお話です。
ヌアがプレイボーイという設定がいかにも過ぎますし、強引な嘘をついてまで入りこもうとするので少々笑えますが、無理やり3エピソードに押し込まれなかったら、もう少し物語も人物像も膨らんだのだろうな、と。
「En of Love:TOSSARA」ほど急にカップルが成立するわけではありませんので、もっと紆余曲折がもりこまれていたのではないかと思えますし、プララームの双子の兄弟であるプララックなども、Benz が一人二役で演じているのですが、ちょっと出てくるだけでさほど双子であることが活かされていません(すこしだけ、ヌアをサポートしてくれるのですが)。
「En of Love」は各話が短いので、タイBLをさっと楽しむのにいいかも。
タグ:タイBL
En of Love:Love Mechanics [タイ・ドラマ]
「En of Love:TOSSARA」に続きまして、シリーズ第2話の「En of Love:Love Mechanics」。
いつもの MyDramaList によると、2020年4月から5月にかけて 放映されていたようです。
Studio Wabi Sabi の制作。こちらも全4エピソード。
やはり YouTube では見当たらないですね──といいながら、エピソード4の第2パートだけありましたね。消し漏れでしょうか(笑)。これだけではなんのことかわからないですけど。
「En of Love:Love Mechanics」は、日本のHPにあったシリーズの人物相関図の、マークとウィーの物語です。
上で引用したポスターの左側、こちらを向いているのが Vee(ウィー)工学部の3年生。演じているのは Anan Wong という俳優さん。愛称は Yin 。
右側が Mark(マーク)。工学部の1年生。演じてるのは Wanarat Ratsameera、愛称は War。
工学部同士の恋愛模様ですね。
マークは、「En of Love:TOSSARA」で、バーにちょっかいを出していて、ガンにやきもちを焼かせていたのですが、バーへの思いは本気だったようで、バーとガンが結ばれてしまった憂さ晴らしをしようと飲みすぎて、ウィーに絡んでしまい、一夜を共に。
ウィーは彼女がいて......なのに関係をもったマークのことが気になって。
こちらは、マークはバーが好きだった、ウィーには彼女がいる、という双方事情を抱えていることもあり、屈折した進展を見せます。
この二人の屈折ぶり、飛んだり跳ねたりは、もっと長い物語にしてもよかったような気がします。
感情の振れの大きいストーリーになっていまして、役者さん(監督? 演出家?)の腕の見せ所、といった感じでしょうか?
ウィーが涙を流すシーンとかよかったですね──そのシーンで、ウィーと一緒にいる友人ヌアも意外といい感じでした。ヌアは次の「En of Love:This is Love Story」で主役を演じます。
王道の恋愛もの、という感じの物語でした。
タグ:タイBL
En of Love:TOSSARA [タイ・ドラマ]
タイ・ドラマの感想も久しぶりに書いてみることに。
「En of Love:TOSSARA」。
「En of Love」というのが通しタイトルで、この TOSSARA のほかに、Love Mechanics と This is Love Story とあわせて3つの物語が作られています。
実はこの3つ、観た順がバラバラなのですが、もともと放映された順に、続けて感想を書いていくことにします。
最初に観るときに、通しタイトルの「En of Love」の ”En” がわからなくて、あれこれ調べたのですがわからず......
でも最近これは、Engeneer の ”En” だろうな、と思うようになりました。
タイのBLでは、工学部(Engeneer)が大人気ですし、この「En of Love」でもそう。3つのエピソードいずれも工学部生が中心的役割を果たします。
さて、「En of Love:TOSSARA」です。
いつもの MyDramaList によると、2020年3月から4月にかけて 放映されていたようです。
Studio Wabi Sabi の制作。全4エピソードと短くていいですね。
ぼくが観たときは、日本語の字幕つきでYouTube にアップされていたのですが、今確認するとありません。日本で放送され、ブルーレイ化もされたからでしょうね。
日本版の予告編がこちら。
上で引用したポスターの左側、白衣を着ているのが Gun Tossakan(ガン)で、医学部の1年生。演じているのは Achawin Michaels という俳優さん。愛称は Win 。
右側の、工学部の青い服を着ているのが Bar Sarawat(バー)。工学部の3年生。演じてるのは Thitiphat Chankaew、愛称は Folk。
バーの苗字が Sarawat(サラワット)というに注目。2getherだ(笑)。タイにはよくある苗字なのでしょうか?
ガンがずっとバーに思いを寄せていて、大学生になりきっかけを得て、どんどんアプロ―チしていく、という話です。
タイトルのTOSSARAというのは、この二人のことをSNS上で呼ぶハッシュタグが早速作られていて、そこから採られてます。
ガンは、日本のページ(リンクはこちら)のあらすじにあるように、超イケメンと騒がれ、王子様的人気を誇るという設定なのですが、うーん、その魅力がわかりません。Win という役者さん、外見のことを申し上げて失礼ながら、そういう風には見えないんですけど(笑)......
まあ、さておき、ストーリーはまっすぐで、4話完結という短さもあってか、起伏もあまりなく、どストレート。
口説かれて抵抗あり、戸惑っていいはずのバーも、あっさり第2話には陥落。
こういう単純明快なのもいいのかもしれませんね。
「En of Love」シリーズ全体に関わる人物相関図が、日本のHPにあったので転載しておきます。
タグ:タイBL
Blacklist [タイ・ドラマ]
久しぶりにタイ・ドラマの感想を。
「Blacklist」。
いつもの MyDramaList によると、
2019年10月から12月にかけて GMM 25で放映されていたようです。
全12エピソード。
ぼくが観たときは、YouTube に日本語の字幕もあったのですが、今確認するとありませんね。
英語字幕になってしまいます。
タイ・ドラマとして前回感想を書いた「2 Brothers」のあとに観たのが「The Gifted」(感想ページはこちら)で、あまりの面白さにびっくりし(未だに My タイ・ドラマ No1 はダントツぶっちぎりで「The Gifted」です)、似たような作品はないものか、と探して辿り着いたのが「Blacklist」。
「The Gifted」同様BLではなく、学園を舞台にしたサスペンスタッチのドラマです。
ポスターや上の YouTube のサムネイルをご覧いただくとわかりますが、「The Gifted」の主役を務めた Nanon が主演。ほかの出演者も、いままでタイドラマでお馴染みの俳優がいっぱい。
なんですが、最初にいってしまうと、これは駄作です。
同じGMM 25 だし、「The Gifted」を超えるものを作ろうと意気込んだんだと思うんですよね。
それで選んだ道が、扱う事件や悪人の狙いをエスカレートさせること、だったのが失敗です。
なんだかんだいっても舞台は高校。
そこにマフィアか暴力団かと見紛うような事件を盛りこんだら、非現実的になりすぎるでしょう。
それを高校生が解決するというのも無理がありますよね。
だから、というわけなのでしょうか、上のポスター中央にいる大人がメンバーに入っています。教師です。これ、興ざめではありません??
物語は Nanon 演じる Traffic の視点で進みます。
彼は失踪した姉の謎を探るために Akeanan 高校に転入してきた。
この校内に怪しい組織──リーダーは ”神の手” と呼ばれている──があって、それと対抗すべく? 作られた Blacklist と呼ばれるチーム。そのリーダーが教師。Traffic は Blacklist に加わり、姉の失踪の解明含め、学校に巣食う悪と戦うことに。
「The Gifted」をスケールアップさせようという狙いだったのだと思いますが、大きくしすぎて制御できなくなり、ぐちゃぐちゃになった印象です。
といいながら、見どころをあげておくと、タイドラマらしくというのか、最後まで視聴者を楽しませよう、驚かせようと、次から次へと山場を盛り込んでくところは立派だと思います。
Blacklist の狙いがどんどん変わっていく── "神の手" との闘いなのだろうと思ったら、 "神の手" の奥に更なる対象がいて、さらにさらに、と移り変わっていく──様子は、これでもかこれでもかと盛り込もうという意欲の表れ。物語が着地しそうになってからも仕掛けてくるのですから、すごいです。
その分無理が重なっていくのですが、意欲は買いたい。
また、出てくる俳優さん、女優さんたちの大多数が、もうすっかり顔なじみになっていまして、再会をよろこぶ楽しみもあります。
それにしてもエンディングでは Blacklist が再結集(?) していまして、いつでも続編が作れそうなかたちになっているのが笑えました。
さすがにこの続編は無理だろう(笑)。
2 Brothers [タイ・ドラマ]
たまにはタイ・ドラマの感想も追加しておきましょう、ということで、「2 Brothers」。
珍しく(笑)、BLではありません。
いつもの MyDramaList によると、
2019年2月から5月にかけて GMM 25で放映されていたようです。
全12エピソード。
ポスターの右をご覧になるとおわかりいだけるように、これは「2 Moons」(感想ページはこちら)で主役 Wayo を演じた童顔の Bas が主役を務めます。役名は Tony。
主役はもう一人いまして、こちらはポスターの左、役名 Pete。「KISS」(感想ページはこちら)で主役Sanrak(サンラック)の相手役 Na (ナー)を務めた Tao。
このドラマは BL ではありませんので、Bas と Tao がカップルということではありません。
真ん中の女性は誰か、というと Kaopun という名前で、Pete の従姉妹にあたるようです。
Pete とお互い憎からず思っているのに、素直になれなくて......という王道の設定。
ね、BLじゃないでしょう?
(といいつつ、ストーリーを追っていなければ、Pete と Tony が怪しく見えなくもない、笑えるシーンもあったりします。偽とはいえ、兄弟ですから、それっぽいシーンを作るのはそれほど無理はないですからね)
Pete と Kaopun の祖母は、息子の嫁が気に入らず、息子が出ていってしまっていたのだけれど、歳をとって病気にもなり、息子のことが気にかかる。息子は特徴あるペンダント(と呼んでおきます)を持っていた。
愛する祖母のため、Pete が探索に乗り出す(Pete から見るとおじさんになりますね)。
探索の結果見つかったのが、Bas 演じる Tony。チェンマイに住む極貧の少年。例のペンダントを持っていたから。(インフルエンサーと思しき、Pete の妹 Pat がチェンマイを訪れた際、ちょっとした関わりを持つというサブ設定もあり、Pat は Tony に恋心を......)
だけど、Tony は別人で、幼い頃に友人 Phat (こちらが本物の孫ですね)からペンダントをもらった経緯。
でも、Pete たちは祖母を喜ばせ勇気づけるために、Tony に孫のふりをさせることを決める。
こういうなりすましって、ドラマや映画でよく見るのですが、実際にやっている例はあるのでしょうか?
ミステリでも入れ替わりとかありますよね。でも、すぐにばれちゃうような気がします。
この「2 Brothers」では、会ったことのない孫ということでその点ごまかしやすくはなっているとは思うのですが、いろいろと越えるべき壁は多そうですし、ささいなきっかけで露見してしまうものではなかろうか、と思うのです。
周りの協力も不可欠で、どうやって味方につけていくのかも大きな課題です。
ドラマとしては、こう視聴者が思うのを逆手にとってハラハラさせるわけです。
何度も何度も押し寄せる危機を、Pete と Tony たちはどう切り抜けるのか。
とこういうあらすじだとサスペンスフルになるかと思われるかもしれませんが、このドラマは基本ラインはコメディなので、深刻にならずに見るのが吉です(ハラハラはしますけどね)。
跡目争い的な観点で言うと、対立候補となる従兄弟とその父がいるのですが、このおっさんはどう考えてもボンクラ(いや、まったく血がつながっているのが不思議なくらいのボンクラです)、お笑い要素を増加させてくれます。従兄弟の方は、節々にそんなに悪い奴じゃなさそう、という感じが漂ってくるのがミソ。 Kaopun のことを好きなようで、ちょっかいを出そうとしてははねつけられています。むしろこちらの方向の方が面倒くさいことを引き起こしそう。
一つこういう話で気になるのは、首尾よく成りすましおおせたとして、巨額の財産が絡みますから、仲違いとかの問題が発生しそうなものですが、そこはコメディなのでそういう心配も不要。
Tony が本気で乗っ取りを考えて、祖母が亡くなって正式に相続してしまったら、Pete たちは困ってしまいますよね。
そもそも Tony がいいやつだ、というのが最大のポイントですし、一族の面々もいずれも悪い人ではないのもポイント。
まあでも、いずれはバレてしまうもの。
祖母にバレてしまってからがこの種のドラマの真価なのかもしれません。
その意味では、シリアスなドラマではないので、大甘の着地に向けて進んでいくのは悪くないですよね。
楽しく観ました。
2 Moons 2 [タイ・ドラマ]
今回の作品は、先日感想を書いた「2 Moons」(感想ページはこちら)の続編?。
「2 Moons」の感想にも書いたのですが、キャストが総入れ替えになっています。
この事実は事前に知っていたので、キャスト入れ替えの続編なのかと思ったら、冒頭、「2 Moons」と同じシーン。リメイク?
「2 Moons 2」では「2 Moons」のエンディングよりも、さらにさらに先まで物語は進みます。
結果としてみると、「2 Moons 2」は「2 Moons」のキャストを変えて取り込んで綴りなおして、その先につなげたかたちとなっています。
ややこしい。
日本では、楽天TVで観られるようですね。
楽天TVのホームページからあらすじを。
大学の理学部新入生のワ―ヨーは、入学早々先輩のパーと出くわし小競り合いに。生意気な言葉を浴びせてしまうワーヨーだったが、実はパーは高校時代からワーヨーが片思いをしている相手だった。自分のことに気づいてもらえない寂しさも相まって反抗的な態度をとってしまい、それ以来気持ちとは裏腹に何かとパーにつっかかってしまう。
ある日、大学のムーンを決めるミスターコンテストに、学部の代表として選ばれたワーヨー。工学部に通う親友のミンも同じく学部の代表に選ばれ、2人はコンテストに挑む。前年度のムーンであるパーは、今年の候補生を補佐するために2人の前にたびたび姿を現すようになる。
その頃、ミンはパーと一緒に訪れていた親友のキットにアプローチを始める。ミンが遊び人だと気づいたキットは、必死で遠ざけようとするのだが…。
いつもの MyDramaList によると、2019年6月から9月にかけて Mello Thailand で放映されていたようです。
全12エピソード。
放送局が変わっているのが、大人の事情というやつなのでしょうね。
メインとなるのはやはり中段のお二人。
左側が Pha。
演じているのは Benjamin Brasier。 Ben と呼ばれているようですね。
「2 Moons」の Pha と比べると、柔らかいイメージになっていますね。
で、右側が、Yo。
演じているのは Teerapat Ruangritkul、愛称は Din。
「2 Moons」の Yo の童顔具合いがとても気に入っていたので、交代は個人的に残念に感じたのですが、Pha と Yo の身長差を考えると、こちらの Yo の方が背が低く、役柄的にはふさわしいのかもしれません。
右側の二人が Ming と Kit。腕を回しているのが Ming で顎に手を当てているのが Kit。
Ming を演じているのは Archen Aydin、Joong と呼ばれているようですね。
Kit を演じているのは Kornchid Boonsathitpakdee、愛称はNine 。
Joong は何系のかたなのでしょうか? 非常に目鼻立ちの整った俳優さんで、これがデビュー作のようですが、平常時の表情、茶目っ気を見せる表情、落ち込んだ時の表情それぞれはっきりしていていいですね。
Nine は、「2 Moons」の俳優さんとは方向性が若干違うものの、身構えるような、少しすねたような役柄をうまく演じていると思いました。
左側、肩に手を回しているほうが Forth。
演じているのは Naret Promphaopun、愛称は Pavel。
険のある表情と穏やかな時の落差が素晴らしい。
最後に一番左に位置するのが Beam。
演じているのは Woranart Ratthanaphast、愛称は Dome。
「2 Moons」の段階ではなかった葛藤を表現されていました。
最初のうち、どうしても「2 Moons」と比べてしまってちょっと乗りづらいところがあったのですが、そのうち馴染んできます。
「2 Moons」ではクライマックスだった、新入生コンテストは、「2 Moons 2」では全12エピソード中のEP4までで終わってしまうんですよ。
「2 Moons」では最終的に、Yo と Pha にはハッピーエンディングとなっていまして、「2 Moons 2」では、お互い嫉妬したり、ちょっかいかけてくる奴がでてきたり、という流れ。
必然的に、Ming と Kit、Forth と Beam の比重が上がってきます。
Ming と Kit は、押して押して押しまくる Ming に Kit がほだされていく過程を楽しみます。
EP8 で Kit が Ming を実家に連れていき、兄に関係がばれて話をするのが一種のクライマックスですね。
Forth と Beam は、EP7で急展開。観ていて、かなり驚きました。
ひょんなことから付き合いだす二人、という構図が興味深いです。
ハプニングから始まった恋でも、ちゃんとお互い思い合ってるのが伝わってきます──からかったり、からかわれたり、もあるんですけどね。
物語の後半EP8以降は、Yo にちょっかいをかけて来る男 Park がクローズアップされてきます。
よりによって、Pha の浮気を疑った Yo は、Park と映画を観に行くという悪手を打ちます。
Pha は Yo を取り戻すのですが、Park はいわゆるストーカーなのでしょう、ちょっと常軌を逸した感じ。そして緊迫したラストへ。
なのですが、ここで「2 Moons 2」は終わってしまいます。なんと中途半端な!
ということで、「2 Moons 3」は未視聴ですが、2022年に作られています。
またもやキャスト入れ替えだったようで......
それにしても、相手が男だということにまったく臆さない人物ばかりであっぱれです。
また、「Love by Chance」(感想ページはこちら)に出てきた女優さん(Samantha Melanie Coates)が、コミカルな役どころで盛り上げてくれるのも楽しかったです。
「2 Moons 3」はいつ観ることになるでしょうか......
2 Moons [タイ・ドラマ]
久しぶりにタイ・ドラマの感想を。観たものの感想を書いてないもの、いっぱいあるんですよね(笑)。
今回の作品は、「2 Moons」。
いつもの MyDramaList によると、
2017年5月から7月にかけて GMM One で放映されていたようです。
全12エピソード。
上で引用したものは、ドラマそのもののではなく、何かのイベントのポスターではないかと思います。
メインとなるのは中段のお二人。
右側が、Wayo (劇中では、短くYo [ヨー]と呼ばれたりしています)。大学の理学部新入生。
演じているのは Suradej Pinnirat、愛称は Bas。ご覧の通り、かなりの童顔ですね。
臆病で内気なくせに、妙に大胆なところもある役どころにピッタリかと思いました。
左側が、お相手となる Phana (劇中では、短くPha [パー]と呼ばれたりしています)。医学部2年生。
演じているのは Itthipat Thanit、愛称は God 。整った顔立ちで、どことなく冷たい印象を与えるところが役どころにピッタリ。ぶっきらぼうな感じもいいですね。
Yo は高校のときから Pha のことが好きで、でも高校のときにはほとんど近づけなくて、なんとかしたいと思って Pha と同じ大学を目指して首尾よく合格。入学するところから物語がスタートします。
学生寮(だと思われます)に入る日に、Yo は Pha と偶然出くわすのですが、それが最悪のスタート。からかわれて反発してしまい、ちょっと険悪に。
そしてその後も、Pha に目を付けられたのか、ことあるごとに角を突き合わせることに。
定番中の定番の展開ともいえますが、 Yo がつい反射でつっかかってしまい、あとで悶絶するのがおもしろいです。
Yo の高校からの同級の友人で Yo を支える存在が、上段左の Ming。gの音は聞き取れませんので、ミン、ですね。
モテモテのプレイボーイ、スポーツもよくできるという設定。工学部一年生。
演じているのは Kimmon Warodom Khemmonta。愛称として Kim と呼ばれているようです。
Yo と Ming のやり取りもとても楽しいです。
そのお相手が、上段右の Kit。いじってくる Pha と違い、Yo を支えてくれるよき先輩ですね。Pha と同じく医学部2年生。
演じているのは Panuwat Kerdthongtavee、愛称は Copter 。
高校時代ガールフレンドをとっかえひっかえしていた、という Ming ですが、Yo を介して接しているうちに、 Kit が気になってきて......猛アタックするところが見どころでしょうか。
こちらは最初拒絶していた Kit の変化がポイントですね。
最後の下段の二人は2年生コンビです。
左が Forth。工学部の2年生。
最初 Yo を狙っていましたね。Pha と恋の鞘当てを演じる役どころ。
演じてるのは、Darvid Kreepolrerk、愛称は Tae。
右が Beam。医学部の2年生。Pha、Kit と仲良し。3人はずっと以前からの長ーい友だちという設定です。このドラマではあまり目立ったことはしていないのですが、周りを見守っているような役で、要所要所でしっかり支えていきます。
この二人、カップルになる想定のようですが、ドラマの中ではカップルにはなりません。というより、ほぼ関係がない(笑)。
Yo と Pha の関係性を軸に物語は進んでいきます。
そのバックボーンを支えるのが、新入生コンテスト。女性の Star と男性の Moon を選ぶミスター&ミスコンテストです。
これなかなか準備が大変そうな一大行事で、エピソード1からこの話題がスタートし、コンテストはエピソード11 なので、ほぼ全編がコンテストがらみ。
でも考えたら、新入生コンテストなわけで、そんなにじっくり何ヶ月もかけてやるようなものでもないでしょう。このドラマ、おもうより短い時間軸なんですね。
Yo と Ming はそれぞれの学部の代表に選ばれ、コンテストを目指します。
Pha は昨年の Moon 受賞者。
コンテストの結果は、エチケットとしてここには書きませんが、タイトルが 2 Moons と複数になっているのが暗示的ですよね。
一番の山場はやはりコンテストそのもの、ではあるのですが、印象的なシーンはあちこちに用意してあります。
個人的には、EP5から7にかけての、コンテスト前の小旅行(ポスターを撮るための撮影旅行という建付けのようです)。
Ming と Kit のやりとりも印象深いです。特に、だいたいおちゃらけている Ming が深刻な顔を見せるのがポイント。
でもそれよりも増して、Yo と Pha! Yo を Forth が狙っていることをキーに、大きく Yo と Pha の関係が変化する大切なエピソードです。
Yo 演じる Bas は童顔だけあって、笑顔が弾けるようでとてもよいのですが、意外と(?)憂い顔も得意なようで、困ったり悩んだりしている表情がすばらしい。EP7の感情を爆発させるシーンはドラマ中お気に入りのシーンとなりました。
コンテストのシーンでは、やはり Yo がパフォーマンスを見せるシーンですね。”Ordinary Man”(ふつうの男)という歌を披露するのですが、歌と共に演じるみなさんの表情がよかったです。
最後に、看過できない問題点(?)を。
このドラマ、眼鏡の有無をプロットのキーに据えています。
眼鏡をはずしたら別人、とはよく言われることですが、これは見違える、とか見直す、とかいう趣旨であって、文字通り別人と間違えるという意味ではないはずですよね。
ところがこのドラマは、眼鏡をする、しないでその人物と認識できない、ということが重要になってきます。そんなバカな(笑)。
ましてやこのドラマの場合、名前まで判明しているのに、眼鏡をしていないからその人物とは思わなかった、なんて設定になっているのです。しっかりしてくれよ、Pha。
それとは話がそれますが、それぞれの子役が用意されているのですが、見事なまでに似ていない子役が用意されていて笑えました。
こういう点も含めて、楽しんでいただけるもの、と思います。
実はこのドラマ未完でして「2 Moons 2」というのが造られているのですが、おそらくは大人の事情で、この「2 Moon」に出演している俳優さんたちは総入れ替えになってしまっています。
このメンバーでの続編も期待したいのですが......
War of High School [タイ・ドラマ]
タイ・ドラマの感想です。
題して「War of High School」
古い作品です。
いつもの MyDramaList によると、2016年8月から12月まで Channel 9 で放映されていたようです。
ということは、「Make It Right」(感想ページはこちら)とほぼ同時期ですね。
YouTube で観たように思うのですが、今確認してみると、EP1が観られなくなっていますね。
EP2 からは英語字幕付きで観ることができます。
主演は「Make It Right」にも出ていた Ohm さん。
Ohm さん演じるパウンドをめぐって、女子高校生二人(上のポスターの二人です)が争いを繰り広げる、というストーリーがメインの流れのうちの一つです。
両手に花、と浮かれていられる状況ではなくて、高校の女王の座をめぐって派閥を形成して熾烈な争いをしている二人、という設定でして、かなり強烈です。
むしろ、両者に挟まれてパウンドは苦労している感じです。
舞台となる高校は、もとは女子高だったみたいで、新たに初めて男子を迎え入れた――しかも6、7人だけ、という状況。6、7人と幅を持たせているのは、物語を見ていても人数が確定しないのです(笑)。
なんとなく男にしてみたら夢のような状況な気もしますが、いやそれは浅はかというもので、超少数派の男子は肩身も狭く、大変そうです(笑)、
ということで、この二人の女子高校生がメインというべきかもしれません。
女子高生二人の熾烈な争いはまさに「War(戦争)」。
もともとは仲の良かった二人、ということになっていまして、さらにはもう一人女王格の生徒がいたのだけれど、彼女はこの物語が始まる前に校舎から墜落死してしまっているという......
そして、この流れを受けるサスペンス調の展開がもう一つの流れです。
こちらの物語は、犯人探しのような方向に進んでいきます。
二つの流れが、時に絡み合い、時に分かれて、ラストに雪崩れ込んでいきます。
ミステリとして作られているわけではないので、伏線がしっかり貼られていたりはせず、いきなり意外な犯人となるわけですが、強烈に意外でした。
不意打ちとはこのことを言う。
びっくりできますよ。犯人が明かされるシーンでは唖然としてしまいました。
タイ・ドラマらしく(?)、BL的要素もありますが、薄味ですので、BLを期待する人にはあまりおすすめできないかも。
馴染みの俳優さんが結構出てきていますね。
ちょっと鮮明ではないですが、男性陣のポスターを。
このポスターで右側の二人がBL要員ですね。
ベストを着ている方(右から二人目)が Nattapat Sakullerpasuk という俳優さんで 愛称 Film。「Water Boyy」(感想ページはこちら)などにも出ていましたね。
気弱で繊細な感じがよく出ています。
対するのは Kavinpat Thanahiransilp 愛称 Jo という俳優さん。明るいキャラクターに合っていました。
「Make It Right」で Ohm の相手役で過去のある優等生を演じていた俳優 Toey さんが、まったくキャラクターの違う役を演じています。こちらはどこまでも軽いおちゃらけボーイ。
またポスターにはいませんが「Love by Chance」(感想ページはこちら)の Plan も出ています。
ちょっと強引なサプライズを楽しみたい方にはどうぞ、と言いたくなる作品です。