贖罪 [日本の作家 ま行]
<裏表紙あらすじ>
15年前、静かな田舎町でひとりの女児が殺害された。直前まで一緒に遊んでいた四人の女の子は、犯人と思われる男と言葉を交わしていたものの、なぜか顔が思い出せず、事件は迷宮入りとなる。娘を喪った母親は彼女たちに言った――あなたたちを絶対に許さない。必ず犯人を見つけなさい。それができないのなら、わたしが納得できる償いをしなさい、と。十字架を背負わされたまま成長した四人に降りかかる、悲劇の連鎖の結末は!?
特別収録:黒沢清監督インタビュー。
帯には、主演:小泉今日子、監督:黒沢清でWOWOWでドラマ化されたもののDVDの宣伝が書かれています。
ドラマは未見ですが、帯から受ける先入観からか、読んでいくと違和感があります。
というのも、小泉今日子が主演といいながら、ストーリー上、小泉今日子が演じるような役柄が、「主演」というほどのポジションを占めていないからです。
あらすじにも書かれている「四人の女の子」がメインで、小泉今日子が演じる(と思われる)「娘を喪った母親」はあまり出てきません。「四人の女の子」に大きな影響を与えるので、重要人物ではあるのですが。
ところが、ラストの「償い」に至って、この「贖罪」 は「娘を喪った母親」がメインという理由もわかります。
しかし、やはり後味がよくないですねー、湊かなえの作品は。
子どもには強烈な体験だとは想像しますが、四人が四人とも、揃いも揃って、こんなことになりますかねぇ? みんな不幸過ぎませんでしょうか?
全体を受けての「終章」での、ぬけぬけとした償い(贖罪?)は、拍子抜けといっていいくらいあっけなく、それでいて確かにそうだよな、と思わせるようなところもあって、気に入りましたが、こんなひねた感想を抱く人はいないかもしれません...
タグ:湊かなえ
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