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映画:トップガン マーヴェリック [映画]

トップガン マーヴェリック.jpg


映画「トップガン マーヴェリック」の感想です。

シネマトゥデイから引用します。

---- 見どころ ----
トム・クルーズをスターダムにのし上げた出世作『トップガン』の続編。アメリカ軍のエースパイロットの主人公マーヴェリックを再びトムが演じる。『セッション』などのマイルズ・テラーをはじめ、『めぐりあう時間たち』などのエド・ハリス、『ビューティフル・マインド』などのジェニファー・コネリー、前作にも出演したヴァル・キルマーらが共演。監督は『トロン:レガシー』などのジョセフ・コシンスキー。

---- あらすじ ----
マーヴェリック(トム・クルーズ)は、かつて自身も厳しい訓練に挑んだアメリカ海軍パイロットのエリート養成学校、通称「トップガン」に教官として戻ってくる。父親と親友を空で失った過去を持つ彼の型破りな指導に、訓練生たちは反発する。彼らの中には、かつてマーヴェリックの相棒だったグースの息子ルースター(マイルズ・テラー)もいた。


この引用したあらすじはかなりの前半部分で終わっていまして、
映画のHPのあらすじがまるでこの続きみたいです(笑)。

アメリカのエリート・パイロットチーム“トップガン”。
かつてない世界の危機を回避する、絶対不可能な【極秘ミッション】に直面していた。
ミッション達成のため、チームに加わったのは、トップガン史上最高のパイロットでありながら、
常識破りな性格で組織から追いやられた“マーヴェリック”(トム・クルーズ)だった。
なぜ彼は、新世代トップガンとともにこのミッションに命を懸けるのか?
タイムリミットは、すぐそこに迫っていた——。


前作「トップガン」は1986年。
続編であるこの「トップガン マーヴェリック」が2020年(日本公開は2年待ったのですね)ですから、34年ぶりの続編だったわけですね。
あの映画の続編を、トム・クルーズ本人主演で作る、というだけですごいロマンなわけですが、映画の内容そのものが、「トップガン」そのままといいますか、30年以上経過していることを感じさせない変わらなさぶり。ハリウッド建材、ということで、映像の迫力は向上しているのですが、全体的にノスタルジックな印象を受けました。
トム・クルーズのトム・クルーズによるトム・クルーズのための映画、でもありまして、そのことが短所ではなく長所として結実しているように思いました。

いちばん驚いたのは、トム・クルーズのファンには申し訳ないですが、トム・クルーズが演技している!
トム・クルーズって、アクション系の作品が多く、あまり演技力が問われるような映画には出ていないように思っています。
カッコいい兄ちゃんといった売り出し方をもともとされていて、そういう作品が続いたあと、演技力を見せようと挑んだ(と思っています)「7月4日に生まれて」だったかがあまりその点で評判を呼ばず、その後もいくつか演技力を見せる作品はあったものの、メインは圧倒的にかっこいいトム・クルーズを見せる映画であって、演技力のある俳優という印象を持っていなかったのです。

ところがこの「トップガン マーヴェリック」ではかつての相棒の息子との確執という部分でしっかり演技しています。おやっと思いましたね。
もっともこの部分の映画に占める割合は少なく、いつものカッコいいシーン連発となるのですが。

いや、本当に王道の娯楽映画でして、トム・クルーズの映画に観客が期待するものを100%出し切ってくれています。
ヴァル・キルマーにもまた会えたし、満足できた映画鑑賞でした。



製作年:2020年
製作国:アメリカ
原 題:TOP GUN MAVERICK
監 督:ジョセフ・コシンスキー
時 間:131分






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名探偵は嘘をつかない [日本の作家 あ行]


名探偵は嘘をつかない (光文社文庫)

名探偵は嘘をつかない (光文社文庫)

  • 作者: 阿津川 辰海
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/06/10
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
名探偵・阿久津透。数々の事件を解決してきた彼は、証拠を捏造し、自らの犯罪を隠蔽したという罪で、本邦初の探偵弾劾裁判にかけられることになった。兄を見殺しにされた彼の助手、火村つかさは、裁判の請求人六名に名を連ねたが、その中には思わぬ人物も入っていて―!新人発掘プロジェクトから現れた鬼才、審査員を唸らせた必読のデビュー作、待望の文庫化!


また更新をさぼってしまいました。ちょっと油断すると......
さておき、2021年12月に読んだ4冊目の本です。
阿津川辰海は2017年本書で光文社の新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」の受賞作に選ばれてデビューした作家で、非常に評判いいですね。
文庫化(2020年6月)されて勇んで買いました。が、例によって積読に。
大量の積読を抱えていますので「あー、もっと早く読めばよかった」と思う本はいろいろあるのですが、この「名探偵は嘘をつかない」 (光文社文庫)はそんな中でも飛び切り後悔した一冊。
あー、どうしてもっともっと早く読まなかったのだろう。こんなにおもしろいのに!

本書成立の経緯は、あとがきと石持浅海による解説に書かれていて、これが感動してしまうくらいすごくて、もとの原稿を読んでみたくなるくらいです。
石持浅海は新人発掘プロジェクト「カッパ・ツー」の選考委員だったわけですが、もう一人の選考委員東川篤哉の解説もお願いしたいところです。

死者が甦る「転生」、名探偵が国家機関として活躍する世界、そして名探偵弾劾裁判。
3つの大きな虚構をバックに、華麗なミステリ世界が展開します。
名探偵の弾劾裁判というのが大いにツボ。
名探偵阿久津透だけではなく、語り手を含めた登場人物たちがかなり理屈っぽい人が多く、法廷という形式はそれぞれが論理を戦わせるのに打ってつけですよね。
ましてや、名探偵が名探偵として不適であることを示す裁判となると、扱った事件と二重写しになる周到さ。

阿久津のセリフ
「名探偵は自分で見つけた真実に嘘なんてつかない。ついてはならないんだ。」(285ページ)
というのが結構効いています。

新人らしいということかもしれませんが、”名探偵”をめぐる議論も楽しいです。
「昔、阿久津に言われたことがあるの。名探偵には二つの能力が必要だ、ってね。事件の真相をイマジネーションにより見通す発想力と、それにより到達した真相に向けて論理を組み立てる説得力の二つが。」(485ページ)
とか何度か読み返してしまいました。
「謎を隠すのに最も賢いやり方はそれに解決を与えてしまうこった」(470ページ)
こちらは阿久津のセリフではありませんが、ミステリ作法としては面白いですよね。似たようなことは、赤川次郎が「ぼくのミステリ作法」 (角川文庫)の中で言ってしましたね、そういえば。

各章のタイトルがまたいいんですよ。
第一章 春にして君を離れ
第二章 幽霊はまだ眠れない
第三章 災厄の町
第四章 生ける屍の死
第五章 再会、そして逆転
第六章 トライアル&エラー
第七章 斜め屋敷の犯罪
第八章 鍵孔のない扉
第九章 法廷外裁判
第十章 死者はよみがえる
ですから!

ちなみに自分の備忘のために「幽霊はまだ眠れない」は「温情判事」に収録されている結城昌治の短編、「再会、そして逆転」は「逆転裁判」からです。



<蛇足>
<DL8号機事件>というのが出てきます。(471ページ)
阿津川辰海ほどの作家なので当然泡坂妻夫は読んでいますよね。これにはニヤリとしてしまいました。





タグ:阿津川辰海
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厨子家の悪霊 [日本の作家 や行]


厨子家の悪霊 (ハルキ文庫―山田風太郎奇想コレクション)

厨子家の悪霊 (ハルキ文庫―山田風太郎奇想コレクション)

  • 作者: 山田 風太郎
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2022/07/24
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
子家夫人惨殺さる! 現場には右眼から血を滴らせた犬と、短刀を握りしめて立ち尽くす厨子家の長男・弘吉の姿が......。果たしてこれは厨子家に伝わる「悪霊」の所業なのか? さらにそこへ真犯人を名乗る者からの挑戦状が──。どんでん返しの連続で、読者に息つく間も与えぬ表題作をはじめ、単行本未収録作品『殺人喜劇MW』『天誅』、探偵作家クラブ賞受賞の名作『眼中の悪魔』『虚像淫楽』等七篇を収録。


2021年12月に読んだ3冊目の本です。
日下三蔵さん編集の短編集で「山田風太郎奇想コレクション」という副題がついていますが、ミステリを集めたものです。

収録作は
「厨子家の悪霊」
「殺人喜劇MW」
「旅の獅子舞」
「天誅」
「眼中の悪魔」
「虚像淫楽」
「死者の呼び声」
の7作。

日本探偵作家クラブ賞受賞作である「眼中の悪魔」「虚像淫楽」が傑作であることは当然かもしれませんが、7編ともいずれも優れた作品で、山田風太郎のミステリ作家としての腕を改めて見せつけられた思いです。

特に冒頭の表題作「厨子家の悪霊」がすごい。
「目の廻るほどドンデン返しをブン廻すことこそ作者の本領ではあったが」と作者が書いていたそうですが、圧巻という言葉はこの作品のためにあるように思えるくらい、圧巻のドンデン返しです。
作者はあまり強調していませんが、その中に足跡トリックが仕込んであります。
作者自身は出来栄えに満足されていなかったようですが、これは傑作だと思います。

「殺人喜劇MW」はタイトル通りコメディ(喜劇)ですが、黒い笑い、歪んだ笑いですね。

「旅の獅子舞」も皮肉な事件ですね。ここで使われているトリックは普通の作家だと大失敗作になってしまいそうですが、山田風太郎の手にかかると皮肉な小品に仕上がります。

「天誅」はどうやってこんなの思いついたの? と聞きたくなるような仕掛けで、冒頭から大陰嚢(おおきんたま)ですよ。お下劣で失礼しましたが、そういう作品なんです。

「眼中の悪魔」と「虚像淫楽」は、いろいろなアンソロジーにも採られている名作で、いろんなところで何度も何度も読んでいるのですが、毎回新鮮な気持ちで読んでいます。恐ろしいことに、内容をほとんど覚えておらず、毎回初読のようです。
今回もまっさらな気持ちで読みました。
これほどにきれいさっぱり忘れてしまっているのは、おそらく、読後まるで悪い夢を見ているような気分になってしまうからなのでしょうか。(いや、単にこちらの記憶力の問題かと)

ミステリということで落ちついて考えると、「眼中の悪魔」に出てくるある秘密は、もっとしっかりとした伏線がほしいとも考えてしまうところですが、この作品の狙いはそこにあるのではなく、解題にある通り「三段階の悪人」なわけですから、瑕とはいえません。むしろ、この「眼中の悪魔」こそが物語を悪夢に転じさせるトリガーとして効果を上げているようです。

「虚像淫楽」はSMを扱っているのですが、ポイントは当事者である夫婦とそれに加えて夫の弟である十七、八の少年の物語に、視点人物で治療にあたる千明医学士が関わってくることでしょう。
サディストなのかマゾヒストなのかという謎が、くるくると様相を変えていく様はまさに悪夢です。

「死者の呼び声」は構成が凝っています。
現実-手紙-手紙の中の探偵小説風の物語、と三層構造になっています。この構造が、解題で明かされている作者の三段階の悪人という狙い(ネタバレなので色を変えておきます)と呼応しているのがすごいところですね。

いずれも書かれたのがずいぶん前で、文章やセリフが今からしてみると時代がかって少々読みにくいのですが、そこがかえって物語の奥行きを感じさせるというか、山田風太郎独特の作品世界への呼び水となっているようです。
山田風太郎の作品は最近もまた新刊として書店を賑わしているので、どんどん読んでいきたいです。


<蛇足1>
「その最初の見せかけをひっくり返す槓桿(こうかん)としてあの仮面を利用するのだ。」(76ページ)
文脈から梃子という意味だとわかるのですが、槓桿、知りませんでした。

<蛇足2>
「弘吉はあの小屋の肥桶に水を満たした奴を二つ、一生懸命に運んで、傍の池に注ぎ捨てて来たのだ。」(77ページ「厨子家の悪霊」)
「それにみんなが一生懸命見ているのァ、お獅子の顔ばかりにきまっているから」(154ページ「旅の獅子舞」)
以前は目の敵にして指摘していた「一生懸命」ですが、昭和二十四年発表のこれらの作品で山田風太郎が使っていることをみるとずいぶん前から広まっていたのですね。

<蛇足3>
「作家や評論家のかくもののなかに、庶民とか大衆とかいう言葉やいやにふえてきたら、きっとそのくらしが庶民とかけはなれて豪勢なものになってきた証拠だとみていいようだわね」(117ページ)
ちょっとニヤリとしてしまうセリフですね。
政治家のいう「国民」も一緒でしょうね。

<蛇足4>
「つまり僕は『誰の子であるかということを知っているのは、その母親だけである』というあのストリンドベルヒの深刻な言葉を利用したのだ。」(217ページ)
『誰の子であるかということを知っているのは、その母親だけである』──なかなか深淵な言葉ですが、出所は知りませんでした。ヨハン・アウグスト・ストリンドベリ、スウェーデンの劇作家なのですね。

<蛇足5>
「とんでもございません……いえ、ただちょっと思い出しただけなんです」(250ページ「虚像淫楽」)
「とんでもございません」という表現も、かなり広まっているものの元々は間違いというのが通説のようですが、こちらも昭和二十三年のこの作品で使われているので、根強い表現ですね。





タグ:山田風太郎
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黒い天使 [海外の作家 あ行]


黒い天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

黒い天使 (ハヤカワ・ミステリ文庫)

  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2005/02/01
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
夫はいつも彼女を「天使の顔」と呼んでいた。彼女を誰より愛していたのだ。それが突然そう呼ばなくなった。ある日、彼女は夫の服がないことに気づく。夫は別の女のもとへ走ろうとしていた。裏切られた彼女は狂おしい思いを抱いて夫の愛人宅を訪ねる。しかし、愛人はすでに何者かに殺されており、夫に殺害容疑が!無実を信じる彼女は、真犯人を捜して危険な探偵行に身を投じる…新訳で贈るサスペンスの第一人者の傑作。


2021年12月に読んだ2冊目の本です。
2005年に黒原敏行による新訳で刊行されました。

帯にフランシス・M・ネヴィンズJr.のコメントが書かれています。
「これは、若い妻が恐怖にとらわれながら時間との戦いをくり広げ、愛人殺しで有罪となった夫がじつは無実であり、真犯人は死んだ女と関係のあった別の男であることを証明しようとする物語である。夫を死の運命から救うために身の破滅をも顧みないヒロインの愛と苦悩、恐怖と絶望、癌のように広がる妄執を生き生きと描き出している」

個人的には、夫に裏切られ浮気されているというのに、その夫のために命の危険まで冒して奔走するヒロインの心理がピンと来なかったです。
少々、どころか、ずいぶん頭の弱い女性のように描かれていますから、これでよいのでしょうか?

頭文字Mつきの紙マッチを現場で見つけたことから、順にMをイニシャルに持つ男を訪ねて真相を探っていく、というストーリーで、ここからして非論理的ですが、ウールリッチ(アイリッシュ)独特の雰囲気とサスペンスは健在で、クイクイ読めました。
(解説に、フランシス・M・ネヴィンズJr.によって紹介された、東欧の文芸評論家ツヴェタン・トドロフの指摘が記してありますが、そもそもイニシャルを持つ男を訪ねるということ自体が根拠レスなので、有効な指摘ではないように思いました)

まだまだウールリッチ(アイリッシュ)の作品は読みたいので、早川書房さん、東京創元社さん、ぜひぜひ復刊をお願いします。


<蛇足>
「リュージュで急カーブを曲がるときのスリルを感じさせる声」(224ページ)
本書の原書は1943年に出版されているのですが、当時から既にリュージュという競技はこういった小説の比喩に使われるほどアメリカでは一般的だったのですね。
ちなみにこの文章のある224ページは、電話の声のたとえ、描写が延々続いて壮観です。ぜひご一読を。


原題:The Black Angel
作者:Cornell Woolrich
刊行:1943年
訳者:黒原敏行



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義経号、北溟を疾る [日本の作家 た行]


義経号、北溟を疾る (徳間文庫)

義経号、北溟を疾る (徳間文庫)

  • 作者: 真先, 辻
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2017/06/02
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
明治天皇が北海道に行幸し、義経号に乗車する。だが、北海道大開拓使・黒田清隆に恨みをもつ屯田兵が列車妨害を企てていた。探索に放った諜者は謎の死を遂げた。警視総監は元新撰組三番隊長斎藤一こと藤田五郎に探索方を依頼。藤田に従うのは清水次郎長の子分、法印大五郎。札幌入りした二人は、不平屯田兵の妻が黒田に乱暴され首吊り死体となった事件を探る。書下し長篇歴史冒険推理。


2021年12月に読んだ最初の本です。

冒頭いきなり登場する人物たちの豪華さにくらくらします。
勝海舟、樺山資紀、山本長五郎(清水次郎長)、そして藤田五郎巡査(もと新撰組三番隊長斎藤一)。
そこで藤田巡査が告げられる任務が、明治天皇の北海道行幸のお召列車を守るというもの。
同時に、北海道大開拓使の黒田清隆が士族の妻を犯して殺害したという噂の真偽をつきとめよ、と。
このあたりの小気味よいやりとりから、もうすっかり作品世界に引き込まれてしまいます。

明治初期の北海道を舞台に、当時最新鋭の汽車が北海道を走る。しかも明治天皇を乗せて!というロマンだけですごいのに、冒険活劇でなおかつ本格謎解きまで。
非常に贅沢な作品です。

しかもその二つが混然一体となって展開し、本格謎解きの真相解明シーンがとても劇的でしびれます。
一種の不可能犯罪がこのような緊迫感をもって解かれる本格ミステリは珍しいのではないでしょうか。
辻真先は作品数が非常に多いですが、趣向が凝らされている作品も多く、ぜひもっともっと読まれてほしいです。



タグ:辻真先
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HIStory2:越界 君にアタック! [台湾ドラマ]

HIStory Crossing the Line xL2YE_4f.jpg


台湾ドラマ「HIStory2」の感想を続けます。
本日は Crossing the Line
日本語では、越界 君にアタック!

今回も Rakuten TV で放映された際の予告編を。



あらすじもまた今回も日本で発売されているブルーレイ「HIStory2 是非~ボクと教授/越界~君にアタック!」の紹介欄から。
喧嘩っ早いが真っ直ぐな心を持つユーハオ(フェンディ・ファン)は、その運動神経を買われバレーボール部から勧誘を受ける。一度は入部を断るユーハオだが、バレーボール部マネージャーのツーシュアン(ザック・ルー)のアタックに見惚れ、入部を決意。怪我で選手の道を諦めたツーシュアンの気持ちを知ったユーハオは、代わりに夢を叶えようと猛特訓を始める。

日本語タイトルがずっこけるほどダメダメですが、アタックという語から連想されるように、バレーボールを扱っています。
BL + スポ魂というほど、日本のくだらない根性論には堕していませんが、ふんだんにバレーのシーンは登場します。
スポーツを通して二人の仲が深まっていく、という構図ですね。

劇中で「男も恋愛対象になるか?」と問うシーンも出てきて、その答えは「人を好きになるのに男も女も関係ない」というものなのですが、恋愛対象として好きになる、ということと、人として好きになる、ということには大きな違いがあると思っていまして、ここは説明不足、というか、説明されていません。
タイドラマの感想でも何度か書いていますが、この違いをどう乗り越えるかに焦点が当たるといいのにな、と思うのですが、そういう作品には行き当たりませんね。

本作品は、眼鏡のスポーツマンと運動神経はいいけど不良という、定番中の定番ともいえるような二人を軸に据え、もう一組、血のつながらない兄弟というカップルが登場します。こちらもBLでは定番の設定らしいです。
まさにBLの王道。
変に技巧や趣向を凝らすことなく、真正面から王道に挑んでいます。




タグ:history
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HIStory2:是非 ボクと教授 [台湾ドラマ]

HIStory RIght or Wrong Xv3edf.jpg


台湾ドラマ「HIStory」について
第1弾 HIStory :My Hero (感想ページはこちら
第2弾 HIStory :Obsessed (感想ページはこちら
第3弾 HIStory :Stay Away From Me(感想ページはこちら
と観てきましたが、「HIStory」は人気があったようで、その後もシーズンが展開されています。
(今のところ、シーズン4まであるようです)

「HIStory2」は2つの物語があって、本日はそのうちの Right or Wrong です。
日本語では、是非~ボクと教授~

こちらは日本でRakuten TV で放映されたようで、予告編があります。




あらすじを日本で発売されているブルーレイ「HIStory2 是非~ボクと教授/越界~君にアタック!」の紹介欄から。
大学教授のイージェ(スティーブン・ジャン)は数年前に離婚し、男手ひとつで幼い娘ヨーヨー(イエ・イーエン)を育てていた。ある日、ヨーヨーは大学生のフェイ(ハント・チャン)と出会う。ヨーヨーを心配したフェイは、家事や育児に無頓着な父親のイージェに不満を募らせて家事代行を行うことを決めるのだが、イージェが自分の通う大学の教授だと知る。次第に距離が近づいていく2人だったが、フェイはある過去により傷を抱えていて…。

物語はOKで、大学生の方の主役もOKだったのですが、最初観た時、個人的に相手役である大学教授役がNGでした。
すみません、ヒゲが......
男同士の恋愛ものだということを分かったうえで観ているので、言いがかりであることは重々承知しているのですが、ビジュアル的にヒゲが出てきてしまうと、男同士であることを強調されてしまうようです。
考えてみれば、これまで観たBLは見た目がつるんとした美形タイプが多かったみたいです。
誤解のないように言っておかなければならないと思いますが、この大学教授役の Steven Jiang (Jiang Chang Hui) さんも整った顔をされています。ただただ、ヒゲが気になったのです。
もっともそのうち見慣れてきましたし、今となっては全然平気です。

とすると、大学生フェイが最初反発しながらも、教授イージェに惹かれていくという物語上の流れを疑似体験させてもらえたということかもしれません(苦笑)。

大学教授に子供がいる、というのが大きなポイントで、子供とのリレーション、信頼関係というのが、はてさてプラスと出るのか、マイナスと出るのか。
ストーリーそのものは王道的展開と言えますね。



タグ:history
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合唱組曲・吸血鬼のうた [日本の作家 赤川次郎]


合唱組曲・吸血鬼のうた (集英社オレンジ文庫)

合唱組曲・吸血鬼のうた (集英社オレンジ文庫)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2021/07/15
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
合唱コンサートの帰り、見知らぬ女性に『リュドミラ様』と呼び掛けられたエリカたち。エリカの友人・関谷しおりと、『リュドミラ』が瓜ふたつだというのだが……? しおりとリュドミラ、日本とトランシルヴァニアを繋げる、幻の秘宝〈マキシミリアン大公の十字架〉の謎を追って、クロロック父娘は東欧に飛ぶ! 大人気ロングランシリーズ、待望の最新作!


2021年11月に読んだ最後の本です。
「吸血鬼はお年ごろ」シリーズ 第39弾。

「吸血鬼と悪魔の休日」
「吸血鬼の道行日記」
「合唱組曲・吸血鬼のうた」
の3編収録です。

「吸血鬼と悪魔の休日」は20年後に再会を約した高校生たちの、その20年後を描いています。
舞台となるのは東京にあるMデパートなのですが、
「明日日曜日の午後二時にMデパート一階のライオン像の前で待ち合わせることに決まった。」(23ページ)
という記述があり、あからさまに三越ですよね。
「Mデパート? ――まあ、二十年たっても、なくなりゃしないだろうな」(13ページ)
などというセリフもあり、三越だとすると以前それこそ潰れそうになりましたので、実名を出すのが憚られたのでしょうか(笑)。
この作品でもやはり警察の活動がでたらめで興ざめです。
(最近の)赤川次郎の作品では、一般的な犯罪者側がよい人で、捜査する警察が腐っていることが多すぎですね......

「吸血鬼の道行日記」を「ミステリのあるテーマに挑んだ意欲作」というのはいくらなんでも買いかぶりすぎでしょうね。
ただ、勢いに任せて書き飛ばしたような(失礼)作品であっても、こういうポイントが忍ばせてあると印象はずいぶんよくなりますね。

「合唱組曲・吸血鬼のうた」の主役は、トランシルヴァニア地方の血を引くピアニストです。
赤川次郎ではずいぶんこの種の話を読んだ気がしますが......まあ、楽しく読めたからいいでしょう。
しかし、クロロック商会、簡単に海外出張が組めて、さらにエリカの分まで経費負担できるとは、なんと自由で儲かっている会社なのですね。
クロロックが社長だとブラック企業ということはなさそうですし、いい会社みたい。


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ダブルファッジ・ブラウニーが震えている [海外の作家 ジョアン・フルーク]


ダブルファッジ・ブラウニーが震えている (ヴィレッジブックス)

ダブルファッジ・ブラウニーが震えている (ヴィレッジブックス)

  • 出版社/メーカー: ヴィレッジブックス
  • 発売日: 2017/11/30
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
母ドロレスとドクの結婚式をサプライズで計画したハンナたち。式を挙げる予定のラスベガスに向かっている幸せいっぱいの母とドクを見ていたハンナは、自分自身も一生に一度の大恋愛をしてみたいと思うようになっていた。ハンナにとって大切な二人の男性はプロポーズしてくれたし、彼らのことは愛しているけれど……。そんなとき、ラスベガスで思いもよらない出来事が! ハンナの恋、ついに決着!?


2021年11月に読んだ9冊目の本です。
お菓子探偵ハンナ・シリーズ第18弾。

引用したあらすじは、どうみてもミステリではないですね。
ちゃんと(!)殺人事件も起こるというのに。

母ドロレスとドクの結婚式の計画という、ドキドキするオープニングとなっているのですが、ハンナがさらっとは読み飛ばせない述懐をしていて注目です。
「ふたりがいっしょにいるのを見ていると、ハンナは自分もこんな身を焦がすような恋愛がしたくなった。思えば、ノーマンのプロポーズもマイクのプロポーズも受け入れなかったのは、それが理由だった。ふたりとも愛してはいたが、それは彼女が強く望んでいる、胸が高鳴り、その人がいなければ生きていけないというタイプの愛ではなかった。一生に一度でいいから、完璧な夜に完璧な男性から完璧な愛で心を奪われたかった。」(11ページ)
な、なんと!

そうこうするうちに、シリーズ的にはネタバレになってしまうのですが、懐かしのロスが登場し、ハンナの心を奪います。
「マイクと一週間会えないと思うと悲しい?」
「いいえ、そうでもない。マイクのことを考えたのは、だれかが彼の名前を出したときだけだし」
「ノーマンはどう? 彼のことは考えた?」
「彼のことを考える機会はマイクよりは少し多かったけど、たぶんモシェを預けているからだと思う」(125ページ)
とはかなり衝撃の発言です。

シリーズで気になると言えば、ハンナが起こした交通事故があります。
いよいよ危険運転致死罪を問われる裁判が開かれる運びに。
なんですが、裁判所で担当判事が殺されるという事件発生!

恋に目がくらんでしまったのか、ハンナの迷探偵ぶりは絶好調で、十分な推理もできないうちに真犯人にぶつかるというありさまで、このシリーズらしいと言えばらしいのですが、ミステリとしてはもっとしっかりしてほしいところ。
とはいえ、今回は事件なんか大した興味を惹くものでなく(失礼)、ハンナの恋模様ですよね。

ラストで一大決心をして、さぁ、「ウェディングケーキは待っている」 (ヴィレッジブックス)ですね!


<蛇足1>
「ドクと三人の娘たちがこの計画の共謀者だと母が知って、怒ることはふたつにひとつだ。~略~
 ハンナならいくつかの理由から後者に賭けるだろう。」(11ページ)
ここの「ハンナなら」の文章、変ではないでしょうか?
そもそもこの物語自体がハンナ視点で語られるものなので「〇〇なら~~だろう」という構文を使う必要がわかりませんし、ハンナの意見として「だろう」と推量を入れる必要もありません。
原文はどうなっているのかな?

<蛇足2>
アンドレアが使わない貰い物のバント型(カップケーキ型)をハンナにあげるというシーンがあるのですが、その型についてアンドレアが
「娘たちが砂場で遊ぶときに使わせていたの」(74ページ)
と言います。
まあ、洗えば済む話ではありますが、なんとなく気持ちよくないなぁ、と思ってしまいました。

<蛇足3>
「リビングルームでコーヒーを飲みながら、ピーナッツバターとバナナのサンドイッチを食べていました」(209ページ)
なかなか強烈な取り合わせのサンドイッチですね......

<蛇足4>
「休みにしていいと言いながらその時間ぶんを給料から引くのは、殺人の動機になるだろうか?」(209ぺージ)
なりません!(笑)

<蛇足5>
「ハンナはモシェにえさをやってから、ベッドルームに行って、アンドリアが“部屋着セット”と呼んでいるものに着替えた。グレーのスウェットパンツと大学の古いスウェットシャツだ。」(295ページ)
大学のスウェットを今で着ているとは、ハンナも物持ちが非常にいいですね。

<蛇足6>
料理をしながら、ハンナとミシェルがカラーピーマン(パプリカという言い方の方が一般的になってきていますね)の話をするシーンがあるのですが(333ページ~)、そこで
「ピーマンはすべて同じ種からできるのよ」
「大事なのは、ピーマンの色が成熟具合によって異なるってことと、赤いピーマンがいちばん甘くていちばん熟しているってこと」
といっていてびっくりしました。
そうなんですか!? 知りませんでした。緑のピーマンもそのまま育てると黄色、オレンジ、赤と変色していくのですか......

<蛇足7>
「ハンナは冷蔵庫を開けて、少し整理した。すなわち、ひどくしなびてしまったリンゴ一個、寿命を超えてしまった古いジャガイモ三個、食べごろの時期をすぎてしまったニンジンひと袋、ブルーチーズではないのに青くなってしまったチーズ一パックを捨てた。」(336ページ)
えっと、いくらなんでも整理しなさすぎではないでしょうか、ハンナさん。
あと、ジャガイモを冷蔵庫に保存するというのも、ちょっと不思議です。




原題:Double Fudge Brownie Murder
著者:Joanne Fluke
刊行:2015年
訳者:上條ひろみ






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赤い糸 [日本の作家 か行]


赤い糸 (幻冬舎文庫)

赤い糸 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 吉来 駿作
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2011/10/12
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
大学生の修平は、心を寄せる同級生の美鈴に頼まれ、香港郊外での秘密の儀式に同行、言われるがまま赤い糸を体に巻く。死と契る行為とも知らずに……。帰国後、参加者たちは、切っても切れない赤い糸の幻覚に悩まされる。死から逃れるには自分の体を切断するしかない。ついに修平が、彼女に斧を振り下ろす。赤い糸の伝説が恐怖を生む青春ホラー。


2021年11月に読んだ8冊目の本です。
作者の吉来(きら)駿作は「キタイ」(幻冬舎)(文庫化にあたって「ラスト・セメタリー」 (幻冬舎文庫)と改題)で2005年に第六回ホラーサスペンス対象を受賞してデビューした作家です。
「キタイ」の作風が気に入っていたので気になる作家ではあったのですが、寡作なうえになかなか文庫にならず。
ようやく購入できたのがこの作品です。

ジャンルでいうとホラーです。

どんな難病でも癒してしまう儀式。
ただし、その儀式の参加者はその話を誰にもしてはならない。もしすると死んでしまう。

よくある設定といえばよくある設定なのですが、そこに赤い糸という小道具が加わって、強くイメージがわきます。
そしてこの設定を土台にして、ベースはホラーながら、ミステリらしい伏線やロジックがしっかりと仕込まれています。
軽いタッチで書かれていますが、こういうホラー、いいですね。
(理に落ちない方が純粋にホラーとしては怖くてよいかもしれませんので、ホラーファンの方には受けないかもしれませんね)

軽いタッチといいつつ、ラスト近くである主要登場人物が真情を吐露するのですが(282ページから)、この内容が強烈で、考えさせられました。
ここに焦点を当てると、まったく別の印象をもたらす作品になったことでしょう。
ネタバレになるので、色を変えて、自分への備忘のために以下に引用しておきます。
「健康なくせに、目的もなく、ふらふらと生きてる奴がな、おれは憎くてたまらないんだ。健康な体で生まれてきたのに、お前らは、何もしない。命を無駄にするだけだ。与えられた命の価値に気づかず、それを活かそうとしない。おれに言わせれば、お前らは、ゴミだ。それも、最悪のな。おれは、お前らみたいなゴミを、一人残らず殺したいんだ」「お前、おれを見て幸せを感じたろ?」
「誰も彼もが、おれを見て自分の幸せを嚙み締めやがる。あんな風に生まれなくて良かったと。あんなおかしな歩き方をしないで、自分は幸せだとな。おれに前に立った連中の顔に、見る見るうちに幸せが浮かんでくるのがわかるんだよ。おれを見て、可哀想だとか、がんばってと声をかけてくれるがな。そういう言葉の裏で、お前らは幸せを噛み締める。腹の底でおれを笑って、幸せの甘い香りを楽しむんだ」

現状吉来駿作の作品はあと2作出版されているようですが、文庫化されているのは1冊で時代小説のようですね......


タグ:吉来駿作
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