名探偵コナン (15) [コミック 青山剛昌]
<カバー裏紹介文>
コンサート会場でカンケリ遊び!? そこでTWO-MIXの高山みなみちゃんと遭遇だ! ところがここから事件発生! みなみちゃんが誰かにさらわれた!! またもや少年探偵団にかり出されちまった…。でも、彼女の声、誰かに似てる…!?
名探偵コナン第15巻(少年サンデーコミックス)。
FILE.1 ない!?
FILE.2 消えた凶器
FILE.3 涙で語る真実
FILE.4 声が似てる!?
FILE.5 狙うは…
FILE.6 デュエット!?
FILE.7 指をペロッ!?
FILE.8 魔法を使った!?
FILE.9 悪魔の呼び声
FILE.10 血染めの包帯
の10話収録。
FILE.1~3は、第14巻 (少年サンデーコミックス)の続きです。
園子、蘭の小学校時代の恩師米原晃子が予約した貸別荘に同行し、事件に巻き込まれます。
死体を使ったトリックはどこかで見たような感じが拭えませんし、絞殺トリックも鮮やかとは言い難い。
面白かったのは毛利探偵がいない状況で、さてコナンは誰をダミーの探偵にするか、ということで、あたらしい手口を編み出しています。素晴らしい。
でも、まあ、事件にせよ、この手口にせよ、最後の蘭の感情の噴出の方がシリーズとしては重要なのでしょう。さらっと「新一」と言ってコナンを抱きしめていますしね。
そのFILE.4~6は、武道館でのライブ直前に誘拐されるミュージシャンの話。
ハラハラして楽しいのですが、この犯人の動機は相当無理があって困ってしまいました。
それにしても、コナン、そんなにカラオケ下手なの?(笑)
FILE.7~9は、サラ金会社の社長が毒殺されるけれど、どうやって毒を盛ったかわからない、という事件。
やや専門的な知識を使ったトリックが披露されます。
蘭に麻雀の才能があるのが恐ろしい。
FILE.10は、毛利探偵が、富豪から初恋の人探しを頼まれる、という導入部。しかし、毛利探偵にものを頼む人がいるとは......
殺人事件が発生したところで終わっていて第16巻 (少年サンデーコミックス)に続きます。
大阪府警本部長の服部平蔵(笑)が登場し(といいながら、早い段階で退場しますが)、あわせて服部平次も登場。コナンの正体を知っているのが楽しい奴ですね。
さて、さて、どうなりますことやら。
裏表紙側のカバー見返しにある青山剛昌の名探偵図鑑、この15巻は長谷川平蔵。
鬼の平蔵、鬼平ですね。ドラマ化もされていますね。
青山剛昌のオススメは「狐火」 とのことです。「決定版 鬼平犯科帳 (6)」 (文春文庫) に収録されているようです。
鬼平、読んだことないのですが、青山剛昌のオススメとあらば、読んでみましょうか......
名探偵コナン (14) [コミック 青山剛昌]
<カバー裏あらすじ>
正体隠して探偵稼業 何とか事件は解決できてはいるけれど そろそろ蘭も怪しんでいるに違いない だけど、だけど‥‥ コナンが工藤新一だなんてこと やっぱり誰にも言えないぜ!!
名探偵コナン第14巻(少年サンデーコミックス)。
FILE.1 写真があった!!
FILE.2 電話の数字
FILE.3 事件はこれから!?
FILE.4 落葉の中の尋問
FILE.5 母さんの胸の中!?
FILE.6 コナンの笑み…
FILE.7 有希子の笑み…
FILE.8 もう一人の…
FILE.9 奇妙な集まり
FILE.10 最後の客
の10話収録。
FILE.1~3は、マジシャン変死事件の真相を突き止めてほしいと、毛利探偵事務所に依頼人が。
トランプのカードを使ったダイイング・メッセージと数字の暗号は苦しいし、犯人の動機もミステリ漫画でおなじみの構図になっていて‥‥なのですが、いや、そんなことより、コナンの秘密に蘭が気づいちゃってますよ!
FILE.4の冒頭、コナンを問い詰める蘭で幕開け。
さて、どうなる!?
と思っていたら、窮地を救ってくれたのは、新一の母・有希子! なーんと、そう来ましたか。まあ、バレなくてよかった。
で、そのFILE.4~8は、有希子の幼なじみ広美の家・薮内家での遺産相続をめぐる話。
ブラジルから突然帰ってきた叔父とその連れで用心棒の若いブラジル人、というのがいかにも怪しげでそれらしくていいですね。
15年前に広美の母が井戸に落ちて死んでいて、後妻がいる、というのも雰囲気を盛り上げてくれます。
今この感想を書こうとしてパラパラ見返していたら、遺言状公開(こういう場が用意され
てるのもいいですね)のシーンで、さりげないけれど、しっかり真相をうかがわせるような場面が盛り込まれているのに気づきました。素晴らしい。
コナンが堂々とした謎解きを披露するのですが、最後を飾るのは意外な人物。
まあ、ミステリ的な趣向ではないので明かしてしまってもいいとは思いますが、エチケットとして伏せておきます。
ただ、FILE.1の冒頭の、あちらこちらの夫婦喧嘩のシーンが活きているのがよかったことを記しておきます。
エンディングは、蘭に気をつけた方がいい、と母がアドバイスし、ページを捲ると蘭が怒っているのでヒヤリとしました。
FILE.8~10は、お金持ち園子とともにスキー場に出かけた蘭とコナン。そこで園子、蘭の小学校時代の恩師米原晃子と出会い、彼女たちが予約した貸別荘に同行し、事件に巻き込まれます。
次巻第15巻 (少年サンデーコミックス)に続くので、感想はそのときに。
園子と蘭(ということは新一もですね)の通った小学校って、米花小学校ではなく、帝丹小学校っていうんですね。
裏表紙側のカバー見返しにある青山剛昌の名探偵図鑑、この13巻はコーデリア・グレイ。
これまで挙げられていた名探偵たちと違い、わずか2冊にしか登場しない探偵ですね。このことは紹介文でも触れられています。
青山剛昌のオススメは「女には向かない職業」 (ハヤカワ・ミステリ文庫)とのことです。
名探偵コナン (13) [コミック 青山剛昌]
<カバー裏あらすじ>
本当は楽しい高校生活がオレを待っていたはずなのに。実際のところは…血なまぐさい殺人事件ばっかりが、オレの心を悩ませる!?甘い恋の悩みなんてのが、あって当然なんだけど…。
おっと蘭ねえちゃん、どこ行くの!?
名探偵コナン第13巻 (少年サンデーコミックス)。
FILE.1 本当の姿
FILE.2 目撃者は…
FILE.3 三つ子の容疑者
FILE.4 哀しき兄弟の絆
FILE.5 落ちる死体
FILE.6 疑惑の自殺
FILE.7 花と蝶
FILE.8 逃亡者
FILE.9 怪獣ゴメラの悲劇
FILE.10 去りゆく後ろ姿
の10話収録。
FILE.1は、第12巻(感想ページはこちら)の続きです。
このアリバイトリック(?) 、うまくいくでしょうか? 動機もなかなか納得しにくいものが設定されていますし。
でも、本エピソードには事件よりももっと重大な事態が。それは服部くんがコナンの正体に気づいている、ということ!!!
コナンのピンチにハラハラしますが、落ちつくところ(?) に落ちついてよかったね。
それにしても、服部くんをダシに推理を披露するコナンですが、やはりでたらめ極まりない関西弁が......
服部くんはネイティブ関西人なのでありえないですよ~。
あと、服部くん(を操るコナン)の犯人指摘シーンで、指さされた方向にいた毛利探偵が
「え? オレ?」
というシーンには爆笑してしまいました。
FILE.2~4は、園子に誘われていった別荘で殺人事件に巻き込まれます。
園子の姉の婚約者富沢雄三が富沢財閥の三男という設定で、財閥の当主が殺されます。
雄三が疑われるというお決まりの筋書きですが、三男というのが実は三つ子の三兄弟だったという(笑)。
毛利探偵はついてきていないので、誰を(表面上の)探偵役に据えるかというのも注目点だったのですが、いやあ、阿笠博士の変声装置、男声女声関係ないんですね、すごい。
使われるトリックそのものは特に凝ったものではないのですが、それを暴く手がかりが、常套的なものながら、しっかり機能するようになっていてよかったです。
FILE.5~7は、倒叙形式で犯人が被疑者を殴り殺す犯行を描きつつ、毛利探偵たちが犯人と共に、被害者がベランダから転落死する様子を目撃する、という事件。おもしろいではないですか。
ちょっと現実的ではないトリックのように思えましたが、絵になるのでOK!
FILE.8~10は、ゴジラ、じゃなかった、ゴメラの撮影現場へ阿笠博士に連れていってもらったコナン(とちびっ子たち)が、シリーズ打ち切りを決めたプロディーサーが殺される事件に遭遇。
ミステリ的には犯人が見え見えなのですが(一見犯行が不可能に見える人物が犯人だと考えるのは悪い癖ですよ、ミステリファンのみなさま)、それによりかかることなく周到に組み立てられた作者の筋書きが素晴らしいなと思いました。
しかし、麻酔を使わずに、阿笠博士に口パクさせるという推理披露の段取りはなかなか刺激的でしたね。
裏表紙側のカバー見返しにある青山剛昌の名探偵図鑑、この13巻はブラウン神父。
青山剛昌のオススメは「奇妙な足音」とのことです。
名探偵コナン (12) [コミック 青山剛昌]
<カバー裏あらすじ>
オレの名は工藤新一 ちょっとは名の知れた高校生探偵… だったはずなのに 気がつけば、いつの間にやら小学生に逆もどり 子供の姿でも頭は大人、小っちゃいなりに難事件を解決だ! なんたって真実は、いつも一つなんだから!!
名探偵コナン第12巻 (少年サンデーコミックス)です。
FILE.1 博士の宝箱
FILE.2 黒い太陽
FILE.3 宝の正体
FILE.4 突然の遭遇
FILE.5 爆弾の行方
FILE.6 コナンの誤算
FILE.7 マイクロフトでの集い
FILE.8 知りすぎていた女
FILE.9 ナゾの爆発
FILE.10 見破られたウソ
の10話収録。
FILE.1~3は、阿笠博士が、コナンとその小学校の友達を連れて伯父の別荘へ。宝探しゲームをさせようと。
ところが、50年間誰も入っていないその別荘には人のいた気配があり、さらに実際に伯父の隠した宝があるようで......
楽しく仕上がっていますが、さすがに1円玉というのはないのでは......?
FILE.4~6は、米花ホテルで開かれた新作ゲームの発表会の裏で起こる殺人事件を扱っています。
しかし、毛利探偵が監修する推理ゲームって......面白くないだろうな(笑)。
被害者が、コナンをさらい今の姿にした黒ずくめの男の仲間というのだから緊迫しますね。でも、こちらの謎は解けず。
殺人事件の方は、手がかりの出し入れがピタリと決まっていてすばらしい。
FILE.7~10は、シャーロックホームズフリーク歓迎ツアーで起こる連続殺人を扱っています。
コナンが申し込んだツアーに連れられてきたものの、フリークでもなんでもない毛利探偵がぶつぶつ文句を言うのがおかしい。
さらにこのツアーには第10巻(感想ページはこちら)に登場した西の名探偵と自称する服部平次が参加して、コナンにとってややこしいことに。
工藤新一を勝手にライバル視している服部くん、どうやらコナンを疑いだしています。
事件の方の解決は次巻に持ち越しのようですので、感想も持ち越します。
それにしても、最後にコナンが披露する(?) 関西弁のでたらめさには......
「わかってしもたんでんがな」って......ひどすぎる(笑)。
裏表紙側のカバー見返しにある青山剛昌の名探偵図鑑、この12巻はV. I. ウォーショースキー。青山剛昌のおススメは「レイクサイド・ストーリー」 (ハヤカワ・ミステリ文庫)とのことです。
このシリーズ、今は変わっていますが、江口寿史のイラストが印象的でしたね。
名探偵コナン (11) [コミック 青山剛昌]
<カバー裏あらすじ>
オレの名は工藤新一 ちょっとは名の知れた高校生探偵… だったはずなのに 気がつけば、いつの間にやら小学生に逆もどり 子供の姿でも頭は大人、小っちゃいなりに難事件を解決だ! なんたって真実は、いつも一つなんだから!!
名探偵コナン第11巻 (少年サンデーコミックス)です。
FILE.1 話すテーブルクロス
FILE.2 生放送中の死
FILE.3 幻の道
FILE.4 緊急推理ショー
FILE.5 大事な人!?
FILE.6 凶器のありか
FILE.7 二つの謎
FILE.8 修行の間
FILE.9 桜と壁の穴
FILE.10 宙に浮く力
の10話収録。
FILE.1は、第10巻の FILE.9~10 からの続きです。
タイトルにもなっているテーブルクロスによるダイイング・メッセージや犯人追及の手がかりとなるポイントそのものは他愛のないもののように思えるのですが、マンガによくある登場人物たちの命名を活用している点は要注目な気がします。
FILE.2~4は、テレビ局を舞台にした殺人事件を扱っています。
犯人役として松尾貴史が登場。実在のタレントで、顔も似せてありますから、ちょっとびっくり。
でも、こういうのおもしろいですよね。
半倒叙で、松尾が使ったトリックがわからないという形式になっていますので、このチェスタートンばりのトリックが売りと思われるのですが、このトリックは少々無理があるように思います。
FILE.5~7は、新一とデートに出かけるといった蘭が気になって、つけていったコナンが、待ち合わせ場所である喫茶店で巻き込まれる殺人事件。
殺人事件の方は、巧妙なミスディレクションが効いています。
それよりもなによりも、蘭のデート相手が(コナンにとって)大問題ですが、意外な着地を見せるのがおもしろい。カバー袖の作者のことばに
「コナン・ドイル、アガサ・クリスティー、モーリス・ルブラン
名だたる推理作家の名前がキャラにはついているのに
なぜ、エラリィ・クイーンはないんだ? と言われる…
フッフッフッ実はとっておきのキャラ用に温存していたのさ。
ホラ、彼女だよ。この巻でやった登場した蘭の…」
と書いてあるのが若干ネタバレ気味ではありますが、とても楽しめました。
FILE.8~10は、道に迷った毛利、蘭、コナンの三人が身を寄せた山寺で起こる不可解な殺人事件。
霧天狗という魔物が出るという山泥寺(連載されているのが少年サンデーだからでしょうか笑)。
豪快なトリックが見どころです──豪快なトリックは、だいたい無理があるもので、このトリックも無理なんじゃないかと思えるのですが、とても楽しかったのでOKです。
裏表紙側のカバー見返しにある青山剛昌の名探偵図鑑、この11巻はエラリィ・クイーン。青山剛昌のおススメは「エジプト十字架の謎」とのことです。
名探偵コナン (10) [コミック 青山剛昌]
<カバー裏あらすじ>
次から次へと難事件 これじゃあ、オレの身がもたねぇ! ほーらやっぱりおかしいぞ!? やたらと体が熱くなる… と思ったら…!?何が起こるかわからない お待たせしました、真打登場!!
名探偵コナン
第10巻 (少年サンデーコミックス)です。
FILE.1 水の時間差トリック
FILE.2 西の名探偵
FILE.3 二人の推理
FILE.4 東の名探偵…
FILE.5 東の名探偵現る
FILE.6 熱いからだ
FILE.7 忍び寄る殺人鬼
FILE.8 もう一人の乗客
FILE.9 吹雪が呼んだ惨劇
FILE.10 最後の言葉
の10話収録。
FILE.1は、第9巻の FILE.8~10 からの続きです。
四井グループ会長の一人娘の誕生パーティに招かれた毛利小五郎たちが巻き込まれる殺人事件。
その一人娘が浴槽で溺死させられ、なんと蘭までが襲われるという流れです。
FILE.1のタイトルが「水の時間差トリック」ということからわかるように、アリバイトリックを扱っています。ただ、一つ目のトリックはありふれていますし(推理クイズなどでよくあるような感じです)、二つ目のトリックは着眼点がおもしろいぱっと見てうまくいきそうもないと感じてしまうのが難点かな(といいながら、現実にはうまく行くんだろうとも思えます)、と。
FILE.2で、毛利探偵事務所に変な奴が現れます。それは、西の名探偵と自称する服部平次(この名前も...笑)。FILE6まで続くエピソードは、外交官殺し。
極めて定番の密室トリックを使っているのですが、名探偵対決の趣向にマッチしていていいと思いました。
それよりなにより、その服部に風邪に効くと白乾児(パイカル)を飲まされたコナンが、工藤新一の姿に戻るという大事件が! まさに東西探偵対決の実現。
なんですけど、エピソードの終わりにはまたコナンの姿に戻ってしまいます......
あと「真実はいつも…たった一つしかねーんだからな…」というセリフがとても効果的に使われていて印象的です。
FILE.7~8は、米花図書館を舞台に少年探偵団(?) が大活躍。
エンディングの大技はマンガで見ていてとても楽しい。
死体の隠し場所そのものは取り立てて言うほどのこともないのですが、それにコナンが気づくきっかけと手がかりの示し方が素晴らしい。
FILE.9~10は、偶然訪れることになった別荘で毛利小五郎たちが巻き込まれる殺人事件。解決は次巻「名探偵コナン (11)」 (少年サンデーコミックス)に持ち越されていますので、感想はそのときに。
裏表紙側のカバー見返しにある青山剛昌の名探偵図鑑、この10巻はオーギュスト・デュパン。名探偵の元祖登場です。青山剛昌のおススメは「モルグ街の殺人」とのことです。
名探偵コナン (9) [コミック 青山剛昌]
<カバー裏あらすじ>
高校生探偵として名を馳せたオレなのに今はなぜか小学生に逆もどり…ガキと一緒に遊んでいたら女の子が一人行方不明!! のんびり温泉と思ったら今度は殺人事件が発生だ ちょっとはオレも休みたい、だって小学生なんだから!!
感想を書くのをしばらくさぼってしまいました。
名探偵コナン第9巻です。
FILE.1 危ないかくれんぼ
FILE.2 声を追え!!
FILE.3 えっ! 本当!?
FILE.4 小五郎の同窓会
FILE.5 意外なヒント
FILE.6 弁慶の仁王立ち
FILE.7 花婿選び
FILE.8 忍び寄る影
FILE.9 死体がもうひとつ…
FILE.10 無差別殺人!?
の10話収録。
FILE.1~3は、かくれんぼをして遊んでいた女の子がいなくなるという事件。
止めてあった車のトランクに隠れていたのだが、どうやらその車は少女連続誘拐殺人事件の犯人のようで......博士にもらったスケボーで追跡を試みるコナンたち、とサスペンスたっぷり。
これはさすがにコナンたちの手に余るよなぁ、と思っていたら急転直下の展開。
最後までハラハラさせてくれましたね。
FILE.4~7は、米花大学柔道部の同窓会ということで、毛利小五郎と一緒に栃木県の温泉旅館を訪れたコナンたちが出くわす殺人事件。
毛利探偵の大学時代の同級生たちのなかに犯人がいる、という構図です。
だから、なのかどうかはわかりませんが、コナンにヒントをもらうとはいえ、毛利探偵が謎解きをするのが見事!
しかも FILE.5 のタイトルである ”弁慶の仁王立ち” というのがそのヒントの一つで、このヒント極めてわかりにくいヒントであるのに正解に辿り着いているのですから、毛利探偵もかなりのもの。あれ? 名探偵なんじゃ?
FILE.8~10は、四井グループ会長の一人娘の誕生パーティに招かれた毛利小五郎たちが巻き込まれる殺人事件。解決は次巻「名探偵コナン (10) 」(少年サンデーコミックス)に持ち越されていますので、感想はそのときに。
裏表紙側のカバー見返しにある青山剛昌の名探偵図鑑、この9巻はフィリップ・マーロウ。
青山さんのオススメは「長い別れ」。
田口俊樹による新訳「長い別れ」 (創元推理文庫)が出たのは2022年ですから、ここは清水俊二訳の「長いお別れ」 (ハヤカワ・ミステリ文庫)とすべきミスでしょうね......
この第9巻は奥付でみると1996年2月ですから。
カバー見返しの作者のことば欄に
「コナンのアニメついにスタート!」
と書いてあって、テレビアニメがスタートしたのが1996年なんですね。
いまや国民的アニメになっていますから、なんだか感慨深いですね。
<2024.2.17追記>
File5、File6 が間違っていました。訂正しました。
名探偵コナン (8) [コミック 青山剛昌]
<カバー裏あらすじ>
蘭に俺の正体を暴かれそうになる大ピンチ!! とっさの機転でしのいだけれど、もうちょっと蘭を安心させてやりたかった…早く元の工藤新一に戻りたいけど次から次へと事件が起こってそれどころじゃないんだよ!! 空から ”闇の男爵” が降って来たぁ
名探偵コナン第8巻です。
FILE.1 ついに見つけた!!
FILE.2 闇の男爵(ナイトバロン)
FILE.3 恐怖のウイルス
FILE.4 仮面の下
FILE.5 蘭の涙
FILE.6 風のいたずら!?
FILE.7 落下地点の秘密
FILE.8 花嫁の悲劇
FILE.9 禁断のレモンティー!?
FILE.10 殺しの理由
の10話収録。
FILE1は、前巻 「名探偵コナン (7)」 (少年サンデーコミックス)の FILE8~10の続きで大団円。
犯人の指摘は第7巻で終わっているので、ミステリとしてというよりは、物語として(という言い方は変ですが)どう終わらせるかというのが興味になりますね──その意味では第7巻の感想はピント外れでした。
蘭に誤解されたままというのは至極まずいですし(笑)、なんとかうまくごまかせたかな?
FILE2~7は、伊豆のホテルを舞台に、「伊豆ミステリーツアー」と称し、参加者に化けて紛れ込んでいる主催者を見つけると宿泊費がタダになるというツアーにコナンたちが参加します。
その主催者は、コナンの父である推理作家が生み出したキャラクターである ”闇の男爵(ナイトバロン)" に扮し事件を起こすことになっていて......実際に起こった事件はなんと殺人事件。
ちょっとあからさますぎる手がかりがあって、そのせいで蘭含めた登場人物の行動が変わってくる、という流れになっているのですが、あまりにあからさますぎるのでどう処理するのだろうと思っていたら、さらりとひねりが加えられていて満足しました──もっとも、といってもやはりそのせいで真相が見抜きやすくなってしまっていますが。
ミステリとしては小さなトリックをいくつも投入している点が見どころですね。
途中埼玉県警の横溝さんが再登場し、
「先月から静岡県警に転勤してきたんですよ!」
と言ったのには笑ってしまいました。佐野洋が生きていてこれを読んだら、噛みついたことでしょう。
FILE8~10は、新一と蘭の中学校時代の恩師の結婚式での悲劇を描いています。
くりかえし出てくるレモンティーが効果的に使われてます。
登場人物が限られているので犯人の目星はすぐについてしまうのですが、そのことがお話としての悲劇性を高める効果を持っている点は注目点かなと思います。
裏表紙側のカバー見返しにある青山剛昌の名探偵図鑑、この8巻は銭形平次です。
青山さんのオススメは「銭形平次捕物控」って、これじゃ特定できないような......。
名探偵コナン (7) [コミック 青山剛昌]
<カバー裏あらすじ>
ナゾの招待状に招かれて、絶海の孤島に行ったはいいが、ピアノの調べにのせた連続殺人に巻き込まれ…なんとか解決できたけど、今度は俺の恋人出現 どんな難事件でも解いてみせるが、女心は分からない!蘭の怒りの解き方教えて!!
名探偵コナン第7巻です。
FILE.1 写真のワナ
FILE.2 月影島への招待状
FILE.3 ピアノの呪い
FILE.4 残された楽譜
FILE.5 業火の秘密
FILE.6 血染めのボタン
FILE.7 名前の秘密!!
FILE.8 新一の恋人!!
FILE.9 名探偵 蘭!?
FILE.10 命の時間切れ!?
の10話収録。
FILE1は、前巻 「名探偵コナン」 (6) (少年サンデーコミックス)の FILE9~10の続きで、いよいよ解決編。
天下一春祭りを背景に使い切りカメラを利用したアリバイトリックを解明します。
このトリック、思いつきはおもしろいのですが、ちょっと調べればバレてしまいそうな気がします。犯人が気をつけているシーンがありますが(そしてそのことがトリックを明らかにするのに役立つというミステリとしては優れもののシーンです)、それ以外にもいろいろと気をつけねばならないことが多いトリックかと思いました──犯人の努力ではどうしようもない部分で露見しそうです。
シリーズとしては、コナンが毛利探偵を眠らせてなり替わって推理を披露する、という定番シーンで、刑事が毛利の動きが不審なことに気づいたところへ
「目を閉じてうつむき加減にしゃべるのは最近の父のクセなんですよ!
ああなると父はズバズバ推理を的中させてあっという間に事件を解決しちゃうんです!」
と蘭に言わせているのが素晴らしい。
こういう目配りが効いているのがこのシリーズの長所ですね。
あと蛇足的に、出てくる刑事さん見て、クレヨンしんちゃんのお父さんを思い出しました(笑)。
FILE2~7は、月影島という島を舞台に、呪われたピアノ(?)をめぐる、過去から続く連続殺人を描いています。
12年前の出来事と現在の事件とが絡み合う展開となり、登場人物もそれなりに多く、プロットがとても複雑です。
これだけの内容をこのページ数に押し込んでいるため、非常に展開が窮屈になっていますし、人物の出し入れもちょっとごたついています。
それでも、マンガという表現形式を活かしたと思われるトリックは面白かったです。ミステリでは定番のトリックですが、効果的に使われていると思いました。
ところでコナン(新一)、楽譜の暗号を耳で聞いてわかるくらい、音楽に秀でた人物という設定だったのですね。
FILE8~10は、新一の恋人と名乗る女性赤木量子が登場、という衝撃の展開。
もっともコナン(新一)には身に覚えがないということなので、読者にはウラがあることはわかっている、という形です。
赤木の家に、蘭が乗り込むというワクワクする(失礼)展開。
この家で、コナンは電話を使ってコナンと新一の一人二役を演じることになります。面白い。
ウラはわりと想像がつきやすいですが、一人二役の行方がとても気になりますね。
この第7巻のラストで首尾よくいったっぽく見えますので、次巻ではミステリ部分の謎解きが行われるのでしょう。
裏表紙側のカバー見返しにある青山剛昌の名探偵図鑑、この7巻は刑事コロンボです。
青山さんのオススメは「別れのワイン」とのこと。
名探偵コナン (6) [コミック 青山剛昌]
<カバー裏あらすじ>
体が小さいからって大きな奴には負けないぞ!
と威張ってみたものの、仮面の男に追い詰められて大ピンチ!!
でも自慢の頭脳で何とか脱出、
奴らの正体だって暴いてみせるさ。
小さな名探偵・江戸川コナンとは俺のコトさ!!
名探偵コナン第6巻です。
FILE.1 仮面の下の真実
FILE.2 三人の訪問客?
FILE.3 三人のアリバイ
FILE.4 留守番電話の謎
FILE.5 タンスの言葉
FILE.6 結成! 少年探偵団
FILE.7 ナゾの兄弟
FILE.8 動く死体の謎
FILE.9 祭りの夜
FILE.10 アリバイは完璧
の10話収録。
FILE1は、前巻 「名探偵コナン」 (5) (少年サンデーコミックス)の FILE10~11で謎のおばさんに攫われてしまったコナンの話の続きです。
不穏な気配が漂うだけに一層期待して読み進んだのですが...
うーん、作者のやりたかったことは理解したつもりですが、これは好みには合いませんでしたね。
FILE2~5は、来客の隙(?) に離れで殺されてしまった実業家の事件。
部屋中に付けられた刀傷という激しい現場で殺された、居合をやっていた被害者。
累版電話やタンスの傷をめぐる部分はどちらもおもしろい着眼点だとは思うのですが、少々雑な扱いではないでしょうか? もうすこし丁寧に取り扱ってほしかったかな。
FILE6~8は、コナンの悪ガキ友だち(?) が実際に殺人事件に遭遇するけれども、警察を呼んだ時には死体が消えていて......という定番のワクワクする展開。
ただこの展開の場合、犯人が最初から限定されてしまうのが難点ですね。
犯人をほぼ確定させながら読んでいると、最後に明かされるトリック部分がいかにも苦しいように思われました。
ただ、このお茶目な探偵団にはときどき活躍してもらいたい気もします。
FILE9~10は、倒叙形式でスタートするので、天下一春祭りを背景に使い捨てカメラ(と言わないんでしたっけ?)を利用したアリバイトリックが使われたことはわかるのですが、肝心のトリック部分は伏せたまま、次巻へ続きます。
裏表紙側のカバー見返しにある青山剛昌の名探偵図鑑、この6巻は金田一耕助です。
青山さんのオススメは「獄門島」 (角川文庫)とのことです。