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ベイカー街少年探偵団ジャーナルIII 死を招く薔薇の怪事件 [日本の作家 ま行]


ベイカー街少年探偵団ジャーナルIII  死を招く薔薇の怪事件 (角川文庫)

ベイカー街少年探偵団ジャーナルIII 死を招く薔薇の怪事件 (角川文庫)

  • 作者: 真瀬 もと
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2013/02/23
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
ついに激突。リアム&エドワードvs.あの“教授”!! ホームズに憧れ、少年探偵団に入り、名探偵の背中を追いかけていたリアム。しかし、彼は愛していた父の「裏切り」と、大切な仲間傷つけた自分の「罪」に押し潰されそうになっていた。「きみは悪魔を退治するべき運命にある」。友達の子爵・エドワードの言葉が、リアムに再び正義と勇気の火を灯す。2人はお互いの父を、仲間を弄んだ強大な犯罪者に立ち向かう。


「ベイカー街少年探偵団ジャーナルI キューピッドの涙盗難事件」 (角川文庫)
「ベイカー街少年探偵団ジャーナルII アーンズワース城の殺人」(角川文庫)
に続く、シリーズ第3弾にして、シリーズ完結編です。
第1巻、第2巻以来の伏線を見事に回収して、巧緻な大団円を迎える、と言いたいところでしたが、その辺の建て付けはちょっとぎくしゃくしていますね。
このシリーズの見どころは、そういうミステリとしての部分ではなく、ホームズやワトソンをはじめとして、“教授”とか、アイリーン・アドラーなど、聖典(正典?)に出てくる人物たちを自在に操って、軽妙なストーリーを紡いで見せたところにあるのだと思います。
「ベイカー街少年探偵団ジャーナルII アーンズワース城の殺人」を読んだときに感じた読みにくさは、今回はありませんでした。

モリアーティ教授と、リアム&エドワードの対決シーンなんか、とても印象深い。
モリアーティ教授の狙いがはっきりすればもっとすっきりするのでしょうが、凡人にはわかるはずもない悪の天才の考えること、分からないままの方が趣があるのかもしれませんね。

リアムにせよ、イヴにせよ、あるいは子爵であるエドワードにせよ、これからの人生、過酷なことも待っていそうですが(リアムとイヴについては、すでに十二分に過酷だ、というご意見もありましょう...)、がんばって力強く生き抜いてほしいです。

ところで、解説で池田邦彦さんが触れている、リアムの正体、ですが、「シャーロッキアンが大喜びしそうなある仕掛けがある」なんていうほど大げさなものではなく、ちょっとしたお楽しみ、ですね。
でも、こういう小さな仕掛け(?) こそ、楽しめたりしますね。




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