C.M.B.森羅博物館の事件目録(22) [コミック 加藤元浩]
C.M.B.森羅博物館の事件目録(22) (講談社コミックス月刊マガジン)
- 作者: 加藤 元浩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/02/15
- メディア: コミック
この第22巻は、
「夏期補講授業」
「ガラスの楽園」
「螺旋の骨董品店」
の3話収録です。
「夏期補講授業」は、夏期補講後に、電研のソーラーカーを壊したのは誰か、という謎を扱っています。
謎自体は他愛ないですが、ソーラーカーの特性が活きていてよかったです。
あと、嫌みな教師が
「世の中数学や物理みたいに正解が一つしかないことばかりじゃない!
いろんな正解のある学問こそ人生には大事なんだ」
というのに対応して、森羅が
「正解が一つしかない勉強をする理由はね
自分が間違えることをしるためにやるんだよ」
と返してみせるところ、かっこいい。
「ガラスの楽園」は、ガラパゴス諸島を指します。
自然環境を守る立場と、生活のため金儲けをする立場の対比。
それと、大昔ダーウィンがガラパゴス諸島を巡っていた頃のエピソードが描かれます。
現代のパートとダーウィンのパートの結び付け方が素晴らしいですね。
ダーウィンが自然選択の考えを得た理由が、この「ガラスの楽園」で描かれたような事件があったから、だったら本当に楽しいかも。
最後の「螺旋の骨董品店」は、一転して地味~な日本の骨董品店の殺人事件。
螺旋状のお店というのが、いいですねぇ、ばかばかしくて(褒め言葉です、為念)。
並んでいるのがニセモノばかりで、「本物だったら目玉が飛び出るほど高いよ」というのが口癖の店主って、なんかいいですねぇ。
この螺旋状の変な骨董品店の謎を探るっていうのもおもしろい趣向でした。
殺人のトリックもかなりの定番だな、と思っていたのですが、読み返してみると、かなりつなわたり的な情景で、よくあるトリックもこうやってちゃんと吟味してみないといけないのだなぁ、と変なところに感じ入りました。
コメント 0