死ぬまでお買物

死ぬまでお買物
エレイン・ヴィエッツ
創元推理文庫

死ぬまでお買物 (創元推理文庫)

• 作者: エレイン・ヴィエッツ
• 出版社/メーカー: 東京創元社
• 発売日: 2006/05/27
• メディア: 文庫

＜扉あらすじ＞
よんどころない事情から、高給取りの仕事をなげうち、身ひとつで南フロリダへやってきたヘレン・ホーソーン。整形美人がわんさと集う、町でも指折りの高級ブティック〈ジュリアナズ〉で、店員の職にありついたはいいものの、どうもこの店、きなくさい。服やバッグだけでなく、麻薬がこっそり売られているようだし……と、転職を考えていた矢先、殺人事件が発生。さっさと事件が解決してほしいヘレンは、下宿の面々を巻き込んで探偵活動に乗り出した！　南フロリダを舞台にした痛快シリーズ、ここに開幕。

背表紙のあらすじより中身がわかりやすいかな、と思って、今回は扉のあらすじを引きました。微妙な違いなんですが。
コージーミステリの典型をはみ出したようなヒロインの設定がポイントの作品です。六桁の収入を得ている立場だったのに逃げ出し、居所を知られてはいけないので、銀行口座も開けず、カードも作れず、保険もだめ、雇用記録も残せない（要するに、Social Security Number が使えないということですね）。うーん、まともな生活できそうもない...そんなヘレンを支える友人サラと大家のマージョリー。おそらくシリーズ次作以降でも活躍してくれることでしょう。
高級ブティックとその客たちの裏の顔を探る話、なわけで、真相というか事態はミステリではよくある話です。よくある話ではありますが、ミステリらしい手順をきちんと踏んでいて好感が持てます。
この作品では、人物設定で新しさを出していて、そこはまずまず楽しめましたので、次作以降で、ミステリとして手堅さに加えて新しさを打ち出してくれたら、とっても楽しみなシリーズになると思います。

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