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QED 諏訪の神霊 [日本の作家 高田崇史]


QED 諏訪の神霊 (講談社文庫)

QED 諏訪の神霊 (講談社文庫)

  • 作者: 高田 崇史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/08/12
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
坂を滑り落ちる巨大な御柱に、男たちが荒々しく群がる「御柱祭」。75頭もの鹿の生首が捧げられた「御頭祭」。長野県・諏訪大社に伝わる、これらの奇祭を調べるため、同地を訪れた桑原崇と棚旗奈々は、不可思議な連続殺人事件に遭遇。御柱-御贄柱-怨念柱。千二百年続く謎が解けたとき、事件の真相も明らかに!

高田崇史のQEDシリーズ、前作は河童で、今度は諏訪大社です。
実は、間に、「QED ~flumen~ 九段坂の春」 (講談社文庫)があるのですが、積読の多さについうっかり、さきにこの「QED 諏訪の神霊」 を読んでしまいました。

さておき、諏訪大社です。
「御柱祭」は有名ですね。でも、テレビのニュースなどでちらっと見るだけで、現地に見に行ったこともありませんし、謂れを調べたこともありません。「御頭祭」は、知りませんでした。また、諏訪大社にもお参りしたことありません。
「御柱祭」は奇祭と言われることは知っていましたが、ふーん、そういう変わったお祭りなんだ、という程度の認識でした。「御頭祭」も強烈ですねぇ。それにしても、諏訪大社そのものにも、こんなに謎が多いとは、思ってもみませんでした。
前半にこれらに関する謎が次々と指摘されるのが、知らない人間には、まず圧巻でした。知らなかった身には、これだけでも十分楽しかったです。諏訪大社、とても興味がわきます。
これらの謎に、高田崇史ならではの解釈がつけられていく、QEDシリーズの醍醐味を味わってください。東の青竜で川、南の朱雀で池、西の白虎で道、北の玄武で山という平安京の結界で有名な四神相応とか、いろいろな知識がどんどん結びつけられていく手つきは、いつもながら楽しいですね。
真偽のほどはともかく(素人には判断できません。地元の方にご判定してもらうといいかな?)、一つの解釈として描かれた絵は、ひとまず説得力があるように思いました。
(ところで、4本の御柱の長さがバラバラという点についての説明が最後までなかったように...読み落としでしょうか? 気になっています)
そして、ミステリー部分ですが、うーん、今回はこちらはちょっと...という感じでした。
歴史と現実の(現代の)殺人事件が結びつく、というもので、いつも大胆な結び付け方を提示してくれるのがこのシリーズのポイントなのですが、さすがに無理が多すぎるかなぁ、と。シリーズが重ねられてきたことで、新鮮味が薄れてきた一方で、歴史と現代の重ね合わせ方にもずれが目立ち始めている、ということでしょうか。ちょっと残念です。
タタルと奈々の仲については、登場人物たちからのツッコミも激しくなってきており、シリーズ完結へ向けて進展を強く、強く期待します。

タグ:QED 高田崇史
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コメント 2

まっきー☆

QEDシリーズ、確か今月(先月?)新刊出てますよね。 全然追いつけませんが・・・御柱ですか。 またまた興味がある分野ですね!! 早く読んでみたいです・・・。( ̄ω ̄;)
by まっきー☆ (2013-01-12 10:36) 

31

まっきー☆さん、ありがとうございます。
薀蓄系は、疲れることもあるのですが、このシリーズは不思議と疲れません!
知らないことを知るのが楽しくなるので、続けて読んでいます。
シリーズのなかでは、シャーロック・ホームズを扱った回がはずれだと思っていたのですが、その中の登場人物があとの本で出てきたりするので、シリーズ的には外せない作品だったことがわかって、全体としての作者の構想力に感心しています。
なので、シリーズ完結が楽しみです。早く文庫になればいいなぁ。
by 31 (2013-01-15 23:23) 

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