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狐火の家 [日本の作家 か行]


狐火の家 (角川文庫)

狐火の家 (角川文庫)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/09/23
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
長野県の旧家で、中学3年の長女が殺害されるという事件が発生。突き飛ばされて柱に頭をぶつけ、脳内出血を起こしたのが死因と思われた。現場は、築100年は経つ古い日本家屋。玄関は内側から鍵がかけられ、完全な密室状態。第一発見者の父が容疑者となるが……(「狐火の家」)。表題作ほか計4編を収録。防犯コンサルタント(本職は泥棒?)榎本と、美人弁護士・純子のコンビが究極の密室トリックに挑む、防犯探偵シリーズ、第2弾!

昨日アップした「殺戮ガール」 (宝島社文庫) の感想(ブログへのリンクはこちら)で引き合いに出したから、というわけではありませんが、次に読んだのが貴志祐介のこの「狐火の家」「硝子のハンマー」 (角川文庫)に続く防犯探偵シリーズ第2弾で、今回は短編集です。
このシリーズは、嵐の大野君主役でドラマ化されていますね。ドラマは観ていないのですが、大野君、榎本役なんですよね。泥棒って、ちょっと大野君のイメージと違いますが、どうだったんでしょうか??
さて、本、の方ですが、「硝子のハンマー」 がとてもおもしろく、密室トリックがとても印象的だったので、このシリーズに期待するところ大という状態で読みました。
「硝子のハンマー」 の境地には到達しなかったものの、十分におもしろかったですね。この時代に、あの手この手で密室を繰り広げてくれる作者に感謝します。
あの手この手、と書きましたが、密室を取り扱っていても、「硝子のハンマー」 とはずいぶん印象が違います。
何と説明すればよいのか難しいのですが、密室のベクトルが違うとでも言いましょうか...
密室ミステリというと、やはりどうやって密室を作ったのか、に焦点があたり、次いで、どうして(何のために)密室を作ったのか、が課題になるというのが普通で、「硝子のハンマー」 もその路線の傑作だったのですが、この「狐火の家」はそういう方向性の作品とは毛色が違うようです。
もちろん、どうやって密室が構成したのか、というのも議論されるのですが、密室への出入りの着眼点が普通の作品とは逆に設定されているように思われました。すごく興味深いです。
その中では、第2話の「黒い牙」だけが普通の密室ミステリに仕上がっていますが、その分奇天烈なトリックが展開されていまして、たぶんびっくりされると思います。こんなこと考える人、いないよ~。
普通の密室ミステリを期待すると、ちょっと「ずれている」ので違和感を感じるかたもいらっしゃるかもしれませんが、密室の多様性ということで、楽しんでいただけたら、と感じます。
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