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チャーリー・モルデカイ (2) 閣下のスパイ教育 [海外の作家 は行]


チャーリー・モルデカイ (2) 閣下のスパイ教育 (角川文庫)

チャーリー・モルデカイ (2) 閣下のスパイ教育 (角川文庫)

  • 作者: キリル・ボンフィリオリ
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/12/25
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
画商チャーリー・モルデカイは、マドリードのプラド美術館からゴヤの名画をかっぱらい、アメリカ・ニューメキシコ州の石油王に配達した。やばい仕事で命を狙われモルデカイは這々の体で故郷のイングランドに戻り鉱山の洞窟に身を潜めた。アメリカ大使館のブルーチャー大佐は、モルデカイを助ける代わりに、捜査対象と結婚し金の流れを突き止めてほしいという。夫となったモルデカイは、今度は妻から暗殺の依頼を受け――。


「チャーリー・モルデカイ (1) 英国紳士の名画大作戦」 (角川文庫)(感想のページへのリンクはこちら)に続くシリーズ第2弾。
あいかわらずの怪作ぶりを発揮しています。
ただ、第1作「チャーリー・モルデカイ (1) 英国紳士の名画大作戦」を通して、インテリが、まじめくさって悪ふざけをしている、というタイプにこちらが馴れたからか、読みにくさはずいぶん緩和されました。

日本語副題に、「スパイ教育」とある通り、チャーリーが“カレッジ”で訓練を受けます。
この様子がなかなか楽しい。きっと作者も楽しんで書いたのでしょう。
方向性はまったく違いものの、訓練ということで、ちょっと胡桃沢耕史の作品を思い出しました(たぶん、「俺は秘密諜報員」(光文社文庫)ではなかったかと思うのですが、手元に本がなく、胡桃沢さんも非常に多作だったので、あまり自信はありません)。

前作もそうですが、この語り口に乗せられて、猥雑なストーリーに浸っていると、主人公チャーリーがどんなに踏んだり蹴ったりの目にあっても、ちっとも可哀想と思わない(思えない)ところに、この作品の醍醐味があるのでしょう。
ラストの、チャーリーにとっては皮肉な結末も、そうだろうな、とストーリーにぴったりマッチしています。


原題:After You with the Pistol
作者:Kyril Bonfiglioli
刊行:1979年
翻訳:三角和代





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