C.M.B.森羅博物館の事件目録(24) [コミック 加藤元浩]
C.M.B.森羅博物館の事件目録(24) (講談社コミックス月刊マガジン)
- 作者: 加藤 元浩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2013/10/17
- メディア: コミック
この第24巻は、
「二笑亭」
「ダイヤ泥棒」
「レース」
の3話に、「C.M.B. 森羅博物館の事件目録」番外編として『M.A.U. “ブラック・マーケットの魔女”の事件目録』として
「箪笥の中の幽霊」
を加えた4話収録です。
「二笑亭」は、遺産を食いつぶそうとするかのように、昭和初期に東京・深川に大地主・渡辺金蔵が建てた二笑亭を模した建物を建て始める兄を心配する妹の事件です。
森羅を待つまでもなく「なにか考えがある気がする」わけですが、うーん、これはどうでしょうか。
いずれにせよ金持ちの酔狂であることに変わりがない気がしてしまいます。もっともっと現実的な方法があったのでは?
「ダイヤ泥棒」は、その名の通り、美術館でのダイヤ泥棒事件を描いていますが、森羅サイドではなく、泥棒サイドからの視点となっているところがミソですね。
ちょっと真相は安直ではありますが、この視点が効いていて、楽しめました。
コミックの特性を活かした良い作品だと思います。
「レース」は、アンティーク・レースを扱っています。知りませんでした、レースの奥深い世界。
近世ヨーロッパで富と権力を誇る上でかなり重要なファッションだった、とは。
そしてその最高峰(?)が、「妖精のレース」。死に際して家宝でもあるそれを燃やそうとした富豪の真意は?
いやいや、ありふれた話といっては失礼ですが、それがレースひとつで耀きを放つ。ステキですね。
ただ、最後の結婚式のシーンはちょっと違和感あるんですが...
最後の番外編「箪笥の中の幽霊」は、森羅ではなく、マウが謎解きをします。
降霊術を扱った作品は、ミステリでは定番中の定番ですが、視覚的なものは実は初めて読む気がします。
なかなかいい感じに仕上がっているではありませんか。
謎が軽いので(箪笥の中で、降霊術の最中殺されるトリックは平凡と言わざるを得ませんが、視覚に訴えてなかなか読みごたえを感じます)森羅ではなく、マウが解くのがちょうどよいのかも。
この番外編もときどき描いてほしいですね。
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