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ロケットスカイ インディゴの夜 [日本の作家 加藤実秋]


ロケットスカイ インディゴの夜 (集英社文庫)

ロケットスカイ インディゴの夜 (集英社文庫)

  • 作者: 加藤 実秋
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2015/05/20
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
ある午後、「club indigo」に凶器を持った男たちが押しかけてきた。2部ホストの酒井くんに恨みがあるらしいのだが、出勤してきたばかりのジョン太たちを人質に、店内に立てこもってしまう。主力メンバーが動けない中、仲間のミスを挽回すべく2部の若手ホスト達が事態の収拾に当たるが……。など、全4話を収録。そして今回、あの人気ホストに大きな決断のときが訪れ──。波乱万丈の第6巻!


読了本落穂ひろいです。
手元の記録を見てみると、2016年最初に読んだ本のようです。
加藤実秋「ロケットスカイ インディゴの夜」 (集英社文庫)

前作「ブラックスローン」 (集英社文庫)はシリーズ初長編でしたが、この「ロケットスカイ インディゴの夜」は短編集に戻っています。

「スウィートトリック」
「ラシュリ―ドライブ」
「見えない視線」
「ロケットスカイ」
の4編に、コラボ漫画「No.1の忘れもの」が収録されています。

「スウィートトリック」は、洋菓子店でオーナーシェフのパティシェが殺され、什器が盗まれたという事件。関係者は少ないし真相は透けて見えているけれど、「おいしいは正義だよ」という刑事早乙女のセリフがいいですね。
正社員にならないかという誘いを晶が出版社から受ける、というシリーズを揺るがすエピソードのスタートでもあります。

「ラシュリ―ドライブ」は上で引用したあらすじの事件で「club indigo」で立てこもり事件発生。
2部の若手ホスト達が収拾を図るとなっていますが、基本的には晶たちがうごくので大した活躍は見せませんね。
ただ、1部のホストと2部のホストの違いは短い中でよく出ていたように思います。
シリーズ第3作の「ホワイトクロウ」 (集英社文庫)">感想で、「ウエストゲートパーク(石田衣良の作品です)は若者視点でありながら大人から見た若者像という印象があるのに対し、インディゴは大人視点でありながら若者のリアル感があるように思います」と書きましたが、このシリーズで描かれてきた”若者像”が既に古びていて、さらに新しい世代が登場しているということで、作中「世代交代、新旧入れ替え」なんて語も出てきますが、歳取ったこちらとしては感慨深い。
タイトルの ”ラシュリー” は聞きなれない語で、作中には出てきません。おそらくrashly かと思うのですが、この単語も英語としても見かけることはない語ですね。
n a careless or unwise way, without thought for what might happen or result:
とネットで調べた範囲では出ていました。

「見えない視線」は、前話のあおりで「club indigo」でやる予定だった誕生パーティを飛ばされてしまった栞という客がストーカーに悩まされている、という話。
他愛もない話、といえばそうなんですが、ここでも世代の違いというのか、若さが扱われていてちょっと印象的でした。

「ロケットスカイ」は、ジョン太の友人が襲われた事件をきっかけに、「club indigo」や晶に変化が訪れる、という話で、正社員話にも決着がつきます。

これまでのシリーズを個人的な備忘用にまとめておきます。
「インディゴの夜」 (集英社文庫)
「チョコレートビースト」 (集英社文庫)">
「ホワイトクロウ」 (集英社文庫)">
「Dカラーバケーション」 (集英社文庫)>
「ブラックスローン」 (集英社文庫)
「ロケットスカイ」 (集英社文庫)
このあと、シリーズの前日譚にあたる
「渋谷スクランブルデイズ インディゴ・イヴ」 (集英社文庫)
が出ています。

この「ロケットスカイ」 (集英社文庫)では「世代交代、新旧入れ替え」であったり、「club indigo」に大きな変化が訪れたり、シリーズがこれで終わってしまうのかなと思わせるところがありますが、そろそろまた「club indigo」の面々に会いたい気がしますね。





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