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アマルフィ [日本の作家 さ行]


アマルフィ 外交官シリーズ (講談社文庫)

アマルフィ 外交官シリーズ (講談社文庫)

  • 作者: 真保 裕一
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/01/16
  • メディア: 文庫

<カバー裏あらすじ>
日本とイタリアによる共同開発事業の調印式に出席するため、ローマ入りする外務大臣を警護せよ。特命を受けた外交官・黒田康作が在イタリア日本大使館に着任早々、大使館に火炎瓶が投げ込まれた。そんな折、母親と観光に訪れた日本人少女が誘拐され、黒田は母親とともにアマルフィへ向かう。周到に計画を遂行する犯人の真の狙いとは?


読了本落穂ひろい。
2015年の12月に読んでいたようです。真保裕一の「アマルフィ」 (講談社文庫)
織田裕二主演映画の原作、と思っていましたが、経緯が郷原宏の解説に書かれていまして、
「初めに映画のために作られたストーリーがあり、映画の公開に合わせて改めて小説として書き直された、というちょっと珍しい経歴を持った作品です。」
とのことです。

この解説に「異色の外交官を主人公にしたワンマンアーミー(一人の軍隊)型のハードボイルド」と一言で簡潔に評されている通りの作品です。
テロリスト対策室のスペシャリストで外務事務次官の特命で各国大使館に送り込まれる特別領事で、格闘技とライフル射撃の名手という設定は出来過ぎ感ありますが、よく考えたな、と思いました。
実際にこういう役職のお役人さんがいらっしゃるかどうかわかりませんが、現在の世界情勢に鑑み、いてもおかしくない、むしろいてほしい気がしますし、こういうミステリの主人公にうってつけではありませんか。

事件もそんな彼にふさわしく(?)、単なる営利誘拐ではなく(単なる誘拐という表現は問題のある表現だと思いますが、意を汲んでいただければ幸いです)、上に引用したあらすじにもある通り、真の狙いがあります。
その内容についてはミステリの感想のエチケットとして控えますが、複雑な背景を持つ事象を持ってきています。
このための手段としてこの誘拐が適切なものだったのかどうか、疑問に思うところがないではないですし、人物配置が犯行に便利なようになされている点も気になりましたが、主人公の設定に釣り合うものとして捉えました。

しっかり続編がでそうなエンディングになっていますし(実際に出てシリーズ化されています)、こういう作風は好きなのでまた読んでいきたいですね。真保裕一も読み続けていることですし。

ところで、余談ですが、タイトルのアマルフィ、あんまり出てこないんですよね、物語の舞台として。
映画は観ていませんが、しっかりアマルフィが映し出されていたのでしょうか。
世界的な観光名所ですが、小さな町なのでそこを物語の中心にはしづらかったのでしょうが、映画のため人を惹きつけるような舞台が必要だったということでしょうか。
ローマでも十分な気がしますけれど......



<蛇足>
「このイタリアでは、時として誘拐の犠牲者が、イタリア半島の爪先に当たるカラブリア州の山中で発見されることが多かった。」(102ページ)
「時として」と「多かった」というのが並立できるとは思いませんでした。
真保裕一で文章にあれっと思うことはほぼなかったのですが......
(この102ページの隣の103ページに「国情を鑑みたうえで」とあり、続けてあれっと思いました)



タグ:真保裕一
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