SSブログ

憂国のモリアーティ 12 [コミック 三好輝]


憂国のモリアーティ 12 (ジャンプコミックス)

憂国のモリアーティ 12 (ジャンプコミックス)

  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/07/03
  • メディア: コミック

<カバー裏あらすじ>
残酷なる脅迫王は人々の破滅を嘲笑う──
脅迫王・ミルヴァートンこそが、メアリーの ”秘密” を握りジョンとの結婚を破談させようと目論む張本人だった。自らの愉悦のためだけに、罪なき人々を破滅させるその卑劣な手口からジョンたちを救うべく、シャーロックはミルヴァートンとの直接対決を決意する!!
ロンドンを掌握する強大な悪意に、裁きは下るのか…


シリーズ第12巻。憂国のモリアーティ 12 (ジャンプコミックス)
表紙は......これまた誰だ レストレード警部でしょうか?

#44、45、46、47 犯人は二人 第一幕、第二幕、第三幕、第四幕(Two Criminals Act 1, Act 2, Act 3, Act 4)
を収録。

第11巻の終わりで、メアリーを脅迫しているのはミルヴァートンだとホームズが言い切って、その後の展開です。
想定通り、この第12巻はミルヴァートンとの対決です。

メアリを救うためミルヴァートンの屋敷に侵入しようとするホームズとワトソン、というのも面白いですし、同時にミルヴァートンのことを邪魔だと思っているモリアーティたちも動き出す気配を見せていてワクワク。

ホームズの潜入の手段は、ホームズともあろうものが、と言いたくなるほど凡庸ですが、ワトソンが男としての魅力?を発揮せざるを得なくなるという状況が楽しいので、よしとしましょう。ワトソンって、肉体派だったのですね笑

いよいよ本書のクライマックスは、ミルヴァートンの屋敷での対決シーンなのですが、ここがとても面白い。
こういう展開に持ち込むとはまったく予想していませんでした。
急展開といえば急展開ですが、物語の加速を予感させて楽しいです。

ところで、気になった点をいくつか。
ぼかして書きますが、ネタバレ気味かもしれませんので、気になる方は以下を飛ばしてください。

まずミルヴァートンに引導を渡したのは誰か?
作中ではセリフと硝煙でホームズとしていますが、そうとは限らないのでは?と思っています。
ドンデン返しに使えそう笑

それとホームズがどういう探偵かということはこのシリーズでは詳らかになっていませんが、ここまでのコミックを見る限りにおいては、モリアーティと相通じるところがある、とホームズ自身が感じているように見受けられます。
犯罪(そして犯罪者)を憎むというのは間違いないとしても、この第12巻で示されるように例外もあるわけですし(家宅侵入は置いておくとしても、みずから殺人に手を染めています)、これまでモリアーティのやってきたこととホームズは必ずしも対立するものではない。
優れたもの同士の対抗心というのも、ホームズの性格からしたら似合わない感情のような気がします。
このあたりの整理はしてほしい気がします。

ところで、ここが人気のある由縁なのかもしれませんが、中盤、屋根の上でホームズとワトソンがサンドイッチを食べるシーンは個人的には好きではありません。
ホームズがワトソンに対して「俺はずっとお前の事認めてるつもりだぜ」と口にするとか、友情がどうこうと述べてみるとか、ここまであからさまにいうのはある意味下品だと思うのですが。まあ、賛同者は少ないでしょうね。
物語では、こういうことはセリフとして述べるのではなく、各人の行動をもって示すべきだという古い人間なので。


さておき、とても面白くなってきました。

nice!(12)  コメント(0) 
共通テーマ:

nice! 12

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。