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ミステリと言う勿れ (7) [コミック 田村由美]


ミステリと言う勿れ (7) (フラワーコミックスアルファ)

ミステリと言う勿れ (7) (フラワーコミックスアルファ)

  • 作者: 田村 由美
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2020/09/10
  • メディア: コミック

<カバー裏あらすじ>
大学教官の天達(あまたつ)にバイトにと誘われて山荘に行った久能整。そこで謎解き会をするはずが、思わぬ事件に巻き込まれていく…… ”解読解決青年” 整が今度は山荘ミステリ 注目展開の第7巻。


シリーズ7冊目です。
「ミステリと言う勿れ (7)」 (フラワーコミックスアルファ)

episode10 嵐のアイビーハウス
episode10-2 嘘をできるだけ
episode10-3 嘘をひとつだけ
を収録しています。

今回整は、大学の教官の差し金(?) で巻き込まれるのですが、同様にその先生のゼミで同じだった相良レンという人物も登場し、整と対照的な性格付けがなされていて楽しい。
──ただ、明るく開放的で能天気っぽく見えますが、整ほどではないにせよ、きちんと物事を見ている設定でなかなかですね。おそらくは教官が心理学の先生ということで、その先生に選ばれし生徒というくくりでそれなりの観察眼の持ち主という設定なのでしょう。そうでないと整とセットにはできませんよね。

整の過去がすこしうかがわれるところがあって、ちょっと息苦しくもなりますが、一方でお茶目なシーンも用意されているので安心です。
48ページで透明人間になったら何がしたいかに対してどう答えたかをみんなにばらされそうになったときの慌てぶりとか(整も慌てるんですね)、あるいは招かれた別荘でカレーを作る117ページのシーンで「豆乳を ちょびっと 投入──」なんて一人でくだらない駄洒落を言ってみたりとか。

冒頭、整の噂話をいつもの刑事さんたちがするシーン(「ミステリと言う勿れ (6)」 (フラワーコミックスアルファ)のお正月のエピソードに触れられています)があるのですが、そこで青砥刑事が
「あいつは何か? オレたちが知らないだけで実は警視庁の学生刑事なのか?」
というところで笑ってしまいました。
青砥刑事ってメンバーの中では整のことを冷めた目で見ているイメージですが、意外と気にかけてくれていますよね。

事件の方は
今度は山荘ミステリ
と引用したあらすじにありますが、山荘ミステリで連想するのとはちょっと違いますね。
アシモフの「黒後家蜘蛛の会」にあこがれてする謎解きの会、といいつつ、裏がありそうで......
物語が重層構造になっているのがポイント高い。
今回の話はどことなく石持浅海の碓井優佳シリーズを思い起こさせてくれまして、大満足。
いままでで一番面白かったかもしれません。お気に入りです。


タグ:田村由美
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