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あんじゅう 三島屋変調百物語事続 [日本の作家 宮部みゆき]

あんじゅう 三島屋変調百物語事続
宮部みゆき
中央公論新社

あんじゅう―三島屋変調百物語事続

あんじゅう―三島屋変調百物語事続

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2010/07
  • メディア: ハードカバー


<帯あらすじ(表)>
さあ、おはなしを続けましょう。三島屋の行儀見習い、おちかのもとにやってくるお客さまは、みんな胸の内に「不思議」をしまっているのです。ほっこり温かく、ちょっと奇妙で、ぞおっと怖い、百物語のはじまり、はじまり。
<帯あらすじ(裏)>
馬飼いの少年が山で出会った女の子とは、自分のことを神様だと言うが…… 「逃げ水」
針問屋の一人娘には、恐ろしい呪いがかけられていた。謎の女性が魔を祓う!「藪から千本」
みんなが怖がって近寄らない幽霊屋敷にひとりぼっちで住む「くろすけ」とは? 「暗獣」
山間の貧しい村に広まった、てきめんにご利益のある木仏の秘密! 「吼える仏」
いたずら坊主三人組、凄腕の若侍、巨漢の偽坊主……
おちかの助っ人、続々登場!

単行本です。
「おそろし 三島屋変調百物語事始」につづく第2弾です。あれ? 出版社が変わってる...
話のおもしろさでは安心印の宮部みゆきさんです。ややもすると話が長くなりすぎる傾向がありますが、この作品は連続もの、というか、短編集というか、なのでそこは抑え気味です。よかった。
物語の骨格は、主人公おちかが怪異譚を聞く、というもので、人情話と怪談をミックスしたような感じ。
この作品に限らず、もともと怪談と言っても、怖さ、よりは、哀しみ・憐れ、を強く感じさせることの多い宮部みゆきさんなので、人情+怪談、というのはホームグラウンドというのか、魅力全開です。人間の悪意、邪気や狂気も描かれていますが、それをストレートに突き刺すのではなく、登場人物たちがふんわり包み込む(?)ことで、哀しみ・憐れに転化していくところが読みどころなのでしょう。
ぜひ実物をお手にとってご覧いただきたいのですが、南伸坊さんのイラストがまた物語世界にぴったり。
なかでは、タイトルともなった第3話「暗獣」が良く特徴が出ていると思います。---しかし、「くろすけ」って「となりのトトロ」ですよね? あの映画を見て、宮部さんはこの話を発想されたのでしょうか?

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