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鹿男あをによし [日本の作家 ま行]

鹿男あをによし
万城目学
幻冬舎文庫

鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

鹿男あをによし (幻冬舎文庫)

  • 作者: 万城目 学
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2010/04
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
大学の研究室を追われた二十八歳の「おれ」。失意の彼は教授の勧めに従って奈良の女子高に赴任する。ほんの気休めのはずだった。英気を養って研究室に戻るはずだった。渋みをきかせた中年男の声が鹿が話しかけてくるまでは。「さあ、神無月だ――出番だよ、先生」。彼に下された謎の指令とは? 古都を舞台に展開する前代未聞の救国ストーリー。

「鴨川ホルモー (角川文庫)」で、第4回ボイルド・エッグズ新人賞を受賞した万城目学の長編第2作。ミステリではありません。
「鴨川ホルモー」があまりにも強烈な印象で、ミステリ作家ではないにもかかわらず、ファンになってしまいました。「鴨川ホルモー」は絶対のおすすめです。「鴨川ホルモー」には、「ホルモー六景 (角川文庫)」という、続編というか、同じ世界を背景にした短編集もあります。こちらも楽しめます。
その万城目さんの第2作。非常に期待して読みました。
「鴨川ホルモー」は京都を舞台に、京都ならではという雰囲気をかもしながら、とっても馬鹿馬鹿しい(誉め言葉です)ストーリーを展開していましたが、今回は奈良。奈良であればこそ、というような神話、というか、歴史というかを背景に、よくまあこんなこと思いつくなぁ、とあきれてしまうくらい素っ頓狂な(誉め言葉です)話です。期待に十分応えてくれました。
主人公が女子高生・堀田イトからきつーい洗礼を受ける冒頭から、鹿がしゃべって、鹿、狐、鼠の争いとか、「サンカク」争奪戦、とか、イトが大活躍する剣道での対決シーンとか、あれよあれよという間に、どんどんどんどんあらぬ方向に展開し、行きつくところ、「サンカク」が「あれ」だった、という着地は見事、だと思います。まさかこんなところまで連れてきてくれるとは、さすが万城目という気分。
夏目漱石の「坊っちゃん」が下敷きになっていて、それに呼応するようにちゃんと青春小説してもいます。ラストシーンもなかなかにいい感じではないですか。
あと、解説を児玉清さんが書かれていて、この解説も素敵です。
万城目さんはこのあと、ことし映画化されて話題の「プリンセス・トヨトミ (文春文庫)」などを発表しています。ほんとに、目が離せません「プリンセス・トヨトミ」を読むのがいまからとても楽しみです。
タグ:万城目学
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