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田舎の刑事の趣味とお仕事 [日本の作家 た行]


田舎の刑事の趣味とお仕事 (創元推理文庫)

田舎の刑事の趣味とお仕事 (創元推理文庫)

  • 作者: 滝田 務雄
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/09/29
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
彼の名は黒川鈴木。姓名どちらも姓に見えるという点で、まあ珍名の部類に入る。職業は警察官。階級は巡査部長。既婚で子供はない。ふだんはヒマでも、事件が起これば無能な白石と真面目な赤木、二人の部下を連れて現場に急行する。起こる事件は本ワサビ泥棒、カラス騒動……。第三回ミステリーズ!新人賞受賞作から始まる愉快な脱力系ミステリ短編集。 肩の力を抜いてお楽しみください。

レギュラー陣となる登場人物たちが変なやつばっかりです。
主人公となる黒川だって、そう。表題作でもある第1話で、オンラインゲームでネカマをやっていることを知らされるのですが、それを除けば普通の人っぽかったはずが、それ以降、どんどん崩れていきます。とくに、奥さんが出てきたらもう...この崩れっぷりが見どころのひとつかもしれません。
無能な部下白石とのやりとりをはじめとする会話が「脱力系」と言われているゆえんで、大くくりで言うとユーモア・ミステリになると思うのですが、作者の仕掛ける笑いと感性が合うかどうかが、この作品の評価のポイントになろうかと思います。
ユーモア以外の部分、すなわち、ミステリとしてはどうか、というと、扱われている事件が田舎ならではものというのは大きな特徴で、謎解きもそれに応じたものになっているのは注目すべきかと思います。
表題作のトリックなど、現実にはそんなことをするやつはいないと思う人もいらっしゃるかもしれませんが、ミステリではOKというか、これこそミステリの考え方、ともいうべきもので、小味ですけれど読んでいて楽しいです。
個人的には、ユーモア部分のおかげで、せっかくのミステリ部分について、やや焦点がぼやけてしまっているように感じられて残念なので、"脱力"部分を抑え気味にしてもらえるといいなぁ、と思っています。(笑い、に対する趣味の違いではあるのですが...)
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