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暗い国境線 [日本の作家 逢坂剛]


暗い国境線 上 (講談社文庫)暗い国境線 下 (講談社文庫)暗い国境線 下 (講談社文庫)
  • 作者: 逢坂 剛
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/12/12
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
英国将校の死体が身につけた“機密文書”の真偽を探れ! 無条件降伏を突きつけられたドイツ。ヒトラー最後の望みは、地中海沿岸に上陸する連合軍の返り討ちのみ。枢軸国と連合国、史上最大の欺瞞工作が始まった。時代のうねりに引き裂かれる北都昭平とヴァジニアの愛の行方は? 傑作長編、イベリア・シリーズ第4弾!<上巻>
「わたしは、情報員である前に人間でありたい」。第二次世界大戦下のスペイン・マドリードで、敵同士ながらも愛し合う北都昭平とヴァジニア。二人をつけ回すゲシュタポ将校ハンセン兄弟の魔の手。二人はその愛を全う出来るのか。そして和平への糸口を見つけ出せるのか――。愛と諜報の壮大な歴史サスペンス。 <下巻>


「イベリアの雷鳴」 (講談社文庫)
「遠ざかる祖国」(上) (下) (講談社文庫)
「燃える蜃気楼」(上) (下) (講談社文庫)
に続くイベリア・シリーズ第4弾です。
第二次世界大戦の秘話、というと数多くの作品がいろいろな作家によって書かれていますが、スペインが舞台となっているところがやはり逢坂剛です。
このシリーズを読むと、第二次大戦秘話という枠にスペインという舞台が似合うことがわかります。中立国という立場で、連合国、枢軸国双方の情報戦のフィールドとしてふさわしいですから。スペイン自体が、どちらかにつくのではないか、という点も大きく興味を盛り上げる部分ともなりえます。
このシリーズでは、日本人北斗とイギリス人女性ヴァジニアの恋物語が絡んで、さらに盛り上がる要素が増えています。恋愛の障害が、戦争! しかも、両方から狙われたり嫌がらせを受けたりする可能性があります。あらすじにもある、ゲシュタボに襲われるエピソードなど一例。
主人公北斗がちょっと格好良すぎるくらい冴えていますが、逢坂らしい心地よいストーリーテリングに乗って、敗戦という(日本にとっての)悲劇へと、時間は進んでいきます。まさに時代に翻弄される恋人たちというところでしょうか?
この後もシリーズは書きつがれていますので、二人の恋の行方を楽しみに読んでいきたいです。



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