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竜巻ガール [日本の作家 か行]


竜巻ガール (双葉文庫)

竜巻ガール (双葉文庫)

  • 作者: 垣谷 美雨
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2009/06/11
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
父親の再婚相手の連れ子と同居することになった高校二年生の哲夫。なんと義妹は同学年のガングロ娘だった! その日から破天荒で過激な彼女に翻弄される日々が始まる……。第27回小説推理新人賞を受賞した表題作の他、浮気性で能天気な夫を捨てた母、川で溺れる男を置き去りにして逃げた愛人、一回り年下の中国人の夫の秘密を見つけ心乱す妻など、トラブルに巻き込まれても軽やかに生きる女性たちを描いたデビュー短編集。

誤解を招きそうなので、結論から先に言うと、おもしろかったです。他人にお勧めできますか? と聞かれたら、お勧めできます、と答えます。ただし、「ミステリではないけどね」と付け加えますが。
表題作で、小説推理新人賞を受賞してデビューした作家ですが、このデビュー作からして、ミステリとは言いがたいと思います。
解説で、北上次郎さんが「なお、小説推理新人賞の受賞作といっても、その持ち味はかぎりなく一般小説に近い。ミステリーの枠内にとどまらないものを感じさせるという意味では、『ミッシング』で同賞を受賞した本多孝好を想起すればいい。もちろん持ち味は異なるのだが、この作家にも大きな未来が待っているような気がしてならない」と書かれていますが、本多孝好の「MISSING」 (双葉文庫)(北上さんは「ミッシング」とカタカタ表記にされています)は、もう少しミステリ味が濃いですね。それくらいこの「竜巻ガール」のミステリ度は低いということかと思います。どんでん返しのような趣向もあり、いずれも主人公の思い込みや先入観がひっくり返されることで物語が終結しますので、ミステリ風ではありますが、伏線が感じられないので、ミステリとはちょっとタイプが違うのではないでしょうか。
ただし、この作品の場合はそこが欠点とはいえないと思います。無理にミステリ度を上げるよりはよかったのではないかと思います。
個人的には、「旋風マザー」の強引さが楽しかったですね。
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