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子子家庭の身代金 [日本の作家 赤川次郎]


子子家庭の身代金

子子家庭の身代金

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2011/02
  • メディア: 単行本


<帯あらすじ>
この誘拐、きっとウラがある!
小学生2人だけの「子子家庭」に起きた、思いがけない誘拐事件。身代金が目的なら、なぜ弟を? うちには今晩のおかず代もないのに! 現場に残されたスケッチ1枚を手がかりに、姉が奔走を始める。ようやく辿り着いた犯人の意外な正体とは。 人気シリーズ待望の復活!

単行本です。
「鼠、影を断つ」 の感想で赤川次郎のシリーズ物をまとめて書いた際に、この「子子家庭」シリーズを書き忘れていました。amazonでチェックすると、前作「子子家庭は波乱万丈―ドイツ、オーストリア旅物語」 (新潮文庫) の単行本が出たのが2007年12月だったようですので、ほぼ4年ぶりのシリーズ作品となります。8編を収めた短編集。
赤川次郎の数あるシリーズの中でも、際立って設定に無理があるシリーズです。
「二人のパパは、実直なサラリーマンだったのだが、違法な献金の罪を一人でかぶって逃亡。その同じ日に、ママの方は恋人と駆け落ちしてしまった……」とあっさり説明されている状況で、小学生二人が両親がいないことを周りにも気づかれずに暮らしていく、というのはさすがに現実には無理でしょう(少なくとも献金を捜査している警察がすぐに気付いて”保護”すると思われます)。
しかしこの二人、健気にもほどがある...
この特異な設定のおかげで浮かび上がるのは、いわゆる大人の事情。大人の事情で両親に置き去りにされた小学生二人が射抜くのは、大人の事情の身勝手さ、ずるさです。
描かれているのが極端なケースが多いので(物語である以上、極端に走るのはある程度やむを得ないことかと)、すべてなるほどな、というわけにはいきませんが、純粋な気持ちから出てくる子どもの言葉には、相応の迫力が感じられると思います。
逆に、あまりにもダイレクトに描かれすぎている、ともいえますので、そのあたりが評価の分かれ目かもしれませんね。


<2014.4追記>
2013年7月に文庫化されています。書影とリンクを貼っておきます。

子子家庭の身代金 (新潮文庫)

子子家庭の身代金 (新潮文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2013/07/27
  • メディア: 文庫




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