SSブログ

Another [日本の作家 あ行]


Another

Another

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2009/10/30
  • メディア: 単行本


<帯(裏表紙側)あらすじ>
その「呪い」は26年前、ある「善意」から生まれた--。
1998年、春。夜見山北中学に転校してきた榊原恒一(15歳)は、何かに怯えているようなクラスの雰囲気に違和感を覚える。不思議な存在感を放つ美少女ミサキ・メイに惹かれ、接触を試みる恒一だが、いっそう謎は深まるばかり。そんな中、クラス委員長の桜木ゆかりが凄惨な死を遂げた!
この“世界”ではいったい、何が起こっているのか?
秘密を探るべく動きはじめた恒一を、さらなる謎と恐怖が待ち受ける……。

新年第1作目は綾辻さんの 「another」 です。
もう文庫本が出ていますが、読んだのは単行本です。なので、上の写真&amazonへのリンクは単行本。引用したあらすじも文庫のものではありません。
文庫が出るまで積読にしてしまった....しかし、単行本が出てから2年ちょっとで文庫化というのは、すこーし早すぎる気がします、と恨み節。
せっかくなので(?)文庫へのリンクも下↓に(絵は同じなんですね)。

Another(上) (角川文庫) Another(下) (角川文庫) Another(下) (角川文庫)
  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/11/25
  • メディア: 文庫


この作品は「このミステリーがすごい! 2010年版」 第3位、2009年週刊文春ミステリーベスト10 第4位です。あと、2010 本格ミステリ・ベスト10」(原書房) 第3位でもあります。本格ミステリ?
ジャンル的には、作者も言っていますが、ホラーですね。
タイトルは映画「悪を呼ぶ少年」 [DVD]「アザーズ」 [DVD] にインスパイアされたそうです。
「緋色の囁き」 (講談社文庫) をはじめとする囁きシリーズが大好きなのですごく楽しみにしていました。雰囲気たっぷりの学園ホラーです。
ホラーではあっても、そこは綾辻さんなので、ミステリー風味になっています。途中から犯人探しではないですが、フーダニット(whodonit)の要素が強く出てきます。「犯人」(ではないですが、ここでは「犯人」と呼んでおきます)そのものはさほど意外ではなかったと思いましたが、綾辻さんらしい隠し方にニヤリ。人形や義眼といった小道具の使い方にニヤリ。
前半は展開がゆっくりで、なにしろ主人公が進んでは動かないし、肝心な話がはじまりそうになると決まって邪魔が入るし(ディクスン・カーみたい...)、じりじりもしますが、雰囲気づくりには貢献していると思います。登場人物の謎めいた発言や思わせぶりな発言は、物語世界のなかで合理的に説明されていくので、少しずつ細い糸をたぐるように、三年三組の謎が主人公の頭の中に形作られていきます。呪いのフレームが形作られれば、物語はぐっと進みます。
あとは一気呵成に(?)、「殺人鬼 ‐‐覚醒篇」 (角川文庫) のような惨劇のクライマックスへ!
単行本で670ページを超える大作をたっぷり楽しみました。
ところでこの作品、シリーズ化が可能だと思うのですが、そのおつもりはないのでしょうか??
nice!(4)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 4

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0