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黒笑小説 [日本の作家 東野圭吾]

黒笑小説 (集英社文庫)

黒笑小説 (集英社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2008/04/18
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
作家の寒川は、文学賞の選考結果を編集者と待っていた。「賞をもらうために小説を書いているわけじゃない」と格好をつけながら、内心は賞が欲しくて欲しくてたまらない。一方、編集者は「受賞を信じている」と熱弁しながら、心の中で無理だなとつぶやく。そして遂に電話が鳴って――。文学賞をめぐる人間模様を皮肉たっぷりに描いた「もうひとつの助走」をはじめ、黒い笑いに満ちた傑作が満載の短編集。

今を代表する大流行作家東野圭吾の作品です。
「秘密」 (文春文庫)「白夜行」 (集英社文庫)「探偵ガリレオ」 (文春文庫)と、どんどん売れていったわけですが、それ以前は大変(?)だったと、東野さんご自身がエッセイで書かれています。文庫本中心ではありましたが、デビュー作からずーっと読み続けていた一読者としては、うれしいような、とっておきの作家がみんなに知られてしまってさびしいような、少々複雑な感情でした。買い続けていますが、積読になっているものも増えています。いやぁ、本当に、今の東野圭吾はすごいですね。
数ある積読の中から、最初にブログで取り上げるその東野圭吾の作品をどれにしようか考えていましたが、結局「黒笑小説」を読むことに。
「怪笑小説」 (集英社文庫)
「毒笑小説」 (集英社文庫)
と続いてきたシリーズの第3弾です。
次の
「歪笑小説」 (集英社文庫)
もすでに出ていまして、「歪笑小説」 でシリーズは終了するようです。
やはりこのシリーズは、文壇(?)外のものもそれぞれ趣があってよいのですが-たとえば「臨界家族」などうまいところを突いていると思います-、裏話的興味をそそるというか、文壇を取り上げたものがおもしろいですね。
文壇を扱ったもの、という意味ではミステリでは鮎川哲也の「死者を笞打て」 (講談社文庫)や竹本健治の「ウロボロスの偽書」 <上> <下>(講談社文庫)などがあり、ミステリ以外では、筒井康隆の「大いなる助走」 (文春文庫)が著名ですね。いずれもおもしろく読みました。特に、「大いなる助走」 は、すごい衝撃作だと思うので、未読の方は是非! 「黒笑小説」のなかの「もうひとつの助走」は、もちろんこの「大いなる助走」 を意識したタイトルです。
この~笑小説シリーズでも、作家の実名こそでてきませんが、作家や編集者の俗物性とか、風潮をからかっていて、とっても楽しいです。
かなり読者を選ぶシリーズだと思うのですが、東野圭吾という作者名がブランド化している今、とても売れているようで、なによりです。
ひねた(「ひねった」ではありません! あっ、ひねってもいるなこの作品は...)作品を読みたくなったら、このシリーズをどうぞ。

タグ:東野圭吾
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