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幽霊探偵の五セント硬貨 [海外の作家 か行]

幽霊探偵の五セント硬貨 ミステリ書店 2 (ランダムハウス講談社文庫)

幽霊探偵の五セント硬貨 ミステリ書店 2 (ランダムハウス講談社文庫)

  • 作者: アリス・キンバリー
  • 出版社/メーカー: ランダムハウス講談社
  • 発売日: 2006/12/02
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
社交界の華と呼ばれた女性が殺された。そして今度は、事件の真相に迫った作家までが謎の失踪!? 自分の店に招いた作家とあらば見過ごせない! 真相究明に乗り出した書店主ペネロピーは、捜査の参考にと、店の倉庫に眠っていた幽霊探偵の事件簿を取り出してみることに。すると、中から一枚の五セント硬貨が転げ落ち……。この一枚がやがて、幽霊探偵とミステリ書店主の名コンビの命運を分ける! 待望のシリーズ第2弾。

背表紙に cozy マークがついていますので、コージー・ミステリなのですが、いかにもコージーの主人公である書店主・ペネロピーと、1940年代に活躍していた私立探偵ジャック・シェパードの幽霊とがコンビを組むという変わり種のシリーズです。コージーにハードボイルド風の私立探偵という組み合わせの妙というか、ちょっと切り口の変わった作風を展開して見せてくれるところが楽しいシリーズです。ジャックとペネロピーの掛け合いもかなり定着してきて、いい感じ。
幽霊ということを置いておくとしても、素人探偵にプロがアドバイスするという構図は、捜査の幅を広げるのにうってつけですね。ジャックには、ペネロピーの書店<バイ・ザ・ブック>から出られないという制約があったのですが、タイトルにもなっている五セント硬貨が新しい展開をもたらしてくれます。シリーズにとっては影響大です。
現在の事件と、ジャックが手掛けていた過去の事件が二重写しになるというかなり欲張りな物語ですが、混乱しません。フォントが変えてあるためではなく、作者の計算がきちんと行き届いているからだと思います。
事件は、上流階級の事件、という定番の変奏曲で、コージーにふさわしい内容。途中、地元商店街がやってみる模擬裁判(?)のだめだめっぷりもなんだかいい味出してます。
amazonで今見ると、品切れ状態のようですが、品切れにするにはもったいないシリーズだと思います。なんとか続きも読みたいですね。
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