SSブログ

どこよりも冷たいところ [海外の作家 ら行]

どこよりも冷たいところ (創元推理文庫)

どこよりも冷たいところ (創元推理文庫)

  • 作者: S.J. ローザン
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2002/06
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
マンハッタンの建設現場で工具が頻繁に消え、さらにはクレーンの操作係が失踪する。疑わしい班長の素行調査を請け負った私立探偵ビル・スミスは、レンガ工として覆面捜査を開始したが、すぐに工員が瀕死の重傷を負う。ピアノを愛する中年の白人探偵と相棒のリディアが、こみいった事件の最深部に見たものとは? アンソニー賞最優秀長編賞に輝く、期待の現代私立探偵小説第四弾。

シリーズ第4弾なのですが、このシリーズなんと呼べばよいのでしょうね? 東京創元社のホームページを見ると、「リディア・チン&ビル・スミス・シリーズ」と書いてありますが、もっといい呼び方ないものでしょうか?
若い女性とおっさん、という組み合わせは物語の定番といえば定番で、解説でもディック・ロクティの「眠れる犬」 (扶桑社ミステリー)が先行作として引き合いに出されていますが、日本でも赤川次郎の幽霊シリーズや樋口有介の諸作品などいっぱいありますね。この二人の関係が進展しそうで進展しないところがとても大事ですよね。ちょっとビルにはかわいそうですけれど。
このシリーズは中国系の若い女性リディアと中年白人男性ビルのコンビで、第1作 「チャイナタウン」 (創元推理文庫)の語り手がリディア、次の「ピアノ・ソナタ」 (創元推理文庫)の語り手がビル、そして第3作目の「新生の街」 (創元推理文庫)と語り手が交互に変わっていくのが特徴で、第4作の「どこよりも冷たいところ」 (創元推理文庫)はビルの番です。
今回はビルの建設現場に潜入する (しかも、レンガ工として!!)、という地味な発端です。だから、というわけでもないのでしょうが、明かされる真相も地に足のついたものだったように思いました。犯人像が明かされた時には、どことなく可笑しいような、哀れなような、そんな気分になったところがこの作品のポイントなのではないでしょうか?
このシリーズは順調に翻訳が進んでいて、このあと、
「苦い祝宴」 (創元推理文庫)
「春を待つ谷間で」 (創元推理文庫)
「天を映す早瀬」 (創元推理文庫)
「冬そして夜」 (創元推理文庫)
「夜の試写会」 (創元推理文庫)
「シャンハイ・ムーン」 (創元推理文庫)
と出ています。
読むだけではなく、買うほうもちっとも追いついていないのですが、読めば必ず満足できているので、がんばって続けて読みたいです。
nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0