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スロウハイツの神様 [日本の作家 た行]

スロウハイツの神様(上) (講談社文庫) スロウハイツの神様(下) (講談社文庫) スロウハイツの神様(下) (講談社文庫)
  • 作者: 辻村 深月
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/01/15
  • メディア: 文庫

<裏表紙あらすじ>
人気作家チヨダ・コーキの小説で人が死んだ――あの事件から十年。アパート「スロウハイツ」ではオーナーである脚本家の赤羽環とコーキ、そして友人たちが共同生活を送っていた。夢を語り、物語を作る。好きなことに没頭し、刺激し合っていた6人。空室だった201号室に、新たな住人がやってくるまでは。 <上巻>
莉々亜が新たな居住者として加わり、コーキに急接近を始める。少しずつ変わっていく「スロウハイツ」の人間関係。そんな中、あの事件の直後に百二十八通もの手紙で、潰れそうだったコーキを救った一人の少女に注目が集まる。彼女は誰なのか。そして環が受け取った一つの荷物が彼らの時間を動かし始める。 <下巻>

作家、脚本家、漫画家、画家、映画監督などいわゆる"クリエイティブ"な仕事をする人(とそれを目指している人)が共同生活をしている、という設定がすでにファンタジーですが、基本的にいい人に囲まれた生活が描かれていきます。
クリエーターというのは、やはり、ピュアなんでしょうか。
視点を変えながら、淡々と進むので(なにしろいい人ばかりなので、大した事件もおきません)、上巻で挫折する人もいるかもしれませんが(辻村深月ファンなら、決して上巻でやめたりしないでしょうが)、かならず下巻もお読みください。ミステリ、ではないですが、辻村深月は伏線を張り巡らせる作風なので、次々と回収される伏線の快感に浸れます。ほぼいい人ばかりでも、きちんと構図の逆転とか起きます。ミステリ・ファンも十分楽しめるとおもいます。そして、タイトルの意味を味わえば、辻村深月ファンになるのではないでしょうか?
ピュア、というより、ナイーヴといったほうがよい世界なのかもしれませんが、たまにはこういう世界に浸るのもよいと思います。

ところで、下巻第9章の映画館の中学生のエピソードの位置づけにとまどっています。女子中学生の待ちぼうけ、というエピソードは、重複気味ではないかと思うのです。相互に連想させる必要もなさそうですし、なんだか設定がダブってよくないような気がしました...
タグ:辻村深月
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