SSブログ

ガサガサ・ガール [海外の作家 は行]


ガサガサ・ガール―庭師マス・アライ事件簿 (小学館文庫)

ガサガサ・ガール―庭師マス・アライ事件簿 (小学館文庫)

  • 作者: ナオミ ヒラハラ
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2008/02/06
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
ニューヨークで再建中の日本庭園がたった一晩でめちゃくちゃに荒らされた――。
その池の底に沈められていたのは、富豪オーウチ・シルクの社長。原因は金銭トラブル? 一族の確執? 派手だった女性関係のもつれ?
ちょっとでも目を離すと何をしでかすかわからない“ガサガサ・ガール”マリと、その父で日系人庭師のマス・アライが不可解な謎に迫る――。
事件現場に落ちていた、白いクチナシの花に込められたメッセージとは何なのか……。
アメリカ探偵作家クラブ賞受賞作家が描くコミカルサスペンス「庭師マス・アライ事件簿」シリーズ、第一弾登場。

次作「スネークスキン三味線―庭師マス・アライ事件簿」 (小学館文庫)がMWA最優秀ペイパーバック賞を受賞した、ナオミ・ヒラハラのデビュー作。探偵役のマス・アライのシリーズです。
アメリカでは未だに日本は“エキゾチック”なんだなぁ、と思いました。所詮、日本は、フジヤマ、ゲイシャ、シンカンセンの国なんですね。
あとがきによると「現実的で、シンプルで、よけいなことはいっさい口にせず、目立たぬことがいちばんと心得ている」というキャラクター設定がアメリカで受けている理由とのことですが、こちらが日本人だからかそんなに感銘は受けません。
同じくあとがきの「タイミングよく置かれた日本語(本書ではカタカナで表記)」「片言の日本語が思いがけない効果をもたらし」「日頃なにげなく口にしている言葉のもつ力に、きっと新鮮な驚きを覚えるでしょう。」というのも、正直、????。 「マスがたとえを挙げて説明する“バカタレ”と“アホ”の違いなど、不思議と納得できて笑える」という訳者のコメントには、人それぞれなんだなぁ、とまったく納得できなかったこちらとしては苦笑するしかありません。せっかくなので(!?)違いの説明の部分を本文から引用しておきました。下のほうの「“バカタレ”と“アホ”の違いの説明」と書いたリンク開いてご覧ください)。そもそも、タイトルの“ガサガサ”にしたって、人物に冠するには違和感ありませんか!?
アメリカでのこういう(日本人から見れば)ちょっとずれた見方を逆手にとって作品を作り上げたのだ、と、作者は日系人とのことなので、信じたいところですが、端々から、作者自身がアメリカ人サイドにいることがうかがわれますので、日本人としては非常に残念です。カタカナの部分があることで、かえってわかりづらくなったり、変なニュアンスが加わったり、逆におかしくなっています。これなら、淡々と普通に叙述してもらったほうが何倍もいいと思います。
これでミステリ部分が良くできていれば、まだ全体としてはそれなりになったのかもしれませんが、真相も特段とりたてていうほどのこともなく...(つまらない、と言い捨てるほどではありませんが)
次作「スネークスキン三味線」も買っちゃっているので読まないと。このレベルのままだとあまりにも悲しすぎるので、MWA賞を獲っている分、ミステリ部分が向上していることを期待して読むことにします。

“バカタレ”と“アホ”の違いの説明「ガスを消し忘れ、薬缶の底を真っ黒にするような人間はバカにあたる。縁刈り機を歩道のすぐそばで使い、刃をこぼすような者も同じだ。だが、“アホ”は、これとは違う。少々をお金をかけて改良すれば、このボイラーもネズミのように静かになりますよ、というセールスマンの言葉を真に受けて、高い金を払って改良したあと、少しも音が小さくならないばかりか、ボイラーそのものもだめになってしまったことがわかる、これは“アホ”だ。ときどき、バカタレになるのは仕方がないにしても、アホになった言い訳はできない。」
さて、みなさん納得できました?

nice!(1)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 1

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0