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血の記憶 [海外の作家 あ行]


血の記憶(上) (講談社文庫)血の記憶(下) (講談社文庫)血の記憶(下) (講談社文庫)
  • 作者: グレッグ・アイルズ
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/15
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
まだ終わらない――ニューオーリンズで起きた連続殺人事件。被害者はいずれも大人の男性で、全身には歯形が残されていた。加えて壁には次の犯行を示唆する血文字が。歯科学者のキャットは担当刑事と不倫関係にありながら捜査に加わっていたが、自らの不安定な心理が事件とリンクし始めていることに気づく。<上巻>
被害者が中年以上の男ばかりという、NOMURS(ノーマーズ)殺人事件を追ううちに銃撃され、きわどく窮地を脱したキャット。捜査官との不倫関係にけりをつけ、旧家の出身である自らの過去とも向き合うことが彼女を犯人に近づけていく。タフで過激なヒロインから目が離せない、名手アイルズの傑作サイコサスペンス。 <下巻>

アイルズはリーダビリティの高い作品を次々と放っていますが、本書はサイコサスペンスで、テーマが児童虐待、しかも性的虐待ということで、かなりヘビーな内容となっています。
主人公は法医学歯科学者という立場でサイコ犯罪の捜査に携わっていますが、本書は自らの状況(不倫&妊娠)に足をとられ、そのうち過去の自分の父親の死の真相を探ることになる、という展開を見せます。
主人公キャットのキャラクター設定が結構強烈なのがポイントでしょうか。
ミステリとしては、「意外な犯人」は犠牲になっていますが(この真相は相当早い段階で読者にも見当がつくような書き方がされています)、その分、強大な敵に挑む主人公という、サスペンスの王道が中心に据えられ、骨太感があります。
主人公キャットを手助けする人物配置もぬかりなく、ボランティア的に助けてくれる人、いやいやながら手を貸す人、主人公の説得に負けて味方となる人、そしてよく都合よくそんなやつが近くにいたなぁと思えるくらい素敵な人まで、バラエティに富んだかたちを楽しめます。
いつも通り、エンターテイメントとしてぐんぐん読めました。
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