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溺れる人魚 [日本の作家 島田荘司]


溺れる人魚 (文春文庫)

溺れる人魚 (文春文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2011/02/10
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
オリンピックで4つの金メダルを獲得した天才女性スウィマーが30年後、リスボンで拳銃自殺を遂げた同じ夜、彼女を破滅に追い込んだ医師が射殺された。2人の命を奪った弾丸は同時刻に同じ拳銃から発射されたものだった!? 表題作など異郷の都市を舞台に描く3篇と、著者の原点・横浜の今を描く1篇、巻末には自作解説を収録。

御手洗潔はほとんど出てこないのですが、というか、たとえば表題作など名前だけ、みたいなのですが、御手洗潔ものにカウントしていいのでしょうか?
さておき、医学というか科学技術というか、にスコープを当てた作品群です。
表題作ですが、天才スウィマー、アディーノ・シルヴァの悲劇の人生が強く、強く印象に残ります。この人、実在の人物だったのだろうか、と読んでいる間中気になりました。それくらい鮮やかなエピソードにあふれているのです。
リスボンを舞台にした不可能犯罪は、ちょっとバランスが悪い印象で、島田荘司の筆力というか、腕力というか、力でねじ伏せたような仕上がり。それでも、アディーノの人生が響き渡って、ある意味予定調和的な結末にも納得がいきます。
島田荘司でなければ書けない、あたかも「島田荘司」というのが一つのジャンルであるかのような読後感になりますが、やはり巨匠なればこそ、ですね。


P.S.
島田荘司の作品の感想が5作目になりましたので、カテゴリーを独立させました。





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コースケ

こんばんは。
昨年購入しようか迷っていた一冊なんですよね。
御手洗が出てこなそうだから、スルーしたんですが、
微妙に登場なんですかあ。
不可能犯罪にも興味がでてきたので購入を検討してみます。
by コースケ (2012-10-16 22:22) 

31

コースケさん、nice! & コメントありがとうございます。
短編集なので、第1話の表題作は名前だけの登場ですが、第2話「人魚兵器」、第3話「耳の光る児」にはふつうにキヨシとして登場します。第4話「海と毒薬」は横浜の今を描いた、まさにボーナス・トラックなので、本全体としては御手洗潔ものにじゅうぶん入るとおもいます。
いろいろな異郷の地を舞台にした御手洗潔もの、としてお楽しみいただけるのではないかと思われます!
by 31 (2012-10-18 23:11) 

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