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秘密 トップ・シークレット (2) [コミック 清水玲子]


秘密―トップ・シークレット (2)    Jets comics

秘密―トップ・シークレット (2) Jets comics

  • 作者: 清水 玲子
  • 出版社/メーカー: 白泉社
  • 発売日: 2003/05/29
  • メディア: コミック


<帯あらすじ>
生前の脳が見た映像を再現するMRIスキャナーを捜査に取り入れ、通常の捜査では解明不可能な犯罪を一手に担う科学警察研究所 法医学第九研究室。薪警視正と青木捜査員の「第九」コンビの前に立ちはだかる凶悪事件とは--!?
近未来ポリスサスペンス、衝撃の第2巻!!


コミックです。
死者の脳を分析して、死者が生前に見ていたものをMRIスキャナーで再生できるようになっている、という物語の前提がSF的な設定のシリーズです。(第1巻の感想はこちら
第2巻にも2話収録されています。
1話目の「秘密 トップ・シークレット 2002 」は、第九が狙われます。
3か月前に、第九に配属されたばかりの新人の女性捜査官天地が殺され、その脳が第九に送られてくる。うーん、こうやって文章で書いても、グロいですね。
犯人を突き止めることが目的なのですが、それ以外の部分、脳を分析され、見ていたものを映し出すことによって明らかになる天地の想いが、とても哀しくて。
2話目の「秘密 トップ・シークレット 2003 」は、執行の終った死刑囚の脳を見る話です。
罪状と事実を照合する(動機や手順等)ことと、故人が他の犯罪に関与していなかったか調べることが目的、という設定です。
捜査官青木の父親が死に、葬式の際に母親から「お父さん……あんたの仕事好かんかったと」と言われ、父親のつけていた日記を手渡されるときには「私は見たくない」といって渡されて、「たとえ…どんな人にでも人には知られたくないものがあるからね。あんたもそれだけは忘れんようにね」と告げられる。うーん、きつい仕事ですね。
死刑囚の娘からも、「恥知らず」で始まる激しい言葉を投げつけられる。
この第九につきものの「つらさ」が響きます。
この娘が真犯人であったことが早々に明らかになっているのですが、さて、どうやって真犯人であるこの娘を追いつめるのか、という興味もこの作品にはあります。だって、父親が犯人として死刑が確定し、執行も済んでいるのですから。
これ、とても素晴らしい方法で追いつめますので、ミステリファンも満足できると思います。読者の前にちゃんと提示されていたことが使われますので。
そして、その「追いつめ方」の結果が、青木の苦悩と照らし合わされるというあたりも、構成が整っているなぁ、と。
第2巻になって、清水玲子の腕はますます冴えわたっています。次巻以降にも期待が高まります!


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