SSブログ

少女たちの羅針盤 [日本の作家 ま行]


少女たちの羅針盤 (光文社文庫)

少女たちの羅針盤 (光文社文庫)

  • 作者: 水生 大海
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/09/12
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
「お前こそが殺人者だ、証拠が残っていたんだ」
短編ホラー映画の主演女優としてロケ現場にやってきた舞利亜。彼女に渡された台本には脅迫状が挟みこまれていた! 四年前路上パフォーマンスで伝説的な人気を得た女子高校生四人の劇団「羅針盤」は、メンバーの突然の死によって活動を停止した。その死に舞利亜はどう関わっていたのか? 隠された真相を暴いたのは――。

島田荘司が選ぶ、2008年の第1回ばらのまち福山ミステリー文学新人賞優秀作受賞作。
作者名、みずきひろみと読むのですね。大きな海で「ひろみ」、なんとなくかっこいい名前です。
この作品は映画にもなっていますから、ご存知の人も多いでしょう。
現在と過去が交互につづられます。
まず何よりも、演劇に打ち込む女子高生の姿が強く、強く印象に残る作品です。
演劇部を飛び出して(?)四人組の劇団を組成し、ストリート・パフォーマンスから出発する。途中、大人の事情に翻弄されてもまっすぐに演じることに向き合っていく姿はなかなか感動的といってもよいのではないでしょうか。
現在のパートがちょっとぎこちなく、ありふれたものに感じてしまったのは、きっと過去の部分が素晴らしかったからかもしれません--実をいうと過去のパートにもやや型通りの人物が登場したりもするのですが、主人公たち4人の引き立て役としてうまく機能していて不満には感じませんでした。
現在のパートで不穏なベース音が響くことで、さわやかな青春ストーリーである過去もサスペンスフルなイメージを感じました。
ミステリとしての仕掛けは、過去の現在のつなぎ方にあるわけですが、なかなか面白いところを狙ったなぁ、と思いました。なにしろ登場人物が少ないので意外感という点では物足りないと思う人もいるとは思いますが、ちゃんと驚きも用意されています。
作風は違うものの、仕掛けに、どことなく、東野圭吾のある作品を連想してしまいましたが...
次の作品もぜひ読んでみたいです。
nice!(5)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 5

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0