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黒猫ルーイ、名探偵になる [海外の作家 た行]


黒猫ルーイ、名探偵になる (ランダムハウス講談社文庫)

黒猫ルーイ、名探偵になる (ランダムハウス講談社文庫)

  • 作者: キャロル ネルソン ダグラス
  • 出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン
  • 発売日: 2009/10/10
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
いかがわしい裏路地すらも、勝手知ったる自分の庭。ラスベガスの裏社会ではちょっとした顔の黒猫ミッドナイト・ルーイは、ひょんなことからブックフェアの会場で出版社社長の他殺体を嗅ぎつけた。同じく死体につまずいて第一発見者となったのは、美人広報のテンプル・バー。身体は小さいが頑張り屋の彼女を相棒(飼い主)に、黒猫探偵ルーイが犯人に迫る! 猫と本が事件の鍵を握る、コージーミステリ・シリーズ、第1弾。

猫が探偵というと、日本では赤川次郎の三毛猫ホームズですが、海外でもリリアン・J.・ブラウンの「猫は手がかりを読む」 (ハヤカワ・ミステリ文庫)で登場したシャム猫ココが有名ですね。
黒猫ルーイも本作「黒猫ルーイ、名探偵になる」でデビューとなったわけですが、原著は1992年発行ですからもう20年選手ですね。シリーズも20作以上になっているそうです。
日本では、このあと、
「黒猫ルーイと死神の楽屋」 (ランダムハウス講談社文庫)
「黒猫ルーイと猫屋敷の怪」 (RHブックス・プラス)
「黒猫ルーイとおてんば探偵」 (RHブックス・プラス)
「黒猫ルーイとロマンス作家の秘密」 (RHブックス・プラス)
「黒猫ルーイと交霊会の夜」 (RHブックス・プラス)
まで翻訳されています。
プロローグがいきなり猫の一人称なので、全編語り手を猫がつとめるのかな? と思ったのですが、第1章に入ると主人公格であるテンプル・バーに視点を据えた普通の三人称になるので、猫視点がちょこちょこ挟み込まれるのは単なるアクセントですね。
というわけで、普通のコージー・ミステリですね。
特徴としては、猫ががんばることと、出版業界が舞台になっていること。この作品では、ラスベガスで開催されるブックフェアの狂騒振りが舞台です。
ミステリとして見た場合、やはり犯人の名前をめぐる考察がポイントなのでしょう。ちょっと日本人には厳しい内容ですが...そして、凶器の解釈(?)はちょっと気が効いていると思いました。
ミステリとしては物足りない部分もありますし、ルーイは活躍するけれど名探偵という趣ではないのが残念ですが、基本的な部分は押さえてありますし(上述のような長所もあります)、働く女性をめぐる人間模様もちゃんと盛り込まれていますので、シリーズが長続きしていったのも納得できます。次作以降も手堅い安心感があるのではないだろうか、と思いました。

ところで、このシリーズを日本で出版していた武田ランダムハウス社って、先月倒産してしまったんですね。
確かに、新刊の何冊かは平台に積まれたままではあるものの、本屋さんの棚から既刊本は消えてしまっているような気がします。
もうこのシリーズ手に入らないのかな?
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