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犬神家の一族 [日本の作家 や行]


犬神家の一族 (角川文庫―金田一耕助ファイル)

犬神家の一族 (角川文庫―金田一耕助ファイル)

  • 作者: 横溝 正史
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1972/06
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
信州財界一の巨頭、犬神財閥の創始者犬神佐兵衛は、相続人を驚駭(きょうがい)させる条件を課した遺言状を残して永眠した。佐兵衛は生涯正室を持たず、女ばかり三人の子があったが、それぞれ生母を異にしていた。一族の不吉な争いを予期し、金田一耕助に協力を要請していた顧問弁護士事務所の若林がやがて何者かに殺害される。だが、これは次々と起こる連続殺人事件の発端にすぎなかった! 血の系譜をめぐる悲劇、日本の推理小説史上の不朽の名作!!

この本、むかーし、子供の頃に読んでいます。映画化やドラマ化もなんどもされていますが、怖そうだったので観ていません(苦笑)。まあ、さすがに、今は大人になっているので観ても大丈夫だとは思うのですが。
昨年、横溝正史生誕百十周年記念で、「期間限定 杉本一文 復刻カバーで発売!」ということで、懐かしいカバーがずらーっと本屋さんに並んでいたので、金田一耕助シリーズで、有名で、かつ中身をあまり覚えていないもの(!)として、「犬神家の一族」を選んで購入、再読しました。
中身を覚えていない、とはいうものの2つ覚えていることがありました。
一つは、一種の見立て殺人であること。横溝正史は、見立て殺人が好きなのか、いくつか作例がありますが、これもその一つ。特に、第3の見立てのシーンは、強く記憶に残っています。
もう一つは、ネタバレになるので詳しくは書けないのですが、犯人隠蔽の方法です。
読み返してみると、解決で明かされる事件の構図は、きわめて複雑で、アイデアはシンプルでも細部が精緻というか、やはり横溝正史は本格ミステリの急所を押えていてすごいなぁ、と感心しました。
また、一族の血で血を洗うような争いのおおもとが因襲によるところを、金田一耕助の推理の刀で切り開いていくところに、別の金田一耕助ものの傑作「獄門島」 (角川文庫)との共通点を感じました。
悲惨な恐ろしい事件が相次ぐのですが、ヒロイン珠世をめぐって救いとなるようなエンディングが用意されているあたり、読んでいてほっとしますが、こういう手さばき、横溝正史が好きだったという、ディクスン・カーに似ているなぁ、と思えて楽しくなりました。
読み返してみて、横溝正史はやはりいいなぁ、と思いましたので、また機会があれば、どれか再読してみたいです。

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コメント 2

まっきー☆

池波正太郎に並んで、着手したい巨匠は横溝正史なんです!!! 特に金田一シリーズはドラマではおなじみですが、原作を読んだことがないので、いつかは・・・と思っていました!!!

特に犬神家は相当回数見ていますね。 是非とも読みたいです♪
by まっきー☆ (2013-01-22 20:25) 

31

まっきー☆さん、コメントありがとうございます。
横溝正史も作品数がおおいので、迷いますよね。
個人的には、「獄門島」がお勧めです。各種ベスト10でも上位にランキングされていますが。
by 31 (2013-01-26 20:36) 

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