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モップガール [日本の作家 加藤実秋]


モップガール (小学館文庫)

モップガール (小学館文庫)

  • 作者: 加藤 実秋
  • 出版社/メーカー: 小学館
  • 発売日: 2009/03/06
  • メディア: 単行本


<裏表紙あらすじ>
なんなのこの人たち? なんなのこの会社!?
高給優遇・初心者歓迎……求人広告に誘われて、フリーターの桃子が就職した先は、事件・事故現場の後始末が専門の掃除会社だった。そこで働くのは、超犬好きの社長を筆頭に、売れない役者の重男、ギャルの未樹、イケメンだが無愛想な翔と、変人ばかり。
ようやく仕事にも慣れてきた桃子だったが、ある事件現場の清掃中、フラッシュバックに襲われる。
個性豊かな清掃員達が、桃子に起こる超常現象を手がかりに、事件や事故の謎に挑む日本初! お掃除サスペンス。

テレビドラマの原作、ということなのですが、ドラマは観ていません。全然設定が違ったらしいですね。

個性豊かな、というよりはむしろ変わった人ばかりの会社(職場)という設定はままあるもので、作者自身の「インディゴの夜」 (創元推理文庫)で始まるシリーズもそうなのですが、さすがは加藤実秋というべきか、手慣れたもので、そういった変人たちに次第に親しみがわいてくるから大したものです。--もっとも、犬好きが嵩じて、「大」という字をみると点を打って「犬」に変えてしまう社長はさすがに、なし、だと思いますけど(笑)。
特に、主人公の桃子までもがたいがい変な設定になっているところには唸らされました。普通の人がいて、比較して変人が浮かび上がるのではなく、視点人物も含めて変人ばっかり、という中で普通にストーリーを展開していくのは結構な腕が必要なのではないでしょうか?
ミステリとしてみると、やはり軽めなのは軽めなのですが、主人公桃子が体験する、あらすじでいうところの超常現象が、4話それぞれ、フラッシュバックで映像が見える(視覚)、赤いきつねの味がする(味覚)、つんとくる刺激はあるが同時に甘くてまろやかなニュアンスのある嫌な感じのしない匂いがする(嗅覚)、強烈な寒気がする(これはいわゆる五感ではないですね。どういえばいいのでしょうか?) という風に、違うタイプのものに設定されているところに趣向が凝らされていると思いました。
それにしても最終話の「ブラッシュボーイ」のエンディング、中途半端というか、いかにも続編があります! という終わり方で、すごく後を引きます。気になる! 昨年10月に出た「スイーパーズ 事件現場掃除人」(小学館)が続編のように思われるので、期待します。
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