SSブログ

オレンジ色のステッキ [日本の作家 赤川次郎]


オレンジ色のステッキ: 杉原爽香三十九歳の秋 (光文社文庫)

オレンジ色のステッキ: 杉原爽香三十九歳の秋 (光文社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/09/12
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
上司の身勝手な言動に嫌気がさした瀬沼は、会社を無断欠勤。爽香との打合せにも現れず、職を失ってしまう。リン・山崎が爽香をモデルに描いた裸婦像の公開、病に倒れた兄・充夫一家の生活費……。悩みが尽きない爽香は、瀬沼の女性問題にも係らざるをえなくなる。さらに、部下の久保坂あやめが会社で襲われ……。登場人物が読者とともに年齢を重ねる人気シリーズ!

この前に赤川次郎の作品の感想を書いたのは、昨年12月に出版された「崖っぷちの花嫁」 (ジョイ・ノベルス)でしたが(ブログへのリンクはこちら)、その際「この本が出版されたあと、赤川次郎の新刊出ていません」と書きました。
この「オレンジ色のステッキ」は、それよりも前に出版されたものです。
ご参考までに、今年に入って、6月以降に
「三毛猫ホームズの闇将軍」 (カッパ・ノベルス)
「吸血鬼は炎を超えて」 (コバルト文庫)
「三姉妹、舞踏会への招待 三姉妹探偵団(23)」 (講談社ノベルス)
「とっておきの幽霊 怪異名所巡り7」 (集英社)
「新緑色のスクールバス」 (光文社文庫)
「幽霊恋文」(文藝春秋)
と立て続けに出版されています!

さて、読んでいる間は気になりませんでしたが、嫌気がさして会社を辞めてしまう、という設定、赤川次郎の作品に多いような気がします(笑)。嫌気がさす、というのでなくても、馘になるとか、会社を辞める話は多いですよね。辞める前後で、環境だけではなく、考え方まで変わってしまう例が多いのはそれだけ会社というものの影響を強く受けている、ということを示しているのでしょうね。
この作品で会社を辞める瀬沼は、かなりのキーとなる人物なのですが、この造型がどうも...
優しさと弱さは紙一重なんていいますが、確かに瀬沼にも優しさはあるものの、なんとなくですが、弱さというよりはいい加減、というほうがぴったりな気がします。この人物には共感できない。いつもの赤川次郎だと、こういう立場に陥る人物はもう少し共感できるようになっていると思うのですが。新境地?
もう一つ、爽香のヌード画が公開されてしまう、というのも大きなトピックスです。明男との夫婦仲はどうなる? なんていうのはあまり心配していなかったのですが(失礼)、勝手に騒ぐ周りをどう整理するのかな、というのは気になるところ。こちらは極めて赤川次郎らしい着地を見せます。
もう次の「新緑色のスクールバス」が出ています。急いで読まなきゃ!

nice!(3)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 3

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0