Q.E.D.証明終了(26) [コミック 加藤元浩]
この第26巻には「夏のタイムカプセル」と「共犯者」の2つの話が収録されています。
「夏のタイムカプセル」は、ミステリでいうと日常の謎、なんでしょうか?
小学生の時に可菜が埋めたタイムカプセルに入っていた宝物(?) をめぐるストーリーです。
思い出をきちんと美しく保ってくれる燈馬でよかったね、可菜さん。
「共犯者」は、密室が取り扱われていますね。
ルミノール反応のテストをするでしょうから、このトリックはすぐにばれてしまうと思いますが(その意味ではこの作品での警察はちょっと怠慢ですね)、この作品のよいところは、そのトリックの外側(?) に犯人の狙いがあることですね。
タイトル「共犯者」も、そっけないようでいて、捻ったタイトルであることがわかって〇です。
2014年3月16日追記
読み返して気づいたのですが、「共犯者」の密室トリックはおもしろいですね。
どうやって鍵をかけたのかというトリックですが、モーリス・ルブランの短編を嚆矢とする有名なトリックで、いままでかなり多くのバリエーションが編み出されていますが、この「共犯者」にはちょっとしたひねりが加えられていて、すてきです。裏返しにしても、このトリックが成立するんですねぇ。
もっともそんなにうまくはいかないだろうな、と思わせるところがあって、そんなに都合のよいタイミングで被害者は絶命しないでしょう。でも、謎解きを絵で行うこの作品の場合、なんとなく納得してしまいます。
マンガならでは、というバリエーションなのかもしれません。
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