SSブログ

山魔の如き嗤うもの [日本の作家 三津田信三]


山魔の如き嗤うもの (講談社文庫)

山魔の如き嗤うもの (講談社文庫)

  • 作者: 三津田 信三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/05/13
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
忌み山で続発する無気味な謎の現象、正体不明の山魔(やまんま)、奇っ怪な一軒家からの人間消失。刀城言耶に送られてきた原稿には、山村の風習初戸の“成人参り”で、恐るべき禁忌の地に迷い込んだ人物の怪異と恐怖の体験が綴られていた。「本格ミステリ・ベスト10」二〇〇九年版第一位に輝く「刀城言耶」シリーズ第四長編。


「厭魅の如き憑くもの」 (講談社文庫)
「凶鳥の如き忌むもの」 (講談社文庫)
「首無の如き祟るもの」 (講談社文庫)
に続く「刀城言耶」シリーズ第3作です。
「本格ミステリベスト10 2009」第1位です。
ちなみに、「このミステリーがすごい! 2009年版」 は第8位で、2008年週刊文春ミステリーベスト10 では第7位です。

冒頭の「忌み山の一夜」という100ページほどの(!) の手記が、怖い。
そこで一家消失という不思議な事件が描かれて、そのあと連続殺人が起きます。
今回とりあげるテーマは見立て殺人。
シリーズ恒例のトリック談義も第十一章に「見立て殺人の分類」としてあります。
一家消失も、見立て殺人も、真相を二転三転させる剛腕ぶりで、強引な解決がなんだか快感になります。
一家消失なんて、強引と呼ぶべきか、爽快と呼ぶべきか、未だにわかりません。ここまで無茶をやってくれたら、もう本望です(って、ちょっと何を言っているのかわからない感じで恐縮です)。
何気ないエピソードや物語の彩りかと思われたエピソードも、伏線として次々と回収されていくおもしろさ。そして伏線をつなぎ合わせて出来上がった絵の突拍子もないこと。これらは本格ミステリの楽しみの一つ(二つ?)ですが、それが先鋭的に実現されている、と言っていいのではないかと思います。
このシリーズ、やはり楽しいですね。


nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0