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死角 オーバールック [海外の作家 マイクル・コナリー]


死角 オーバールック (講談社文庫)

死角 オーバールック (講談社文庫)

  • 作者: マイクル・コナリー
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/12/15
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
深夜、ロスの展望台で発見された男の射殺体。後頭部に二発。怨恨か処刑か――。殺人事件特捜班での初仕事に意気込むボッシュだが、テロリストが関与している可能性が浮上。FBIの捜査介入に阻まれながらも、ボッシュはひたすら犯人を追う。十二時間の緊迫の捜査を描く、スピード感溢れる傑作サスペンス。


シリーズ第13弾となる本書「死角 オーバールック」 は、シリーズ1 の異色作だと思います。

まずもって、本が薄い! (笑)
上下本ではなく1巻本で、400ページ以下。海外ミステリのなかではかなり短い長編です。
次に、あらすじにも書いてありますが、物語の中で流れる時間が、わずかに12時間ちょっとであること。
「コナリー版『24 ―― Twenty Four』の評もある」と訳者あとがきに書かれていますが、緊密な時が流れています。
そして、もともとは新聞連載であったということ。ニューヨーク・タイムズ・マガジン(日曜発行)で16回分載だったらしいです。
海外で(新聞)連載って、最近では珍しいですよね。おもしろいなと思ったのは、連載だから短くなっている、ということでしょうか。日本の場合、連載物はだらだらと(失礼!)長くなってしまっているケースが多いように思われるのですが、逆なんですね。
単行本にあたって書き直しを行い、最終的には三割前後分量が増えたとのことですが、1回三千語という制約のもと書いていたそうです。
連載物だと、切れ目切れ目で毎回山場を作るのが大変だったでしょうね。そこはコナリー、難なくこなしていますが。

ボッシュは、前作「エコー・パーク」(上) (下) (講談社文庫) (ブログの感想へのリンクはこちら)のあと、未解決事件捜査班から殺人事件特捜班へ異動しています。
普通の刑事に戻ったわけですね。
事件の方は、被害者が医学物理士で、放射性物質を扱う職業であったため、セシウム放射性物質をめぐるテロのおそれがあるとやらでFBIが介入してきます。なかなか派手でいいです。
おお、FBIの介入。アメリカにおける警察小説の定番中の定番ではありませんか。ボッシュも何度も経験していますね。
いつも通り、そして読者の期待通り、ボッシュは突っ張ってくれます。ちょっと突っ張り過ぎかなぁ、とも思うところもありますが、まあ、それでこそボッシュということで。
目まぐるしくスピーディーにストーリーは展開し、ラストの意外な解決まで(ミステリ好きにはわりと見抜きやすい真相ではありますが)一気に突っ走ります。
この勢いを楽しんでください。


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