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ダブル・ジョーカー [日本の作家 柳広司]


ダブル・ジョーカー (角川文庫)

ダブル・ジョーカー (角川文庫)

  • 作者: 柳 広司
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/06/22
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
結城中佐率いる異能のスパイ組織“D機関”の暗躍の陰で、もう一つの諜報組織“風機関”が設立された。その戒律は「躊躇なく殺せ。潔く死ね」。D機関の追い落としを謀る風機関に対し、結城中佐が放った驚愕の一手とは? 表題作「ダブル・ジョーカー」ほか、“魔術師”のコードネームで伝説となったスパイ時代の結城を描く「柩」など5篇に加え、単行本未収録作「眠る男」を特別収録。超話題「ジョーカー・ゲーム」シリーズ第2弾!


前作「ジョーカー・ゲーム」 (角川文庫)(ブログの感想へのリンクはこちら)に続いて、輝かしいベスト10入賞(?) です。
「このミステリーがすごい! 2010年版」、2009年週刊文春ミステリーベスト10 ともに第2位。「2010 本格ミステリ・ベスト10」では第7位でした。
たいへん評価の高かった前作「ジョーカー・ゲーム」 に続くシリーズ第2作なので、プレッシャーも強かったと思うのに、軽々とハードルをクリアして、またもやの高評価です。

スパイものというと、重厚長大、重苦しい雰囲気のものが多かったりしますが、本シリーズはまずもってコンパクトなのがいいですね。また非常にゲーム性の強い作品になっていて、スパイの知的遊戯(遊戯といったら叱られるかもしれませんが)の側面が強く打ち出されているのも、ミステリファンにはうれしいところ。
戦時下あるいは戦争前夜という設定なので、厳しい内容も当然含まれているのですが、こうしたスタンスのおかげで、どことなく軽やかというか、少し現実の悲惨さとは微妙に違う世界観で、楽しめます。
また各編いろんな立場からD機関のありようが切り取られていて、D機関と対立する機関との対決、なんて趣向もあります(表題作)。シリーズ全体を通して、D機関が浮かび上がってくる、そういう趣向なのでしょう。
シリーズ第3作「パラダイス・ロスト」 (角川文庫)もすでに文庫化されていて、読むのが楽しみです。



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