SSブログ

夜明けのパトロール [海外の作家 あ行]


夜明けのパトロール (角川文庫)

夜明けのパトロール (角川文庫)

  • 作者: ドン・ウィンズロウ
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/07/23
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
カリフォルニア州最南端、サンディエゴのパシフィックビーチ。探偵ブーン・ダニエルズは、夜明けのサーフィンをこよなく愛する。まわりには波乗り仲間 “ドーン・パトロール” 5人の面々。20年ぶりの大波の到来にビーチの興奮が高まる中、新顔の美人弁護士補がブーンのもとを訪れた――仕事の依頼。短時間で解決するはずの行方不明者の捜索は困難を極め、ブーンの中の過去の亡霊を呼び覚ます。ウィンズロウの新シリーズ第1弾!!


ドン・ウィンズロウの新シリーズです(といっても2010年7月刊行なので、3年近くも積読にしていました...)。それだけでも、期待が高まりますね。
『前作の「犬の力」 〈上〉 〈下〉 (角川文庫)が剛腕でねじ伏せるような迫力満点であったのに対し、この「フランキー・マシーンの冬」 〈上〉 〈下〉 (角川文庫)は緊迫感あるクライム・ノヴェルなのに、どことなく余裕を感じさせる、そんな作品です。』
と前作「フランキー・マシーンの冬」 〈上〉 〈下〉 の感想で書きましたが(リンクはこちら)、今回の「夜明けのパトロール」 (角川文庫)はさらに余裕を感じさせるというか、文体といい、会話といい、くつろいで楽しめます。
内容や雰囲気はずいぶんと違うのですが、「ストリート・キッズ」 (創元推理文庫)から始まるニール・ケアリー シリーズをちょっと思い出しました。
いいじゃないですか。こういう作品、もっともっと多くなるといいのに。
まず、ブーンを取り巻く人物がいいですね。“ドーン・パトロール”のメンバーそれぞれが持つ(サーフィンに対する、人生に対する)スタンスもそうですし、それぞれが秘めた(?) 過去も印象深い。
また会いたい、と強く感じました。
特にシリーズということでは、サニーとペトラという女性二人の今後がとても気になります、ブーンとの関係も含めて。
「しかし、暗黒の大作「犬の力」を経たウィンズロウが、そのまま“うふふオモシロ小説”で終わるはずもありません。」と訳者あとがきに書いてあるのは、まるでピュアな娯楽小説を低いもの、価値のないもののようにとらえていて気に入らないのですが、確かに指摘通り、明るい叙述ぶりにもかかわらず、扱われている事件は非常に重苦しいもので、この落差もみどころなのだと思います。
なんにせよ、楽しみなシリーズができました。続けて読んでいきます。


原題:The Dawn Patrol
著者:Don Winslow
刊行:2008年



nice!(7)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:

nice! 7

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0