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グランド・ブダペスト・ホテル [映画]

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久しぶりに映画です、映画館ではなく、夏休みの旅行で利用した飛行機の機内で観ました。
映画のHP(リンクはこちら)からあらすじを引用します。


ヨーロッパ大陸の東端、旧ズブロフカ共和国の国民的大作家(トム・ウィルキンソン)が語り始める、ゴージャスでミステリアスな物語--。

1968年、若き日の作家(ジュード・ロウ)が休暇で訪れたのは、かつての栄華を失い、すっかりさびれたグランド・ブダペスト・ホテル。ホテルのオーナー、ゼロ・ムスタファ(F・マーレイ・エイブラハム)には、いくつもの謎があった。どうやって貧しい移民の身から大富豪になったのか? 何のために、このホテルを買ったのか? なぜ一番狭い使用人部屋に泊まるのか? ムスタファは好奇心に駆られた作家に、彼の人生をありのまま語り始める。

遡ること1932年、ゼロ(トニー・レヴォロリ)がグランド・ブダペスト・ホテルのベルボーイとして働き始めた頃。ホテルはエレガントな宿泊客で溢れ、伝説のコンシェルジュ、ムッシュ・グスダヴ・H(レイフ・ファインズ)は、ゼロの師にして父親役だった。究極のおもてなしを信条とする彼は、マダムたちの夜のお相手も完璧にこなし、多くの客が彼を目当てにホテルを訪れていた。

しかし、彼の人生は一夜にして変わる--長年懇意にしていた“マダムD”(ティルダ・スウィントン)が殺され、遺言で貴重な絵画「少年と林檎」を贈られたグスタヴは容疑者になってしまう。

ホテルの威信を守るため、謎解きに挑むグスタヴとゼロ。コンシェルジュの秘密結社クロスト・キーズ協会(鍵の秘密結社)や、ゼロの婚約者アガサ(シアーシャ・ローナン)の力を借りて、大戦前夜のヨーロッパ大陸を飛び回る!

二人に迫る、警察、真犯人の魔の手、そして開戦。果たして真相は――?


このあらすじ、確かにストーリーをきちんと拾い上げてはいるのですが、勘所を外しているように思います。いや、この言い方は正確ではありませんね。このあらすじが勘所を外しているのではなく、この映画はあらすじで語っても意味がない、というか、この映画のおもしろいところは、あらすじでは掴みきれない、というべきかと思われます。

いつも引用している「シネマトゥデイ」HPの「チェック」欄を見てみましょう。

チェック:『ダージリン急行』などのウェス・アンダーソン監督が、格式高い高級ホテルを取り仕切るコンシェルジュと、彼を慕うベルボーイが繰り広げる冒険を描いた群像ミステリー。常連客をめぐる殺人事件と遺産争いに巻き込まれた二人が、ホテルの威信のためにヨーロッパ中を駆け巡り事件解明に奔走する。主演のレイフ・ファインズをはじめ、エドワード・ノートン、エイドリアン・ブロディ、ジュード・ロウなど豪華キャストがそろう。

さきほどのあらすじもそうですし、この「チェック」もそうですが、これらを見るとこの映画は、ミステリ映画なのだと思ってしまいます。
全然違います。そういう狙いはまったくありません。ミステリー映画がめざすのとは別のところを目指した映画です。犯人を隠す気なんてありません。

この映画は殺人を扱ってはいても、ちょっとお洒落で、肩の力を抜いた、上品なユーモアにあふれた娯楽作品であることが一番の目的だと思います。その点ではある種のミステリー映画と共通するところもあるわけですが、比重はミステリにありません。
飛行機の中の小さな画面で見たので十分に味わえなかったのですが、それぞれの画面が楽しい。
上に引用したポスターより、以下の2枚の画像の方が雰囲気をよく伝えていると思います。

グランド・ブダペスト・ホテル 348087_001.jpg
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連続殺人だろうが、刑務所に閉じ込めらようが、開戦前夜のきな臭い世相であろうが、そんなものには負けない気位の強さを感じます。
この余裕こそ、このファンシーさこそが、この映画の最大のポイントだと強く感じました。
警察、真犯人の魔の手、そして開戦とあわただしい中で繰り広げられる、グスタヴとゼロのドタバタした、ちょっとオフビートな逃走劇をたっぷりと楽しみました。



原題:THE GRAND BUDAPEST HOTEL






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