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小暮写眞館 [日本の作家 宮部みゆき]

小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

小暮写眞館 (書き下ろし100冊)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/05/14
  • メディア: 単行本


もう9月なんですねぇ。早い。
よたよたとやっているこのブログ、未だ6月に読んだ本の感想を書いております。うーん、記憶が薄れている...
さて、この「小暮写眞館」 、2010年5月に刊行された単行本で読みました。
「著者3年ぶりの現代エンターテイメント」と帯に書いてあります。
既に2013年10月に文庫化されています。
小暮写眞館(上) (講談社文庫)小暮写眞館(下) (講談社文庫)小暮写眞館(下) (講談社文庫)
  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/10/16
  • メディア: 文庫

表紙は同じ写真を使っているのですね。
目次をみると、
第一話 小暮写眞館
第二話 世界の縁側
第三話 カモメの名前
第四話 鉄路の春
となっていて連作短編の形式ですが、実質は長編ですね。
もともと写真屋さんだったところを居抜きで借りて普通の住宅として使う...居抜きっていう表現はおかしいかもしれませんが、写真屋さんだった店舗の建物を住宅にして使う。これ、かなり使い勝手悪そうなんですが、そしてそういう部分もあるのですが、なんだかこの設定がいい。
そしてその写真屋さんには、もとの店主の幽霊がいる...
越してきた高校生の花菱英一が、古い、とはかぎりませんね、写真をめぐるエピソードを追いかけていく、というのが基本パターン。
新興宗教が絡むものだったり、フリースクールをめぐる話だったり、急な婚約破棄をめぐる顛末の話だったり。
これらの話を通して、弟・光(ピカ)や、あっせんしてくれた不動産屋の従業員・順子などの周りの人物との交流(?) を英一が深め、自らの家族の問題も含めて、いろいろと学んで(?) いきます。親子のありかた、家族のありかた、子育ての難しさ...
ラストは、表紙の写真のような、春の花に包まれたような、暖かい地点にたどり着きます。
完全無欠のハッピーエンドとは言えないかもしれませんが、最近の「悪意」をつきつけるような宮部みゆきの作品とは違い(これはこれでおもしろく読むのですが)、ふんわりと包み込むような着地が心地よかったですね。

ミステリとはちょっと違いますが、こういう作品もまた書いてもらいたいです。




タグ:宮部みゆき
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