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カラット探偵事務所の事件簿 2 [日本の作家 乾くるみ]


カラット探偵事務所の事件簿 2 (PHP文芸文庫)

カラット探偵事務所の事件簿 2 (PHP文芸文庫)

  • 作者: 乾 くるみ
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2012/07/17
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
《あなたの頭を悩ます謎を、カラッと解決いたします》
――閑古鳥の啼く「謎解き専門」の探偵事務所に持ち込まれた七つの事件を、探偵・古谷が鮮やかに解決!
密室状態の事務所から盗まれたあるものを見つけ出す「昇降機の密室」、駐車場の追突事件の真相を暴く「車は急に……」、急死した父親が残した秘伝のたれのレシピを探す「一子相伝の味」など、ミステリの名手による連作短篇集。待望のシリーズ第二弾!


「カラット探偵事務所の事件簿 1」 (PHP文芸文庫)に続くシリーズ第2弾。前作の感想ページへのリンクはこちら
前作を読んでからから2年も間を開けてしまいました。

「カラット探偵事務所の事件簿 2」には
File 6 「小麦色の誘惑」
File 7 「昇降機の密室」
File 8 「車は急に……」
File 9 「幻の深海生物」
File 10 「山師の風景画」
File 11 「一子相伝の味」
File 12 「つきまとう男」
の7話を収録しています。
各話のタイトルが6文字で統一されているのがいい感じです。乾くるみのことだから、これになにか暗号というか仕掛けが隠されているのかもしれませんが、わかりません...

それぞれの事件(?)の謎は、きわめて軽いというか、小粒ですね。
乾くるみお得意の、言葉に焦点を当てた作品も、あまり見当たりません。駄洒落は出てきますが。
なので、謎解きを楽しむというにはかなり物足りない。もう少し歯ごたえのある謎解きを、乾くるみには用意してもらいたい。

「カラット探偵事務所の事件簿 1」では、最終話である“事実”を明かしていて、楽しかったのですが、この「カラット探偵事務所の事件簿 2」では、まるでその“事実”を明かしたことなどなかったかのように話が進められます。
なので、「カラット探偵事務所の事件簿 1」を読んでいなくても大丈夫そうなものですが、「カラット探偵事務所の事件簿 2」でも最終話でちょっとした仕掛けがあり、それは「カラット探偵事務所の事件簿 1」を読んでいたほうがよいので、ぜひ「カラット探偵事務所の事件簿 1」を読んでから「カラット探偵事務所の事件簿 2」は読んでください。

その「カラット探偵事務所の事件簿 2」の最終話「つきまとう男」で明かされる“事実”も、なかなか楽しいですよ。
ラスト9行目からの段落を最初に読んだときは、読み間違えたのかと、一瞬「あれっ?」と思いました。そういう風には書いてなかったのに、と、初めから読み返してしまいました。読み返して、もっとあからさまなヒントを入れておいてくれもよかったのに、と思いました。若干負け惜しみも入りますが、ちょっと無理があるようにも思います(笑) (あと、余計なことですが、こういう設定の場合「もし間違いがあったら」なんてことはありえないような気がするので、古谷が俺に責められるのはかわいそうです)
そして迎えるラスト2行。
参りました。
こんな重大な事実をあっさりと...
乾くるみらしくない、と言ったら叱られるでしょうか? こういうムードで本を締めくくるなんて、憎いねー、といったところ。

今ラストを読み返して、意地悪な解釈を思いついてしまいました。まさかね。
実際どうなのか、確かめてみたいので、シリーズ第3作も、書いてほしいです。




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