C.M.B.森羅博物館の事件目録(9) [コミック 加藤元浩]
C.M.B.森羅博物館の事件目録(9) (講談社コミックス月刊マガジン)
- 作者: 加藤 元浩
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2008/10/17
- メディア: コミック
この第9巻は、
「太陽とフォークロア」
「メタモルフォーゼ」
「死滅回遊」
の3話収録です。
「太陽とフォークロア」は、インカの黄金をめぐる話です。ロマンありますね。
インカ帝国という名前は、ヨーロッパ人が勝手につけたもので、本当の名前は“タワンティンスーユ”(四つの州という意味)というらしいですね。知りませんでした。
謎解きは平凡ですし、ミステリとしてみるとアンフェアな描写もあって、さらには動機も今一つで誉められないのですが、懐中電灯とデジタルカメラをめぐる部分なんかは素直に感心できました。
「メタモルフォーゼ」については、いくらなんでもこのトリックはないだろう、とケチをつけたくなりますが(文章ではなく、絵でかかれるので誤魔化しやすいとは思いますが、これは絵でもカバーしきれないでしょう)、そんなことを言うと、森羅といっしょでトウヘンボクといわれてしまいそうですね(笑)。
ただ、成功するまで何度でも試せる、ある意味スグレモノのトリックではありますが...
「死滅回遊」は、マンガならではというミステリを採り上げているのですが、うーん、正直よくわかりませんでした。こんなの字で表現されてもちっとも伝わらないでしょう。でも、マンガという直接視覚に訴えるこの作品でも、わかりづらい。
ただ、「メタモルフォーゼ」にせよ、「死滅回遊」にせよ、小説ではない、マンガという媒体を意識したトリック、仕掛け、物語を展開してくれていますので、失望はありません。(逆に、「太陽とフォークロア」は、小説だったらアンフェアと感じなかったかもしれませんが)
非常によく考えられたミステリコミックシリーズだという印象を強くしました。
2014-10-22 22:50
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