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チヨ子 [日本の作家 宮部みゆき]


チヨ子 (光文社文庫)

チヨ子 (光文社文庫)

  • 作者: 宮部 みゆき
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2011/07/12
  • メディア: 文庫


<裏表紙あらすじ>
五年前に使われたきりであちこち古びてしまったピンクのウサギの着ぐるみ。大学生の「わたし」がアルバイトでそれをかぶって中から外を覗くと、周囲の人はぬいぐるみやロボットに変わり――(「チヨ子」)。表題作を含め、超常現象を題材にした珠玉のホラー&ファンタジー五編を収録。個人短編集に未収録の傑作ばかりを選りすぐり、いきなり文庫化した贅沢な一冊。


「雪娘」
「オモチャ」
「チヨ子」
「いしまくら」
「聖痕」
の5編収録の短編集です。

宮部みゆきさんといえば、「模倣犯」 「日暮らし」 「ブレイブ・ストーリー」 など長大な長編を連想し、長編作家という印象が強いのですが、大森望さんの解説によると、この「チヨ子」 が出た2011年7月時点で、著書47冊中約半数が(連作を含む)短編集とのことで、「“宮部みゆきは短編作家である”と言っても過言ではないくらい」らしいです。-この解説、宮部みゆきのインタビューからの抜粋もふんだんにあって、おもしろく興味深いです-
確かに、そういわれてみれば、短編集もたくさん読んできていますね。
短篇だと、「書きすぎる」宮部みゆきの欠点(それを好む読者もいらっしゃるとは思いますが、あえて欠点とします)が出にくいというか、不可能となるので、短編の方がひょっとすると宮部みゆきの美点が浮かび上がってくるかもしれません。

さて、5編いずれも、超常現象の出てくるホラー&ファンタジーです。
ホラーと言っても、読者を怖がらせることに主眼があるわけではなく、「哀しみ」や「憐れ」をたたえたホラーです。きわめて宮部みゆきらしいホラーと言えます。
「オモチャ」「チヨ子」なんかはファンタジーといったほうが良いのでしょうか? ノスタルジックなイメージが喚起。
「いしまくら」が境界の作品。
「雪娘」「聖痕」はホラーですね。
「雪娘」の、タイトル通りの凍えるような心持ちも印象的ですが、個人的には、最後の「聖痕」が本当に怖かったです。




タグ:宮部みゆき
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