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Q.E.D.証明終了(32) [コミック 加藤元浩]


Q.E.D.証明終了(32) (講談社コミックス月刊マガジン)

Q.E.D.証明終了(32) (講談社コミックス月刊マガジン)

  • 作者: 加藤 元浩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/01/16
  • メディア: コミック




この第32巻には「マジック&マジック」と「レッド・ファイル」の2つの話が収録されています。

「マジック&マジック」は、マジシャン黒法子万十(くろほうしまんと)が、燈馬を驚かしてやる、見たこともないマジックを見せよう、といい、燈馬の持っているホフマンの「モダーン・マジック」という稀覯本を賭けます。
黒法子の過去の失敗談も含め、マジックやマジシャンのありようが描かれます。
種明かしが禁物のマジックを、種明かしこそ命のミステリー・コミックが扱って、見事に着地してみせます。
これ、素晴らしい。

「レッド・ファイル」は、金融を取り扱っています。
が、これは感心しませんでした。
迂回融資や買収の説明は間違っていますし、先物やオプションの仕組みの説明まではなんとかこなしていますが、その先のヘッジファンドや株の価格決定メカニズムの説明は、とんちんかんなものになってしまっています。「そこで最初のヘッジファンド 『先物取引』が生まれたんです」なんて意味不明なせりふ、なかなかお目にかかれませんよ。
だから、安全だけど利益は少なめ、中程度、危険だけど利益は大きい、の3つからの選択で、危険だけど利益は大きいを選ぶのは間違い、などという安直な思考を正解としてしまうのです。
ちゃんと理解せずに書かれたのか、あるいは、マンガだからこの程度で十分と思ったのか...
「実態のわからないお金と危険(リスク)が世界中を駆け巡っている」
「金融の世界を支配する“怪物”ってのはね 際限のない欲望と無責任な自身よ」
という主張自体は悪くないんですけどね。
途中、投資会社の社長が
「このハンバーガーとコーラは世界で一番売れている
だから世界で一番美味いものに決まってるだろ」
というのは新鮮な角度で笑えたのですが、全体として残念な作品でした。




タグ:QED 加藤元浩
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