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トム・アット・ザ・ファーム [映画]

トム・アット・ザ・ファーム T0019225p.jpg


映画観るの、すごい久しぶりです。
映画のHP(リンクはこちら)からあらすじを引用します。


モントリオールの広告代理店で働くトム(グザヴィエ・ドラン)は、交通事故で死んだ恋人のギョームの葬儀に出席するために、ギョームの実家である農場に向かう。そこには、ギョームの母親アガット(リズ・ロワ)と、ギョームの兄フランシス(ピエール=イヴ・カルディナル)が二人で暮らしていた。

トムは到着してすぐ、ギョームが生前、母親にはゲイの恋人である自分の存在を隠していたばかりか、サラ(エヴリーヌ・ブロシュ)というガールフレンドがいると嘘をついていたことを知りショックを受ける。さらにトムはフランシスから、ギョームの単なる友人であると母親には嘘をつきつづけることを強要される。

恋人を救えなかった罪悪感から、次第にトムは自らを農場に幽閉するかのように、フランシスの暴力と不寛容に服していく……。



こういうあらすじだと、普通は観ないタイプの映画なのですが、映画館に置いてあるチラシに、
「隠された過去、罪悪感と暴力、危ういバランスで保たれる関係、閉塞的な土地で静かに狂っていく日常。
 ケベック州の雄大な田園地帯を舞台に、一瞬たりとも目を離すことのできないテンションで描ききる、
 息の詰まるような愛のサイコ・サスペンス」
と書いてあったんですね。
サイコ・サスペンス。
こりゃあ、観てみなきゃ...そう思いまして。

いつも引用している「シネマトゥデイ」HPの「チェック」欄を見てみましょう。

チェック:『わたしはロランス』などのカナダ出身の監督グザヴィエ・ドランが、亡くなった同性愛の恋人の家族との奇妙な関係をバイオレンスを交えて描くサスペンス。恋人の葬儀に出席するために田舎へ向かった主人公が、恋人の兄で暴力的な男と過ごすうちに心に変化が生じていくさまを映し出す。主人公の青年をドラン自身が演じ、脚本と編集、衣装も担当。激しい愛と暴力、独特で繊細な人間関係など、若くして国際映画祭を席巻するドランの演出手腕に注目。

この「チェック」、ドラン監督が同性愛の人だという風に読めちゃいますね。と思ったら、実態は存じ上げませんでしたが、Wikipedia を見ると、ゲイらしいですね。

さておき、見た結論は、サイコ・サスペンスではない、です。
サイコ、というほど激しくはないもののサイコっぽい人物は出てきますし、サスペンスも確かにありますが、サイコ・サスペンスとして連想するような作品ではありません。
サイコ・サスペンスというのは、やはり、(広義の)ミステリの1ジャンルの範囲に入る作品を指す呼称であるべきだと思います。

ということで、期待したようなジャンルの作品ではなかったのですが、観なきゃよかった、というのでは全然なく、たまにはこういう映画を観るのもいいかな、と思いました。

印象的なのは、観ていると、ひりひりした感じがすることでしょうか。
人間関係といい、登場人物たちの行動といい、ひりひりします。
サイコ・サスペンスだと思って観てしまったので、もっともっと激しい展開になることを予想してしまいましたが、それほど激しくはなくても、十分ハラハラはしました。

こちらの理解力が欠けているため、主人公であるトムの心情がぴんと来なかったのが残念。
見終わった後、パンフレット(プログラム?) 買っちゃいました。それを読んで、なるほどねー、と思ったところ数か所...
こういう点、小説の方が登場人物の心情に直接触れられる、あるいは直接的な説明や描写が可能な点、わかりやすくできるのですね。

ちなみに、パンフレットには、この映画のトムを演じているときではない、普段の(?) グザヴィエ・ドランの写真があるのですが、あまりの違いにびっくり。
うーん、映画のトムと違って、金髪じゃないんですね。
しかし、髪の色だけで(ひげの有無も違いはあるんですけど)、ずいぶんと印象が違ってくるもんですねぇ。当たり前か...
「金髪に染めてみたかった」なんて、お茶目な発言もあって、楽しかったです。

原題は、Tom à la ferme 。
ケベックってことで、フランス語です(グザヴィエ・ドランは、モントリオール出身らしいです)。
邦題は、それをわざわざ英語に直して、カタカナ・タイトルにしています。センス、ないよなー。
こういう作品こそ、きりりとした日本語のタイトルがふさわしいように思いました。←文句言うだけは簡単なんですよね。





原題:Tom à la ferme







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ミシェル・デマルケ

映画も幅広く見てますねぇ。さすがです。

ときどき情報番組やクイズ番組で映画の邦題と
原題を比較する企画をやってますけど、愛と青
春の何とか・・・みたいに原題を無視してつけた
お陰で異例の大ヒット!的な実例が出来てしまう
と、興行収入を上げるためにゃ多少は元と違っ
てもいいんだよっていうふうになってしまうんで
しょうか。 
きっと映画の配給会社のひと達も入社前は純粋
な映画ファンだったんでしょうに(笑)。

by ミシェル・デマルケ (2015-03-08 14:15) 

31

ミシェル・デマルケさん、nice! と コメントありがとうございます。

お褒めいただいた恐縮ですが、映画もミステリ関連中心で、すごーく偏っていてお恥ずかしい限りです。
引き続き、よろしくお願いします!

by 31 (2015-03-08 21:45) 

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