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エーミールと探偵たち [海外の作家 か行]


エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

エーミールと探偵たち (岩波少年文庫 (018))

  • 作者: エーリヒ・ケストナー
  • 出版社/メーカー: 岩波書店
  • 発売日: 2000/06/16
  • メディア: 単行本


<裏表紙あらすじ>
おばあちゃんをたずねる列車の中で、大切なお金を盗られてしまったエーミール。ベルリンの街を舞台に、少年たちが知恵をしぼって協力し、犯人をつかまえる大騒動がくりひろげられます。


いわずとしれた児童書の名作です。
引用したあらすじのところに、「小学4・5年以上」なんて記載もあります。
子どもの頃読んでいるはずですが、中身は覚えておらず、なんとなく懐かしく手に取りました。
あらためて大人の目で読むと、他愛もないといえば他愛もない話ですが、ケストナーは決して手を抜いていませんね。

『エーミールは「いい子」だった。そのとおりだ。けれども、おくびょうで根性がケチ臭くて、ほんとうの子供らしさをなくしているために、「いい子」のふりをするしか知らない連中とはわけがちがう。エーミールは、「いい子」になろうと思ってなったのだ!』(54ページ)
こうダイレクトに書かれているところは児童書ならではですが、エーミールの行動を通してもきちんとそのことが伝わるようになっています。
短い物語でも、きちんと個性的な登場人物たちが騒動を繰り広げるところ、安心して読めます。

ミステリ的には(?)、とられたお金を取り返す。そのために子供たちが知恵を絞る、という王道がすっきりと描かれています。
このやり方で本当に犯人が参ったと思うかどうか若干心もとない気もしますが、176ページのイラストなんかをみると、うーん、確かに嫌かも。
子どもから見て、楽しいアイデアなんじゃないかとも思えて、かなりGOODです。

実は児童書を数冊一気に買ってみたんです。
積読に紛れてゆっくり今後も読んできます。

ところで、蛇足。
バタパン(161ページ)って、普通にいう名詞ですか?? バターパンってこと? バターパン、でもあまりぴんと来ないのですが...バターロールみたいな意味合いなんでしょうか?

あと、グスタフという子供がなかなか重要な登場人物なんですが、口癖が「てやんでい」(笑)。
ドイツ語ではどう書いてあるのでしょうか?
訳者あとがきで
「もっとも、これらは私がドイツ語で物語を読んでいて、-略- 登場人物の声が、こんなふうに日本語で聞こえてきた、ということですが」
と述べられています。子供が「てやんでい」...
訳者の池田さんはおいくつなんだろうと思ったら、1948年生まれだそうです。それにしても...「てやんでい」...

原題:Emil und die Detektive
作者:Erich Kastner
刊行:1929年
翻訳:池田香代子


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